表紙キャラクター大政 絢さんの連載【日本に出逢う、12か月の季節心得「絢ごよみ」~神無月~】落款づくりで新たな和の領域へ
雑誌『Precious』の連載【日本に出逢う、12か月の季節心得「絢ごよみ」】では、『Precious』表紙キャラクターの大政 絢さんが日本独自の季節感を学ぶべく、「日本雅藝倶楽部」主宰の川邊りえこさんのご指南のもと、繊細な美意識に触れていきます。
絢さんが今月取り組むのは、書画作品に欠かせない落款(らっかん)づくり。時間をかけて印面に篆刻していきます。
「作品の決め手となる落款づくりで新たな和の領域へ」
「絢」の名前が篆刻された落款は、印を押したときに文字が白くなる「白文」。前回の連載で「東京鳩居堂」で購入した「古代朱」の印泥は、奥深い色味が魅惑的。
「落款の価値を高める印泥の色にこだわって。深みのある赤が作り手の美意識を物語ります」川邊りえこさん
大政さん:「書の世界に憧れがあり、書初めなどの作品づくりを視野に入れています。そこで、今回は、書画作品になくてはならない落款づくりに挑戦を。歴史的な書画にも、必ず押されている落款。制作するうえでのコツはありますか?」
川邊さん:「落款は “落成款識(らくせいかんし)” の略語であり、書画を作成した際に署名に代えて押す印影のこと。書は落款なしでは完成しません。まさに“画竜点睛”の役割をもちます。まずは、名前の書体を篆刻(てんこく)文字辞典などを参考にしながら、個性にあったデザインを決めましょう。落款に使う印材に文字を書き入れるときには、余白を作らず、印面いっぱいにするのも重要なポイントです」
大政さん:「余白をつくらないほうがうまくいくというのが予想外でした。また、印材に文字を彫る際には、力の入れ具合が鍵に。集中して仕上げる静寂な時間も貴重でした!」
川邊さん:「絢さんらしい、のびやかな文字のプロポーションと丁寧な手仕事が生きた落款ができましたね。落款は印泥の色にこそこだわって。一般的なスタンプインクとは異なり、『古代朱』や『美麗』と呼ばれるような鮮やかで深みのある上質な印泥を用いることで、作品に風格が生まれます」
「自分の名前のデザインを決め、時間をかけて印面に文字を彫り、完成した落款は愛着もひとしお」(大政さん)
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
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- PHOTO :
- 長谷川潤
- STYLIST :
- 古田千晶
- MODEL :
- 大政 絢(Precious専属)
- EDIT&WRITING :
- 川口夏希、遠藤智子(Precious)
- 撮影協力 :
- 日本雅藝倶楽部、東京鳩居堂