6月は祝日がなく、また気温も天候によって激しく変化をしていたため、疲れが抜けにくく、病気ではないけど、なんだかちょっと調子が悪いというプチ不調の状態に陥ってしまっている方もいるのではないでしょうか。「いつものスキンケアでは肌が安定しない」、「即効性のあるものに頼りたい」と思ったら、クリニックで疲労回復のための注射・点滴を受けてみませんか?

今回は、ウイメンズヘルスクリニック東京の浜中先生に、疲労回復のための注射・点滴の代表「プラセンタ」「にんにく」「ビタミンC」の3つについてお話を伺いました。

浜中聡子
医学博士 ウィメンズヘルスクリニック東京院長
(はまなか さとこ)米国先端医療学会(ACAM)専門医 Board Certified, Chelation Therapy (CCT)、日本抗加齢医学会専門医、日本精神神経学会専門医・指導医、一般社団法人日本総合病院精神医学会認定 一般病院連携精神医学専門医・指導医、日本医師会認定産業医、NPO法人アンチエイジングネットワーク顧問ほか。
  • 北里大学医学部卒業、北里大学大学院医療系研究科 臨床医科学群精神科学修了。
ウィメンズヘルスクリニック東京

疲労回復のための注射・点滴はどんな人にオススメ?

「クリニックで美容や健康をサポートする注射や点滴をご希望される方のほとんどが、40歳以上の非常にお忙しい方が多いです。

普段のスキンケアやサプリメントなどでは対応しきれない肌荒れや、疲れなどの症状を改善する手段として選ばれることが多いですね。また、今週は大事なプレゼンがあるし、仕事は絶対に休めないので、これ以上症状を悪化させないように、と来院される方も少なくありません」(浜中先生)

即効性のある注射や点滴を受けて、健康を維持するのもおすすめです。

疲労回復のための3大注射・点滴「プラセンタ」「にんにく」「ビタミンC」

疲労回復のための注射・点滴と言えば、「プラセンタ」「にんにく」「ビタミンC」の3つが代表的なものです。現在はさまざまな種類のカクテル注射・点滴が存在しますが、基本はこの3つ配合を調合したものがほとんど。

早速、代表的な「プラセンタ」「にんにく」「ビタミンC」についてご紹介していきたいと思います。

◼︎1:更年期の症状緩和、血流をよくする、肝臓の機能を高める「プラセンタ」

プラセンタには豚由来のものと、ヒト由来のものがある

「患者様の中でプラセンタをご希望される方のほとんどが、40代、50代で、体の不調の回復、更年期症状が気になるという方がほとんどです。

化粧品やサプリメントでもプラセンタが含まれているものを愛用されている方が多いと思いますが、注射や点滴のプラセンタと、化粧品やサプリメントに使われているプラセンタは、まったく別物と考えてください。そもそもプラセンタの成分とは、動物の胎盤から抽出されているもので、化粧品やサプリメントに使われているものは、主に『豚プラセンタ』が多いと言えます。

一方で、医療機関で注射や点滴として使われているのは『ヒト由来のプラセンタ』です。ですから、同じプラセンタという名前ですが、成分は異なり、もちろんヒト由来の方が効果が高いと言えます。

また、プラセンタは、主に更年期の症状緩和に使われていますが、血流をよくするという働きから、美容的な(ターンオーバーを高める)目的だったり、男女ともに肝臓の機能を高める、傷の治りを早めることなどを目的として使われることもあります。

ただし、プラセンタ注射や点滴をしたから、すぐに『肝機能がよくなりました』とか、『更年期症状がなくなりました』という状況になるというのは、ちょっと言い過ぎなところがあります。

患者様の中には、ホルモン補充療法を行わなくても、更年期症状が緩やかになるという方もいらっしゃいますし、また、プラセンタ注射や点滴が二日酔いに効果を発揮する患者様もいらっしゃいます。

例えば、更年期治療としてのプラセンタ注射であれば、月に1〜2本試してみて、症状の変化(効果)の様子をみた上で続けていくか、または別の漢方や治療に替えていくか検討します」(浜中先生)

◼︎2:疲労回復、肌代謝、滋養強壮が期待できる「にんにく」

にんにく

「にんにく注射&点滴は、簡単に説明すると主な有効成分はビタミンB1です。そのほかにもさまざまな有効成分が含まれていますが、基本的な有効成分はビタミンB群。昔はスポーツ選手がよく使われているイメージがありましたが、今は一般の方も男女関係なく、疲労回復などを目的として利用されている方が多いと言えます。

ビタミンB群のサプリメントなどのパッケージを見ると、口内炎(粘膜の修復)や肌代謝を高めニキビを改善するなどと書いてあるように、にんにく注射&点滴も同じような効果が期待できます。サプリメントなどで口から摂取するよりも、高濃度で確実に吸収できますので、即効性という意味では、注射や点滴の方がよいでしょう。

にんにくのニオイが気になるという方もいるのですが、ニオイがある薬剤と、ない薬剤があります。効果効能としては、違いはありません。クリニックでも、当然のことながらニオイのないほうを選ばれる方がほとんどです。滋養強壮の目的で使われることが多く、短時間で済みますので、お忙しい方が仕事の合間に注射だけ受けにいらっしゃるというのも珍しくありません」(浜中先生)

◼︎3:免疫力を上げる・抗酸化力を上げる「ビタミンC」

フルーツや野菜に含まれるビタミンC

「強い抗酸化力を持つビタミンCは、化粧品やサプリメントでも人気のビタミンですが、体の中ですぐに壊れてしまう栄養成分でもあります。ですから、疲労回復期や、風邪で免疫が落ちている時などは、口から接種するビタミンCでは不十分だったりしますので、免疫力を上げる・抗酸化力を上げるという目的でビタミンCを摂るならば、やはり即効性もある高濃度のビタミンC点滴がよいかと思います。プラセンタやにんにく注射&点滴と一緒に処方されることもあります。

また、ガンを患っている患者様が高濃度ビタミンC点滴を希望される場合もありますが、それに関しては、専門医が専門の病院で、濃度や量を適切に投与することで成り立つ治療ですから、一般的な医療機関でのビタミンC注射や点滴とは異なります。あくまでビタミンC注射・点滴は、健康維持のものとお考えください」(浜中先生)


注射と点滴についての豆知識3つ

■1:注射と点滴の違いとは?

「注射と点滴の違いは、濃度と効果の早さです。注射の場合は、筋肉に少量注入しますので、血中濃度は点滴ほど上がらないのですが、効き目がじわじわと長期間あります。一方で点滴は、静脈に直接入れていきますので、血中濃度は注射よりも高くなり即効性を感じることができます。持続性を優先するか、即効性を優先するか、どちらにするかは、診察で症状を伺った上、患者様と相談して決めていきます」(浜中先生)

■2:治療を受けるペースはどれくらい?

「患者様の体質や症状に合わせて、診察を行った上で、適切なスケジュールを組んでいきます。基本的には、症状が出たときに、健康の底を持ち上げるものとしてお考えいただくのがよいと思います」(浜中先生)

■3:注射・点滴の注意点

「にんにく、ビタミンC、プラセンタはすべて、基本的にはアレルギーがない限り、どんな方でも受けられます。疲労回復のために利用される方が多いものですので、特に月経の期間なども関係なく受けられます。

ただし、プラセンタに関しては注意が必要です。ヒト由来のプラセンタ製剤は、接種する前に承諾書にサインをいただくようになっています。これは、全国どこのクリニックでプラセンタ注射・点滴を受けても同じです。平成18年10月10日より、厚生労働省の指示により、1度でもプラセンタ注射・点滴をした方は、献血ができなくなりました。ドナー登録をされている方もプラセンタ注射・点滴は受けられませんので、ご注意ください」(浜中先生)

疲労回復のための注射・点滴は、クリニックで医師の診察の元に行われる医療行為ではあるものの、病気を治療することとは違います。同じ更年期のお悩みでも、「プラセンタ」よりも「ビタミンC」の方が効果があるという方も入れば、注射や点滴以外の漢方のほうが効果がある、という方もいるようです。

ご自分の体質を見極めた上で、健康増進の手段のひとつとして、上手に疲労回復のための注射・点滴を取り入れてみてはいかがでしょうか?

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