岡田将生さんが演じる文芸評論家の小林秀雄は、中原中也の才能に惚れながらも、その恋人の泰子を愛し、奪うことに。しかしながら中原との仲も壊れることなく、3人の関係が続いていく様は、物語の大きな山場となっています。中原の天才ぶりが小林の心を捉えて離さないように、岡田さんも、誰かの才能に惹かれたことはあるのでしょうか。

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岡田将生さん
俳優
(おかだ・まさき)1989年8月15日、東京都出身。2006年デビュー。近年の主な出演作に、NHK連続テレビ小説「なつぞら」(19)、『ドライブ・マイ・カー』(21)、『大豆田とわ子と三人の元夫』(21)、『1秒先の彼』(23)、『ゆとりですがなにかインターナショナル』(23)、『ラストマイル」(24)、NHK連続テレビ小説『虎に翼』(24)、『ザ・トラベルナース』(24)、『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』(24)などがある。現在放送中のTBSドラマ『御上先生』に出演。

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「何かを決めつけずに演じて、作品をつくる楽しさってあるんです」

──中原の恋人であった泰子を奪うものの、実は小林は「泰子を通して中原を見ている」というくだりが印象的です。小林は中原に対して、実のところどんな感情だったと解釈しましたか?

「……僕もわからないですね。先ほど(vol.01参照)もお話した通り、もう小林さん本人に聞くしかないっていう。いや、演じたのだからわかって当然だろうと、自分でも思うんですけど、演じながらも、泰子と中原、どっちに揺れているのかがわからないんですよ。でもそれが面白くて。その曖昧さも含めて、いろんな可能性があるということは、監督ともお話をしました。何かを決めつけずに、作品をつくっていく楽しさもあるんです。 僕自身も、こうして取材をしていただく中で、どうだったんだろうっていうのを、知れたらいいなと思っているんです。逆にどう思いました?」

──えっ! 時間があればお伝えしたいんですが、今日は難しく……。

「あ、時間がないのか。そっか、残念」

 僕自信も、こうして取材をしてくださる中で、どうだったんだろうっていうのを、知れたらいいなと思っている
僕自信も、こうして取材をしてくださる中で、どうだったんだろうっていうのを、知れたらいいなと思っている

──作中には「中原の天才を認める」といったセリフもありましたけど、岡田さん自身、「だれかの天才に魅了される」ことはありますか?

「ありますよ。俳優さんの中でも、尊敬する方々はたくさんいます。本当になんでこんな難しい芝居を、ささっとできてしまうんだろうと思いながら、演技を間近で見せていただくことは多々ありました」

──岡田さんは、ご自身ではそういったタイプではないと?

「ええ、全く」

──では努力派?

「努力っていう言い方も変ですけど、『しがみついている』という感覚は、自分でもすごくありますね。僕は“そっちの領域”にはどうしてもいけないし、でもどうにか今もこのお仕事ができているから。その努力を怠らないように、今後もやっていこうとは思っています」

『しがみついている』という感覚は、自分でもすごくあります

──映画やドラマでヒット作に出演され続けている岡田さんが、そう思われているなんて意外でした。2024年は色々な作品で大活躍でしたが、反対に今年は、インプットの年にされたいそうですね。

「確かにそう言ったんですが、ちょっと変わりつつあるんですよね…。予定通りにいかない可能性が出てきました(笑)。でもいろんな人に出会ったり、勉強したりといった、自分を高めるための年にしようとは思っています」

──それは、演技だけではなくて。

「人生においてですね。その時間は、絶対に必要不可欠です」

人生において、その時間は、絶対に必要不可欠
人生において、その時間は、絶対に必要不可欠

◾️Information◾️映画『ゆきてかへらぬ』2月21日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

(C)2025「ゆきてかへらぬ」製作委員会
(C)2025「ゆきてかへらぬ」製作委員会

文化や芸術が著しく花開いた大正時代。天才詩人・中原中也と、その恋人・長谷川泰子、岡田さん演じる文芸評論家・小林秀雄の、緊張感あふれる、独特な三角関係を描く。史実に基づいて生まれた脚本が、約40年のときを経て、奇跡の映画化を果たした。

出演:広瀬すず 木戸大聖 岡田将生
監督:根岸吉太郎   脚本:田中陽造
配給:キノフィルムズ
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PHOTO :
高木亜麗
STYLIST :
大石裕介
HAIR MAKE :
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EDIT&WRITING :
湯口かおり、福本絵里香(Precious)