アニバーサリーやご褒美旅などにおすすめしたい、スペシャルなニューヨークの旅をご提案します。今回はレストランにフォーカス。ニューヨーカーに人気の朝食や、隠れ家バーなど、雰囲気と料理、どちらも上質な食体験を、舌の記憶に刻みましょう。

世界中から腕利きのシェフが集まり、新しい技やテイストが生み出されるニューヨークのレストランシーン。店の移り変わりが激しい分、訪れるたびに何かしら新しい発見があるのは大きな楽しみですが、その一方、「どこへ行ったらいいのやら…」とレストラン選びの迷子になることも。そこで、えりすぐりの4軒をご紹介。人気の朝食や隠れ家バーなど、バラエティー豊かにチョイスしてみました。
■1:NYレストランシーンの仕掛人が供する「ロティサリー・ジョルゼット」

ミシュラン3ツ星に輝くフレンチの名店「ダニエル」のPRとして活躍し、いわば影のキーマンと目されるジョルジェット・ファーカスさんが2013年にオープンしたロティサリー(グリル料理)。回転させながらローストした鶏の丸焼き、ロティサリーチキンが名物です。「おいしさの決め手は、素材ね」とジョルジェットさん。仕入れる鶏は、放し飼いでストレスなく育ったもの。通常、若鳥は7週間で出荷されるところを、ここでは11~12週間まで成長させた、より滋味深いものを吟味。鶏の皮の間にハーブやガーリックなどを詰め、900度の火力で35分間かけてじっくり焼き上げます。肉は心地のいい弾力があり、噛むたびに鶏のうま味が口いっぱいに。店内は1903年に建造されたランドマーク的な歴史的建物に、赤レンガを白く塗るなどフランスらしさをひとふりしたデザインです。


問い合わせ先
- ロティサリー・ジョルゼット(Rotisserie Georgette)
- 営業時間/ランチ12:00~14:30(サンデーブランチ~15:00)、ディナー17:45~23:00(月~22:00、日17:00~22:00)
- 定休日/祝祭日
TEL:+1-212-390-8060 - 住所/14 E 60th Street, NYC
■2:NYで一番人気!「ノーマズ」のブレックファストで朝からごきげん

ニューヨークの朝食ランキングで常に上位をキープしているパーカー・ニューヨーク ホテル内の「ノーマズ」。行列は必至(予約がベター)、朝から並んでもいただきたいと評判なのが、パンケーキ。けれど、メニューを開くと小粋な料理名に興味がそそられ、エッグセレント("エクセレント"のジョークですね)からエッグ・ホワイト・フリタータ・オブ・シュリンプと、評判のエッグベネディクト、変わり種的にお好み焼きのようなノーマ焼きをオーダー。どれもボリューム満点。プレゼンテーションが華やかで、もちろん美味! 給仕をしてくれた年配ウエイターさんの優しい笑顔も、爽やかな気分にしてくれます。また、このホテルのもうひとつの有名店が「バーガー・ジョイント」。なぜかビロードのカーテンで入口が隠された、知らないと素通りしてしまう人気ハンバーガー店です。行列の中にはセレブが紛れていることも⁉



問い合わせ先
- ノーマズ(NORMA'S)
- 営業時間/6:30~11:15(金~15:00、土日7:30~15:00)
TEL:+1-212-708-7460 - バーガー・ジョイント(burger joint)
- 営業時間/11:00~23:30(金・土~24:00)
TEL:+1-212-708-7414 - 住所/119 West 56th Street, NYC(どちらもパーカー・ニューヨーク内)
■3: グランド・セントラル駅構内にあった禁酒法時代のバーを再現した「ザ・キャンベル・バー」

グランド・セントラル駅構内のこんなわかりづらい場所にバーがあったなんて! 1923年に財政で富をなし、ニューヨーク・セントラル鉄道にも携わっていたジョン・W・キャンベルが、禁酒法時代の1923年に始めた隠れ家バー。昼間はオフィスとして使い、夜ともなると、音楽のリサイタルホールに様変わり。同僚や友人たちと語り、笑い、音楽を楽しんだそうです。週末には50人もの友人を招いてパーティーを開いたこともあったとか。1957年にキャンベルが没した後は信号係のオフィスや銃の保管庫などのユニークな変遷を経て、2017年ついにバーとしてカムバック! 13世紀のフィレンツェをイメージしたステンドグラスや、キャンベルが使っていた金庫など、重厚感あるたたずまいが丁寧に修復されています。ちなみに人気海外ドラマ『ゴシップガール シーズン1』のセリーナとネイトの浮気現場はこちらです。



問い合わせ先
- ザ・キャンベル・バー(The Campbell Bar)
- 営業時間/12:00~26:00
TEL:+1-212-297-1781 - 住所/15 Vanderbilt Avenue (Off 43rd Street), NYC
■4:ザ・ニューヨークな名所を見上げる「バトー・ニューヨーク」のクルーズディナー

夕映えが迫るチェルシーピアから、ドレスアップしたカップルたちがガラスの天井のボートに乗り込み、ハドソン川を出航します。川面から見上げるエンパイアステートビルは、まさに思い描いたとおりのニューヨーク。船窓を流れる風景を楽しんでいると、やがてジャジーな生演奏とともに、3コースからなるディナーがスタートします。船はマンハッタンの南端を回り、ブルックリン橋へ。続いてマンハッタン橋、ウィリアムズバーグ橋とめぐり、ルートを引き返してハイライトへ向かいます。デッキへ出ると、目の前にバーンとそびえる、きらめく摩天楼。そして、自由の女神! しばしの写真タイム。デッキ上では誰ともなく『Born in the USA』を歌い出し、いつしか大合唱に。船内に戻ると、生演奏はアップテンポなダンスミュージックに変わり、踊りだすカップルも。王道のニューヨークを川から愛でる、夢のようなひと時です。



問い合わせ先
- バトー・ニューヨーク(Bateaux New York)
- 料金/ディナークルーズ 149.90ドル(週末159.90ドル)※税別、ランチやブランチもあり
TEL:+1-212-352-1366
取材協力
シリーズ「ラグジュアリー・ニューヨーク案内」

- TEXT :
- 古関千恵子さん ビーチライター
公式サイト:古関千恵子ホームぺージ
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- WRITING :
- 古関千恵子
- EDIT :
- 安念美和子