幻想的な白銀の世界を眺めつつ温泉に浸かるのは至福のひととき。そうした冬ならではの情緒を堪能できる東北地方のなかから、大人の女性が寛ぐのにぴったりなラグジュアリーな名宿を温泉ジャーナリストの植竹深雪さんにピックアップしてもらいました。
今回ご紹介するのは、福島県にある「土湯別邸 里の湯」です。

公式サイト
4種の貸切風呂で湯巡り気分!木立に囲まれた隠れ宿で心身を解きほぐす

福島駅から車で約30分の土湯温泉。その温泉街から少し離れた林の中にひっそりと佇むのが、今回ご紹介する「土湯別邸 里の湯」です。磐梯(ばんだい)朝⽇国⽴公園の渓谷を望む風光明媚なこちらの宿は、慌ただしい日常を離れて心身をオフにするのに好適だと植竹さんは話します。


「うっそうと茂る木立に囲まれて表通りからは見えず、ここはまさに隠れ宿。全9室のお部屋に古代檜を使用した内湯を完備しているうえ、館内にある4つの温泉を全て貸切で利用でき、プライベートな空間で心ゆくまで土湯温泉を満喫できます。
泉質はアルカリ性単純温泉。無色透明で肌なじみのよい優しい浴感の湯に浸かりながら、露天風呂や内湯から四季折々の風情を五感で味わうのは、まさに至福のひとときです。私が訪れたのは春も間近の時期でしたが、うっすらと雪化粧した原生林の眺めに魅了されました」(植竹さん)

貸切利用できる4つの温泉のうち、「水縹(みなはだ)」は、2024年9月に新設されたもの。檜を使用した屋根付きの半露天風呂で、雨を気にせず温泉を楽しむことができます。体が十分に温まったら、湯から上がってチェアでゆったり寛ぐのもまた一興。


「深碧(しんぺき)」は、杉木立の中の階段を下った先にある大小二種の露天風呂。手つかずの原生林に浴槽がぽつんと佇む秘湯のような雰囲気で、誰にも邪魔されずピュアな自然と向き合いながら湯浴みすることができます。

「櫨染(はじぞめ)」は、浴槽・床・壁のすべてが檜で造られた内湯。特に、浴槽には樹齢一千年を数える貴重な古代檜を使用しており、上質な木の香りにも癒されます。


「青藍(せいらん)」は、家族でゆっくりと利用できる古代檜風呂。半露天風呂と内風呂の2種類があり、三方ガラス張りの内風呂からも心安らぐ優雅な自然美を眺めることができます。

「湯上りにまったり寛げるラウンジの居心地のよさも印象に残っています。フリーサービスのソフトドリンクやビール、地酒などをいただきながら、読書したりあえて何もしないで心を鎮めたり…。思い思いの贅沢な時間の過ごし方でリフレッシュできる環境です」(植竹さん)

福島を味覚で堪能!旬の素材を生かした会席料理に舌鼓を打つ
夕食は、9品目から10品目で構成される会席料理。旬の素材を生かして一品一品丁寧に作られた料理からもおもてなしが感じられます。

「地鶏や福島県産の和牛、とれたての野菜など、地元の食材を生かした心づくしの料理に旅の気分が盛り上がります。例えば、会津の郷土料理こづゆ(ホタテの貝柱で出汁をとった具だくさんのお吸い物)をアレンジした椀物は、澄んだ上品な出汁が絶妙。素朴な郷里料理が職人の技術によって料亭の味へと昇華されていて、余韻にひたれるおいしさでした」(植竹さん)

以上、「土湯別邸 里の湯」をご紹介しました。日常の喧騒から隔絶された環境で、自然と向き合いながら温泉に浸かりエネルギーをチャージしたい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- 土湯別邸 里の湯
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住所/福島県福島市土湯温泉町悪戸尻27-2
客室数/全9室
料金/朝夕2食付き 2名1室1名 ¥40,000(税込)~ - TEL:024-595-2146
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- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)