大切な方への贈り物や自分へのご褒美にもうれしい高級万年筆。「モンブラン」や「ウォーターマン」、「パーカー」など、王道ブランドから、ラグジュアリーブランドまで、万年筆の選び方のコツと合わせて厳選10本をご紹介します。ブランドの歴史と持ち味も簡単に解説しているので、人生のパートナーとなるような特別な一本を、ぜひ見つけてください。
【目次】
- 万年筆を選ぶ4つのポイントとは?
- 万年筆の最高峰「モンブラン」おすすめ2選
- ラグジュアリーを極める装飾「エス・テー・デュポン」おすすめ1選
- フレンチエレガンス「ウォーターマン」おすすめ2選
- 英国王室御用達「パーカー」おすすめ2選
- 時代を超えて愛されるドイツの老舗「ペリカン」おすすめ1選
- 日本のパイオニア「セーラー万年筆」おすすめ2選
万年筆を選ぶ4つのポイントとは?
1.万年筆の書き心地に大きく関わる「ペン先」の素材
万年筆の書き心地に大きく関わる「ペン先」の素材。万年筆は、「鉄ペン」と呼ばれるステンレス製ペン先と、「金ペン」と呼ばれる合金でできた金製ペン先の2種類があり、今回は特に「金ペン」をセレクトしてご紹介します。14金や18金などの金製ペン先は、なめらかで柔らかなタッチで、万年筆らしい書き心地を生み出します。

2.万年筆の字幅のバリエーション
万年筆には字幅のバリエーションがあり、大まかに細い順から、EF(Extra Fine、極細)、F(Fine、細字)、M(Medium、中字)、B(Braod、太字)、BB(Broad Broad、極太字)という表し方をします。字幅が太くなるほど、なめらかな書き心地でインクの濃淡も出やすくなります。ただし、細かい文字はつぶれやすくなるので、手帳などに書きたいなどの場合は、細字を選ぶとよいでしょう。個体差があるほか、国産や海外産によっても太さに違いがあります。
3.万年筆のインクの種類「カートリッジインク」と「ボトルインク」
万年筆のインクの種類は2種類となり、「カートリッジインク」は万年筆に差し込むだけで簡単に使えますが、インクのカラーバリエーションがやや少なくなります。「ボトルインク」は、コンバーターと呼ばれる吸入器にインクを吸い込ませて、万年筆にセットして使います。カートリッジインクよりも、さまざま種類のインクを使用できるのが魅力。どちらにも対応した「両用」タイプの万年筆もあります。

4.万年筆を選ぶ際は、細部にも大事なポイントがあります
万年筆の形状はおもに2種類で、丸みをおびた「バランス型」と天冠(キャップトップ)と尾軸が平らな「ベスト型」があります。また、天冠と呼ばれるキャップの上部にはブランドのシンボルマークが刻まれたモデルが多くあり、選ぶうえで外せないポイントです。さらに、キャップについた「クリップ」は、万年筆の転がりを防いだり、ポケットに挿したり、意外と大事なパーツです。使うシーンに合ったクリップを選びましょう。
万年筆の最高峰「モンブラン」おすすめ2選
万年筆のブランドとして象徴的な存在となる「モンブラン」は、1908年にドイツで誕生。万年筆の天冠(キャップトップ)には、雪で覆われたヨーロッパ最高峰モンブランの山頂を表現した白いシンボルマークが輝き、ペン先にはその標高「4810」の数字が刻まれています。
モンブラン『マイスターシュテュック 149 』

1024年に登場して以来、モンブランの定番モデルとして長く愛されている名品『マイスターシュテック』149。世界中の多くの作家たちが愛用してきたことでも知られ、誰もが一度は手にしたいと憧れる、万年筆の最高峰といわれています。

『マイスターシュテュック 149』は、マイスターシュテックシリーズのなかでは最もサイズの大きいタイプ。モンブランの高級感をたっぷり堪能することができます。18金ペン先をキャップに収めると、両端が丸みをおびたクラシックな形状に。風格ある王道のデザインは、一生を共にするパートナーとしての信頼感に満ちています。
モンブラン『スターウォーカー』ブラックミステリー

モンブランの『スターウォーカー』は、2003年に誕生した比較的新しいシリーズで、『スターウォーカー ブラックミステリー』は、レーザー刻印による直線模様が施されたボディと、透明樹脂のドーム型キャップに浮かびあがるホワイトスターが特長。
モダンでシャープな形状は、人間工学に基づいてデザインされており、新世代の筆記具と呼ぶのにふさわしい逸品。デジタルツールとの相性も抜群なので、若い方への新入学や就職のプレゼントにもぴったりです。
ラグジュアリーを極める装飾「エス・テー・デュポン」おすすめ1選
1872年、フランスの高級鞄メーカーとして創業した「エス・テー・デュポン(S.T.Dupont)」は、高級ライターの製造で培った技術を生かして、1973年から筆記具も生み出しています。純正漆や伝統のギヨシェ彫りによる品格あるアイテムが豊富にラインナップしています。
エス・テー・デュポン 『リベルテ』

「エス・テー・デュポン」の筆記具のアイコニックなコレクション『リベルテ』から、緩やかな円錐形のボディが美しい一本をご紹介。
万年筆には、メゾンの職人技によるギヨシェ彫りが施され、「エス・テー・デュポン」の象徴であるラッカー素材が洗練された風格を形作っています。

『リベルテ』コレクションは、ほかにもさまざまな色のラッカーやゴールド加工仕上げのアイテムがあり、これらはすべてフランスの工房で製造されています
フレンチエレガンス「ウォーターマン」おすすめ2選
「ウォーターマン」は、1883年にアメリカ・ニューヨークで創業。ルイス・エドソン・ウォーターマンが、自身の経験を糧に世界で初めて、毛細管現象を応用したインク供給システムを採用した万年筆を開発しました。1926年にはパリに拠点を移し、フランスらしいエレガントなペンを製造しています。
ウォーターマン『エクセプション』 スリム デラックス

フレンチエレガンスを体現する「ウォーターマン」のコレクションは、ブランドのアイコンである優美な波紋の模様がキャップに施され、ボディはインスピレーションの源であるブルーを纏っています。
なかでも『エクセプション』は、「既存の思想を打ち破る」というアイディアから生まれたコレクション。個性的なスクエアシェイプと洗練されたシルエットが特長で、ブランドの高い技術によって生み出されるフォルムは、一度体感すると手放せなくなるほど格別です。

18金からなるペン先は、なめらかな書き心地を実現。ボディのブルーは、深みのあるラッカーを何層にも重ねることで高級感のある仕上がりを誇ります。
ウォーターマン『エキスパート』エッセンシャル プレシャスホワイトPGT

「ウォーターマン」のアイコニックなコレクション『エキスパート』が表現するのは “野心と成功”。プラベートはもちろん、ビジネスシーンでも大きな自信を与えてくれる万年筆です。深みのある贅沢なラッカーと洗練された彫り模様が施されたボディが特長。丸みのあるゆったりとしたフォルムは、上品な大人の雰囲気を漂わせます。

ペン先は18金のロジウムプレート仕上げで、どこまでもなめらかな書き心地を実感できる逸品です。
英国王室御用達「パーカー」おすすめ2選
英国王室御用達ブランドである「パーカー」は1888年創業。矢羽のかたちのクリップをシンボルに、伝統あるフラッグシップ『デュオフォールド』やベストセラー『ソネット』など、多くのコレクションを誇ります。
パーカー『デュオフォールド』135 スペシャルエディション

「パーカー」の『デュオフォールド』は、ブランドのなかでも最も長い歴史を誇る最高峰コレクション。
創業者ジョージ・S・パーカーの「優れたペンをつくりあげるための努力は惜しまない」という信念を継承した職人たちの手によって一つひとつ手作業で組み立てられ、パーカーの歴史と技術を堪能できる名品万年筆です。

創業135周年を記念して発売された『デュオフォールド』スペシャルエディションは、ペン先に18金エクストラポリッシュドニブのプラチナプレート装飾仕上げのバイカラーを誇るなど、随所にアニバーサリーエディションにふさわしい意匠が盛り込まれた、特別な1本となります。
パーカー『ソネット』スペシャルエディション シズレ

「パーカー」のベストセラーコレクション『ソネット』から、「シズレパターン」を施したスペシャルエディションをご紹介。格子模様を表す「シズレパターン」は、創業者の息子であるケネス・パーカーが銀製のかぎ煙草ケースから着想を得て考案されたもので、1964年に創業75周年を記念する名品『パーカー75』に採用されて大人気を博しました。

「シズレパターン」を職人たちが熟練の技術を駆使して、ボディとキャップに施し、さらにハイポリッシュ加工も加わり、主軸から天冠までペン全体が優美に輝き、唯一無二の品格に目を奪われます。人気の『ソネット』コレクションのなかでも、特に際立つ風格をもった逸品となっています。
時代を超えて愛されるドイツの老舗「ペリカン」おすすめ1選
老舗万年筆ブランド「ペリカン」は、1893年にドイツのハノーバーで絵の具工場として創業。1929年に最初の万年筆モデル100型を発売し、縦じまがトレードマークの「スーべレーン」など、たくさんのモデルを発売。ドイツの万年筆を象徴するブランドとして、広く愛されています。
ペリカン『スーベレーン M800』

「ペリカン」万年筆のベースモデルとして1987年に登場した『スーベレーン M800』は、優れた重量バランスで、軸のどの部分をもっても書きやすく、初心者から愛好家まで持つ人を選びません。また、ペン先には18金が使用されており、初めて使うときから抜群の書き心地を発揮します。長く使い続けることで、持つ人の好みにあった理想のペン先に育っていきます。
また、ペリカンの代名詞ともいえるのが、ボディを彩る “縦じま”。高級樹脂と透明セルロースを幾重にも重ねてつくられる特徴的なストライプ模様は、飽きることを知りません。クオリティと価格のバランス、永遠の定番といえるベーシックなつくりとデザインで、多くのファンをもち、王道と評される名品万年筆です。
日本のパイオニア「セーラー万年筆」おすすめ2選
世界中にファンをもつ「セーラー万年筆」は、1911年に広島県呉市でスタートしたブランドとして知られ、1960年に現在の社名となりました。漢字・かなを美しく書くための万年筆をつくり続け、国内で初めて「金ペン」製造を手掛けた伝統を誇ります。職人技が光る特殊なペン先と安定した書き味に定評のある、日本を代表するブランドです。
セーラー万年筆『SHIKIORI―四季織― 雨音』

「セーラー万年筆」の人気シリーズ「SHIKIORI―四季織―」から登場の『雨音(あまおと)』は、季節を通して移り変わる草木の姿と、雨や雨上がりの情景を表現したコレクション。春雨(はるさめ)や翠雨(すいう)、凍雨(とうう)、霧雨(きりさめ)といった四季折々を感じさせる雨の名前をもった4本がラインナップされています。使う人の暮らしをより豊かに、それぞれの季(とき)を紡いでほしいという願いが込められた万年筆です。

「セーラー万年筆」は、世界的に評価の高い “21金” を使用したペン先の「プロフィット」シリーズが有名で、この「雨音」にも同様に21金ペン先が搭載されています。21金は弾力性に富み、これぞ万年筆!というしなやかな感触となめらかな書き心地を堪能できます。高級万年筆のなかでも比較的、手にしやすい価格帯でこの性能を実現しているのは、セーラー万年筆の技術の高さそのものといえます。
「雨音」シリーズには、「しとしと」や「ざあざあ」などの擬音が名付けられたブルー系のインク4色も用意されているので、シーンごとにさまざまな筆記を楽しめそうなのも魅力的です。
セーラー万年筆『長刀研ぎ』ブラックトリム

「セーラー万年筆」が誇る技術に、限られた職人だけがつくることのできるオリジナルペン先『長刀(なぎなた)研ぎ』があります。通常より大きなペンポイントをつけ、長刀の刃型のようになめらかな角度で研ぎ出すことで、ペンを寝かせると太い線、立てると細い線が書けるという特長を誇ります。漢字をより美しく筆記できる究極のペン先といえます。
この『長刀研ぎ』シリーズから登場の「ブラックトリム」は、ペン先やクリップ、キャップや金属パーツまで、すべてブラックIP加工によって黒く染め上げられており、他と一線を画す重厚感のある輝きを放つアイテムです。

ペン先に “21金” を採用し、万年筆の首部に金属材を使用することで重心を低くし、筆圧をかけなくてもペンの自重だけでなめらかな書き心地を得られます。落ち着きのある見た目と最高峰の書き心地を両立した逸品です。
※掲載価格は2025年4月17日現在のもので、すべて編集部調べです。販売サイトによって変更されることもあります。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考 :
- 『万年筆のすべて』(エイ出版)