美しい原石の魅力を最大限に生かす、ポリシーとクラフツマンシップに迫ります【「カッティング」に託された美学とは】
地中深くで生成され、地殻変動によって偶然地表近くに現れた結晶こそダイヤモンドの起源。大自然の奇跡とロマンが生んだ原石の潜在能力は、人の手が施す「カッティング」によって、永遠の輝きを手に入れます。

373カラットを誇る希少なダイヤモンド原石が発見されたとき、誰がこの美しいハートシェイプを想像したことでしょう…。そんな無限の可能性を秘めた天然石を扱う幸運に恵まれたのは、原石の調達からダイヤモンドジュエリー製作までの全工程を自社で行う、ハイジュエラーの「グラフ」でした。

専門家チームは原石の構造や特徴を詳細に把握するため、数か月かけて入念にマッピング。その結果、ダイヤモンド史に名を残すカラットの、ハートシェイプが切り出せることを確信します。
しかし宝石技工を極めた「グラフ」の職人技術をもってしても、ハートモチーフは極めて困難なシェイプ。しかもこのクラスの大きさですから、失敗は許されません。マスターカッターは、トップにあるふたつのカーブが完璧なシンメトリーを描くまで、手作業で丹念にポリッシュを重ねます。

最新鋭の機器を駆使し、原石の特徴をすみずみまで調査。最適なカットや研磨のシナリオが作成される。

ブランドポリシーをかけた挑戦は1年以上にも及び、ついに至高のハートシェイプダイヤモンドが誕生。しかもこの原石は、「グラフ」がのちに手に入れた直近1世紀で最大のダイヤモンド原石「レセディ ラ ロナ」の一部だったというから驚き。
運命に導かれるように「グラフ」と出合い、原石からジュエリーに姿を変えたダイヤモンドが、人々を惹きつけてやまないのもうなずけます。
関連記事
- 「グラフ」希少性の高い3色のカラーダイヤモンドリングをドラマティックに、夢のように重ねて
- ショーメ、ショパール、ミキモト…見つめるだけで幸福な気分になれる【イエローダイヤモンドリング】3選
- ルイ・ヴィトン『LV モノグラムスター』をはじめとしたダイヤモンドジュエリーの神秘的な煌めきに目を奪われる
問い合わせ先
- PHOTO :
- 小池紀行(CASK)
- STYLIST :
- 古田千晶
- EDIT&WRITING :
- 兼信実加子、藤田由美、安村 徹(Precious)
- 取材協力 :
- 日本宝石協会