美食に散策、美肌温泉に名所巡りetc. 旅の目的はさまざまですが、この冬訪れたいのは、「絶景」を楽しむ湯宿! お部屋から温泉からロビーから、刻々と移り変わる絶景を眺めながら過ごす、ゆっくりとした贅沢な時間…。

雑誌『Precious』2月号では【一生に一度は訪れたい!絶景が広がる「おこもり湯宿」リスト】と題して、旅慣れた温泉好きも太鼓判を押す、珠玉の「絶景」×「湯宿」をご紹介しました!

今回はその中から、建築家・半谷仁子さんが愛する絶景湯宿を3軒まとめてお届けします。

半谷 仁子さん
建築家
(はんがい・じんこ)「モンスーンカフェ」 などの店舗や著名人の住宅など多く手掛ける。光と風と緑を大切にした大胆かつ繊細な設計が人気。暮らした人、建てた人など“人”の歴史や気配を感じられる宿が好き。

■1:庭園絶景|静岡県・伊豆長岡「三養荘(さんようそう)」

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元は岩崎久彌氏の別邸だった「三養荘」

「日本の美と文化が集積した庭園の中に身をおく贅沢を実感します」

元は、旧三菱財閥の創始者、岩崎弥太郎(いわさきやたろう)氏の長男・久彌(ひさや)氏の別邸。約3000坪という広大な日本庭園の中に、風格漂う高級宿として1947年開業。1988年には数寄屋建築の名手・村野藤吾(むらのとうご)が新館を手掛けました。

「庭は京都の庭師・小川治兵衛(おがわじへえ)の手によるもので、本館も新館も日本建築の伝統を伝える貴重な建物。そんな日本の美、文化、歴史が集積したような空間に身をおき、その時代を生きた人の思考に触れ、自分の脳もタイムスリップさせることがこの宿に泊まる醍醐味。ため息が出るほど美しい庭園絶景を広い部屋から眺め、ゆっくり湯に浸かる贅沢は、大人だからこその楽しみ方です」

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■2:海絶景|茨城県・五浦海岸「五浦観光ホテル 別館 大観荘」

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「五浦観光ホテル 別館 大観荘」

「雄大な太平洋を一望できる絶景が自慢。その地を愛した偉人の暮らしに想いを馳せて」

五つの入り江からなる五浦海岸の素晴らしい景色を一望できる北関東屈指の名宿。岡倉天心(おかくらてんしん)や横山大観(よこやまたいかん)ら名だたる芸術家が、この地を拠点にして作品を残しています。

「別館に隣接する旧横山大観邸は、特別室として泊まることができます。大観が実際に別荘として暮らしていた離れには、絶景の月見台や露天風呂もあり、彼が愛用した道具箱なども展示されています。

奇をてらうことなく、断崖絶壁に位置するこの部屋から見える自然へのリスペクトが感じられます。この落ち着いた空間で、読書をしたり、湯に浸かったり。知的好奇心がゆるやかに刺激されるのがわかります。できれば2泊以上したいですね」

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■3:アート絶景|新潟県・十日町「ジェームズ・タレル 光の館」

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写真提供/光の館

「光と空間の絶景風呂は宿泊者だけが味わえる究極のアート。泊まってぜひ体験して」

光と空間を題材とした作品を手掛けるアーティスト、ジェームズ・タレル氏。「光の館」は第1回「大地の芸術祭 越後妻有(えちごつまり)アートトリエンナーレ」(2000年)につくられた作品です。

「作品でありながら、実際に滞在し、アートを体験できる施設。実は宿泊もできます。伝統的な日本家屋における光や、越後妻有の豊かな自然の中で向き合うさまざまな光…。

特に浴室(Light Bath)の光ファイバーによる照明は刺激的。水中に光が満たされ、湯船に体を浸すことで光に触る体験ができるほか、朝の光も最高! 絶対に宿泊して、唯一無二の体験を!」

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EDIT&WRITING :
田中美保、木村 晶(Precious)