毎日の食卓に欠かせない米。自宅にストックしておくことが多い食材のひとつですが、保存方法によっては風味を損ね劣化につながる要因があるんです。

そこで今回は、日本精米工業会の加藤 宏さんに「正しい米の保存の仕方」について、教えていただきました。購入してからできるだけおいしく米を食べきるために、あなたも保存方法を見直してみてはいかがでしょうか?

うっかりやりがち? 米が劣化する6つのNG行動!

■NG1:2か月以上の長期間ストック

米を長期間保存してはいけない理由とは?
米を長期間保存してはいけない理由とは?

お米は重量のある食材のため、何度も買いに行くのは面倒なもの。ですが、大量に購入して長期間ストックしておくことはおすすめできません。

それは、1か月を過ぎると、おいしさが損なわれはじめてしまうから。農作物である米は、肉や青果などと同じ生鮮食品ですので、日々鮮度は落ちていきます。新米の場合も開封・未開封に関わらず、米に含まれる脂肪酸が酸化して「古米臭」がすることもあります。

おいしく食べるためには、長期間のストックはしないこと。2か月以内で食べきれる量を購入し、鮮度のよい状態で食べるようにしましょう。

■NG2:夏の高温多湿な時期に1か月以上常温保存

夏の気候は米の大敵! 冷蔵庫保存がベストです。
夏の気候は米の大敵! 冷蔵庫保存がベストです。

害虫やカビの原因になるため、米に高温多湿の環境はNG! 特に、夏の高い気温や湿気により風味が落ちるスピードが早くなります。

常温保存する場合は1か月以内に食べきること。また、季節に限らず購入してから1か月以上保存する場合は、冷蔵庫で保存するのがベター。庫内にスペースがあれば、買ってすぐに入れるのがベストです。

日本精米工業会では「冷蔵保存」を推奨しているそう。米は温度の低い場所で保存すると、より品質が保たれます。

■NG3:冷蔵庫に保存していた米を常温の部屋に出しっ放しにする

冷蔵保存している米も、庫内へ戻すタイミングに注意!
冷蔵保存している米も、庫内へ戻すタイミングに注意!

また、冷蔵庫に保存していた米を、外に出しっ放しにすることもNGです。なぜなら、冷蔵した米を外に出したままにすると、温度差で結露してしまうから。この水分も、カビの原因になってしまいます。冷蔵していた米を計量した後は、素早く冷蔵庫に戻しましょう。

■NG4:保存容器の蓋や袋の口を開けっ放しにする

保存容器の蓋を閉めていても、置いてはいけない場所とは?
保存容器の蓋を閉めていても、置いてはいけない場所とは?

一方で米は乾燥も大敵。米びつなど保存容器の蓋を開けた状態にしておくと、乾いてひび割れをすることがあります。ひび割れた米は、炊くとベチャッとした食感に! おいしく食べるためにも、保存容器や袋の口はしっかり閉じること。ジップロックのような密閉できる容器を選び、乾燥から米を守りましょう。

また直射日光も乾燥の原因になるため、密閉していても、日の当たる場所への置きっ放しはNGです。

■NG5:濡れた手で計量する

料理中の濡れた手が、米の劣化につながる理由って?
料理中の濡れた手が、米の劣化につながる理由って?

前述の通り、米は湿気に弱い食材です。そのため、保存容器や袋に濡れた手を入れて計量するのは、避けること。手についている水分で米が湿気ってしまい、カビが生えることがあります。米を計量するときには、必ず手の水気をタオルで拭いてからにしましょう。

■NG6: 保存容器を洗わずに米をつぎ足す

米の保存容器は、洗った後にしっかり乾かすことも大切です
米の保存容器は、洗った後にしっかり乾かすことも大切です

なくなる寸前に、新しい米をつぎ足ししていませんか? 保存容器を洗わずに使い続けていると、紛れ込んでいた卵が孵化し害虫が発生することがあります。特に米びつのすみは、虫が発生しやすいので要注意。

保存容器にある米を食べきったら、毎回洗いしっかり乾かすこと。使う分だけ米を出せるライスストッカーの内部の細かいパーツも、こまめに清掃するようにしましょう。

【まとめ/米が劣化する6つのNG行動】

1:2か月以上の長期間ストック
2:夏の高温多湿な時期に1か月以上常温保存
3:冷蔵庫に保存していた米を常温の部屋に出しっ放しにする
4:保存容器の蓋や袋の口を開けっ放しにする
5:濡れた手で計量する
6:保存容器を洗わずに米をつぎ足す

長期間保存できると思いがちな米も、実はどんどん品質が劣化しています。大量の買い置きはせずに、冷蔵庫に入るだけの量をこまめに買うことが、購入時と変わらないおいしさのご飯を毎日食べられるポイントになるようです。

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WRITING :
石水典子
EDIT :
高橋優海(東京通信社)