参加アーティストの豪華な顔ぶれに震える!「ゴジラとは、何か。」という問いに、どう答える?
’24年に生誕70年を迎えた、日本が世界に誇るキャラクター「ゴジラ」。その圧倒的な存在に国内外のアーティストが挑む刺激的な展覧会。今だからこその新作、今しかできない表現に期待が高まります!
展覧会の見どころについて、編集・ライターの剣持亜弥がナビゲートします。
【今月のオススメ】『ゴジラ生誕70周年記念 ゴジラ・THE・アート展』

人生で最も繰り返し観た映画は、庵野秀明監督『シン・ゴジラ』。人生で人にいちばんすすめた映画も『シン・ゴジラ』。特撮好き、ゴジラ好きというわけではないのに、「ゴジラ」という存在は、人に何かを語らせてしまう。「この社会は」「この国は」「この世界は」そして「この私は」。理屈の通じない巨大な厄災を通じて、結局のところ向き合うべきは自己なのだ、ということを、ゴジラは突きつけてくるのです。
だからこの展覧会の、「ゴジラとは、何か。」という問いは、非常に深遠です。本展ゼネラルプロデューサーの養老孟司氏は、ゴジラは「必要な場所を訪れて、破壊し、何かを諭したように去っていく」とし、「形にならない概念、『ゴジラ』」とメッセージを寄せています。まさに。1954年、最初の『ゴジラ』映画で誕生した「太古の恐竜の生き残りが水爆実験の影響を受けて巨大怪獣として蘇った」ゴジラ。その設定から、私たちはメッセージを受け続けてきました。ゴジラはずっと「ギャオー!!」(あの声を適切な文字にするのは難しい)としか言っていないのに、人間はそれぞれの世代、それぞれの事情によって、恐れたり、憤ったり、悲しんだり、快哉をあげたり、勇気を与えられたりするのです。「ゴジラとは、何か。」の答えを出すためには、今の自分のすべてを曝け出すしかないのです。
「表現」という手段で闘いながら現代を生きるアーティストたちは、ゴジラをどんな作品にするのか。絵画、彫刻、写真、パフォーマンスと、多彩なジャンルの新作が集結するゴジラ展。すべての人に刺さるはず。(文・剣持亜弥)
豪華! 参加アーティスト









◇Information『ゴジラ生誕70周年記念 ゴジラ・THE・アート展』
1954年の誕生から今にいたるまで、日本のみならず世界で数々の映像作品として描かれてきたゴジラ。この展覧会では映画の枠を超え、さまざまなジャンルで活躍する国内外のアーティストが「ゴジラとは、何か。」という問いを受け新作を発表する。東宝映像美術によるゴジラとアートが融合したジオラマや、本展のために制作された特別映像も公開。
開催期間:開催中〜6月29日(日)
会場:森アーツセンターギャラリー(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー)
問い合わせ先
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- EDIT&WRITING :
- 剣持亜弥、喜多容子(Precious)