老舗の料亭で、芸者さんの艶やかな芸を目前にしながら、ひとときの特別な時間を過ごすことができたなら…。
男性のみならず、大人の女性にとっても、いつかはその雰囲気をじっくり味わってみたい花柳界。日本文化をより深く知るためにも、人生をより豊かにするためにも、「いつかは」ではなく、「いま」触れてみたい遊び方です。
そんな芸者さんたちと、料亭に行かなくても触れ合える、またとないチャンスがやってきます! 東京を代表する花柳界=新橋の芸者衆が一同に会し、新橋演舞場で見事な踊りや唄をお披露目するお祭り「東をどり」がそれ。大正14年に始まり、93回を迎える2017年度は、5月25日から28日の4日間で行われます。
ふだんは表に出てくることのない芸者衆による華やかな踊りと、「新喜楽」「金田中」「東京𠮷兆」「松山」「米村」「わのふ」という、東京を代表する6つの料亭の味を楽しむことができる、年に一度の粋な「和文化サロン」。その主要な魅力を3つにまとめてみました。
1.新橋の芸者衆たちによる舞台「星月妓夜譚(ほしとつきめぐるよばなし)」
「芸の新橋」と言われる新橋の芸者衆が演舞場の舞台の上で、長唄を唄い、三味線を弾き、最も芸者らしい装い「そろいの引き着」を着て踊り、時に客席に手ぬぐいを捲く…。休憩を挟んでの二幕で、観客をこれでもかと魅了します。席種も桟敷席から一階席、二階席、三階席と幅広く用意されています。
2.芸者さんがお茶を点ててくれる「点茶席」や、ドン ペリニヨンのサービスも
一幕と二幕の幕間には、新橋演舞場の特設のお茶席で、芸者衆がお抹茶を点ててくれるという、雰囲気たっぷりのサービスが。「東京𠮷兆」のおつまみとドン ペリニヨンのシャンパンも供され(※有料)、幕間の時間が一気に華やぎます。
3.新橋の料亭による特別な食が提供されます
新橋の料亭が、この日のためだけに腕をふるった豪華なお弁当や鮨折が、会場内で供されます。いずれも伝統に基づきつつも、艶やかな芸者衆に負けじとも劣らない、見た目でも、舌でも楽しめるものばかり。(※すべて別途予約必須)
① 料亭 競演の松花堂
懐石料理の流れを汲んだ弁当「松花堂弁当」は、「𠮷兆」の創始者・湯木貞一さんが昭和初期に生み出したもの。その伝統に則り、「東京𠮷兆」の店主・湯木義夫氏が、春から初夏の素材を用いた「献立」を立てます。
その献立を元に、「新喜楽」「金田中」「東京𠮷兆」「松山」「米村」という5つの料亭が、独自の解釈をし、それぞれの技量を用いて、お弁当を作ります。つまり、メニューは一緒でも、蓋を開くとまるで異なる世界が広がる松花堂弁当が、5種類も供されるというわけ。もちろん年に一度の粋なお遊びです。
②料亭の鮨折
①の5料亭に加えて「わのふ」がタッグを組んでつくる、料亭の鮨折。ちらし寿司に錦糸玉子を敷き詰め、えび、白魚、焼きあなごなどをちらした、豪華な鮨詰めです。
③東をどり桟敷膳
上手の桟敷席と「金田中」特製の東をどり膳を合わせた、特別鑑賞券も販売されます。
なんと、演舞場横の「金田中」から、公演の合間に、温かいものから冷たいものまでしっかり味わえるお膳が、桟敷席まで届けられます。丸盆の中には見た目が美しく、おいしい初夏の料理が盛り込まれています。演舞場の桟敷で「金田中」のお膳…。特別な気分に浸れること、請け合いです。
外国人のお友達や仕事関係のお客様をお連れしたり、気のおけない友人との大人の女子会に選んでみたり、本物を求める大人の女性にぴったりの「遊び」となっています。
とはいえ、初めての遊びには「細やかな不安」がつきまとうもの。働く大人の女性として気になるポイントを、広報の和塾さんに質問してみました。
2名単位ですと、桟敷の席でも無駄がないかと思います。 2、4、6名くらいまでが、動きやすのではないでしょうか。
やはり「料亭 競演の松花堂」や「鮨折」をお勧めします。 特に松花堂は、幕間の休憩時間だけでなく、鑑賞前や鑑賞後でも召し上がれます。 ゆっくり味わうことができますので、女性同士での鑑賞によいのではないでしょうか。 特に予約は必要ありませんが、外国の方にはお茶席、お取引先の方には日本酒と各料亭の玉子焼きの食べ比べや、ドン ペリニヨンと「東京𠮷兆」の酒肴もよいかと思います。
料亭の食は、基本チケットを確保して予約をしていただくことになります。 「何日の何時の回にいくつ」と、各料亭が数を合わせてつくりますので、席のこだわりがある方は、チケット確保の後、電話か WEB でご予約いただくことになります。座席はお任せになりますが、「ぐるなび」でも、食事付きのチケットを予約することができます。
「東をどり」は一般のお客様だけでなく、東京はもとより全国の芸者衆や邦楽関係の方、上場企業の役員のご来場が多く、お召し物も含めて劇場内が通常の公演時より華やかです。 ワンピースでも、お着物でも、お気に入りの華やかな服装でおいでいただくのがよいかと思います。また、休憩時間のロビーなどは大勢の方が歓談をされ、暑くなることが多いため、演舞場内では軽めの服装がよいかもしれません。
フィナーレは、黒の着物の芸者衆が一同にそろい、踊ります。「東をどり」らしくなんとも華やかで美しい場面となっていて、毎年恒例の見どころです。
当日、演舞場のチケット売り場でお茶券をご購入ください。入場後、お茶券とお菓子を交換して、お菓子を持ってお茶席に入ります。1階 入口左手にお菓子の交換所があります。お茶席の入口手前にもお菓子の交換所がありますが、並ぶことが多いので、お茶席に伺う前にお菓子を交換したほうが、スムーズにお茶席に入ることができると思います。
――― 大人の女性におすすめしたい、お土産があれば教えてください。
開催ごとに変わる、プログラムとリンクさせたデザインの「東をどりオリジナル扇子」がおすすめです。芸者衆の名前が入った「千社札」と、それを貼れる「オリジナルの団扇」も女性の人気が高いお土産です。
以上、「東をどり」を楽しむためのQ&Aでした。
座席は偶数単位で取り、お食事の予約はチケットとは別なので、合わせて事前に押さえておくと、一緒に行く方に喜ばれそうです。また、会場が熱気を帯び、シャンパンなどもいただくことを鑑みると、ワンピースやスカートの方は、脱ぎ着のしやすい初夏のはおりもので出かけたほうがよさそうです。
■第93回「東をどり」開催概要
日時/2017年5月25日(木)~28日(日)
5月25日、26日 二部公演 昼の席 13:00~14:30、夕の席 15:50~17:20
5月27日、28日 三部公演 壱の席 11:30~13:00、弐の席 13:40~15:10、参の席 15:50~17:20
※すべての公演の開場は開演30分前です
4月14日(金)チケット受付予約開始
料金(税込)/一階席:¥7,500、二階正面席・二階右席:¥6,000、三階席・二階左席:¥2,500、桟敷席:¥9,000
会場/新橋演舞場
住所/東京都中央区銀座6丁目18番地2
申し込み
<東をどりチケット>
チケットホン松竹 TEL:0570-000-489
チケットWeb松竹 http://www1.ticket-web-shochiku.com/pc/
<料亭の食>
料亭 競演の松花堂、料亭の鮨折 演舞場サービス TEL:0120-224-117
※事前の予約販売。東をどりチケット購入後、申し込み可能
東をどり桟敷膳 チケットホン松竹 TEL:0570-000-489
※新橋演舞場切符売り場の窓口でも予約可。事前予約販売、5月27日・28日の壱の席のみの販売
問い合わせ先
東をどり
TEL:03-3571-0012
http://www.azuma-odori.jp/
- TEXT :
- Precious.jp編集部