連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People

明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介する『Precious』連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、ドイツ中南部の歴史ある街・シュパイヤーで、作業療法士として主に子供たちのトレーニングを行っているジャスミン・シミィエッツさんにインタビュー!

10年間の診療所勤務を経て独立し、14年間にわたり診療所を共同で経営。その間、働きながら勉強を続け、自然医療を中心とした「代替療法」の資格を所得したというジャスミンさん。着実にキャリアアップを続けてきたジャスミンさんが今後、目指す目標とは…?詳しくお話しをうかがいました。

ジャスミン・シミィエッツさん
作業療法士・代替療法士・「クナイプ」シュパイヤー支部 ヨガコース教師とオフィス業務担当
(Jasmin Symietz)作業療法士養成の専門学校で3年間学び、国家認定作業療法士に。’98年から10年間診療所に勤務。子供をテーマにした研修会やセミナーにも参加し研鑽を積む。その後、独立し、14年間にわたり診療所を共同経営する間に、代替療法士の国家資格を取得。現在は「クナイプ」シュパイヤー支部でもヨガを教えている。

【Speyer】ストレスフルな現代だからこそ、自然療法でより深いセラピーを

作業療法士・代替療法士・「クナイプ」シュパイヤー支部のヨガコース教師とオフィス業務担当のジャスミン・シミィエッツさん
作業療法士・代替療法士、「クナイプ」シュパイヤー支部 ヨガコース教師とオフィス業務担当のジャスミン・シミィエッツさん

ドイツ中南部の歴史ある街・シュパイヤーで、作業療法士として主に子供たちのトレーニングを行っているジャスミンさん。ドイツの大学入学資格取得試験であるアビトゥア試験を受ける前に、アルバイトをしていたチャイルドケアセンターの所長が作業療法士だったことが、この仕事に興味を抱くきっかけになった。

「1995年でした。当時は、作業療法士を目指すための学校は国内に3校しかなく、学費も決して安くはなかったのですが、両親、特に父が、『自分は金銭的な事情からやりたい仕事ができなかったから』と、全面的に応援してくれたんです。援助をしてくれたことは、感謝してもしきれません」

国家認定作業療法士となったのち、10年間の診療所勤務を経て独立。14年間、診療所を共同で経営した。その間、働きながら勉強を続けたのが、代替療法だった。ドイツでは病院医療以外のすべての医療、いわゆる自然医療を中心とした「代替療法」は国家資格の対象であり、資格保有者は医師と同等の医療知識があるとされる。ジャスミンさんにとっては、子供を対象にしたケアをより深く理解し、実践していくための資格取得だった。

ところが、試験には合格したが、診療所が忙しくて、なかなか代替療法士としての活動ができない。ジャスミンさんは思いきって経営から離れ、作業療法士としては半日だけ勤務することに。「やりたい仕事をする」ために、働き方をシフトした。

「忙しい現代では、子供たちに限らず、精神的・心理的な疾患を抱えている人の数は増加傾向にあります。私は作業療法士として、人々の生活の質の向上に貢献してきました。これからは、代替療法によって、その活動をさらに広げていきたい。今は、ヨガや水中体操、リウマチ患者のケアも行っています。患者さんへのケアは、自分自身のケアにもつながっていると、日々実感しています」

◇ジャスミン・シミィエッツさんに質問

Q.朝起きていちばんにやることは?
25分間の瞑想。自分自身を整えて仕事に臨むため。
Q.人から言われてうれしいほめ言葉は?
セラピー後の患者さんからの、感謝の言葉がいちばんうれしい。子供たちがセラピーの前に私に飛びついてきてハグしてくれるのも、楽しみにしていることの証なのでうれしい。
Q.急にお休みがとれたらどう過ごす?
サウナに行って一日リラックス。あるいは自宅で断捨離を。
Q.仕事以外で新しく始めたいことは?
編み物を学びたい。
Q.10年後の自分は何をやっている?
今よりももっと、代替療法士として幅広く活動している。
Q.自分を動物にたとえると?
猫。好きなことを好きなときに行動に移すので。

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PHOTO :
Horst Stange
取材 :
Noriko Spitznagel