耳の「三半規管」と腰痛は関連性あり!? 上半身を動かすだけの簡単ケア法

エイジングデザイナーの村木宏衣さんが腰痛の根本改善のために考案したのが、今回ご紹介する上半身を動かすだけのシンプルなストレッチ方法。

2人の女性 ストレッチの指導をしている
 

これは腰を直接マッサージをするのとは違い、耳の「三半規管」と、体のバランスをとるための「前庭脊髄路」という神経の通り道にアプローチするという方法で体を安定させ、腰の負担を軽くするメソッドです。

まず「前庭脊髄路」とは、耳の奥の「前庭(ぜんてい)」という場所から脳や背骨の中にある「脊髄(せきずい)」に向かって伸びています。 そして、内耳にある「三半規管」からの情報を受け取り、体の向きや傾きに応じて姿勢を安定させるのが役目。 

例えば、私たちがまっすぐ立っているときや、頭を動かしたときには「三半規管」がその動きを感知し、情報が「前庭脊髄路」を通じて全身に伝わります。これによって私たちの体は無意識に姿勢を調整してバランスを保つため、ふらつかずに立ったり歩いたりすることができるのです。

このメソッドは、上半身をゆっくり前後左右に動かすだけなのですが、この動きが「三半規管」を刺激して、「前庭脊髄路」に情報が送られ、姿勢が自然と安定しやすくなる効果が。腰痛の原因のひとつは、腰だけで体を支えようとすることにあるので、このメソッドで上半身をリラックスさせつつ、全身を使って体を支えられるようになると、腰への負荷が軽減。ぎっくり腰予防にもなるので、慢性化している人は、是非やってみてくださいね。

■Step1:前屈、背屈をして可動域を確認

前屈や背屈をしてからメソッドを行うと、腰回りや背中の柔軟性や動きやすさがどれだけ変わったかを実感しやすくなりますし、どの動きがしにくく、どこが硬くなっているのがわかります。
まずは前屈を行います。床に手がつくかどうかチェックしましょう。

前屈をして可動域を確認
 

背屈は腰に手を当てて行います。これはチェックのためなので、無理せずにできる範囲でOKです。

背屈をして可動域を確認
 

■Step2:上半身を腰から倒すように左右に傾ける

足を揃えてまっすぐ立ち、上半身を腰から倒すように左に倒し、次に右に倒します。これを1セットとして5回繰り返しましょう。このとき、腰から頭までつながっていることを意識して行ってください。

上半身を腰から倒すように左右に傾ける
 

■Step3:上半身を腰から倒すように前後に動かす

Step2 と同様に、上半身を腰から倒すように前に倒します。

上半身を腰から前に倒す
 

次に後ろに倒します。これを1セットとして5回繰り返しましょう。このときも、腰から頭までつながっていることを意識して行ってください。このあと、前屈と背屈をしてみて、どれくらい可動域が広がったか確認してみると効果が実感できますよ。

上半身を腰から後ろに倒す
 

【まとめ|慢性腰痛のお悩み解消!上半身を動かすだけでラクになる意外な方法4か条】
1)悪い姿勢のクセや体幹の弱さが慢性腰痛の原因に。
2)根本解決にはマッサージだけでなく体のバランスを整える対策を。
3)「三半規管」と「前庭脊髄路」へのアプローチで体を安定させると腰の負担の軽減に。
4)上半身を前後左右に動かすだけで、腰痛が驚くほどラクになるこのメソッドがおすすめ。

以上、「慢性腰痛のお悩み解消!上半身を動かすだけでラクになる意外な方法」を教えていただきました。

アンチエイジングメソッドに限定して、毎週土曜日にテーマを変えてお届けします。

次回は11月9日の更新です。お楽しみに!

村木宏衣さん
エイジングデザイナー
(むらき・ひろい)大手エステティックサロン、整体院、美容医療クリニックでの勤務経験を経て、小顔、リフトアップ、むくみ、ボディメイキングなど女性の悩みに対して、独自の「村木式 整筋」メソッドを確立。2018年「クリニックF」内「Amazing♡ beauty」を開設。『10秒で顔が引き上がる 奇跡の頭ほぐし』(主婦の友社)は24万部を突破し、『10秒で疲れが取れる 奇跡の目元ほぐし』(主婦の友社)も好評。 また、ご自身がプロデュースした美顔器「アメージングローラー」も発売中。「村木式整筋」メソッドのテクニックをセルフケアで簡単に再現できると話題に。ほかにも『10秒で10歳若返る 奇跡のたるみリフト』(主婦の友社)。 Instagram
体験者:北 真実さん
メーカー勤務
「このメソッドを続けてやってみたら、前屈、背屈の可動域が広がりましたし、重かった腰がかなりラクになりました。上半身をただ前後左右に動かしただけなのに、上半身がゆるむ感覚で姿勢が正しやすくなりますし、腰に負担なく立ったり、座ったりできるのを実感しますね。とても簡単ですし、腰痛予防のためにも続けたいと思います」
PHOTO :
松原敬子
EDIT&WRITING :
荒川千佳子