全国各地の豆腐が競う第三回全国豆腐品評会において、絹ごしの部 金賞を獲得した「特選絹ごし」。また、全部門で最も点数の高い豆腐に贈られる農林水産大臣賞と共に、よせ・おぼろの部 金賞を2年連続で獲得した「特選よせとうふ」。これらの豆腐は、なんと豆腐なのに強い甘みと香りを感じるのだそう! そんな豆腐、食べたことありますか?
今回は、これらの豆腐を生み出した東京・青梅の豆腐屋さん「とうふ工房ゆう」の店主である大久保裕史さんに、なぜ強い甘みを出せるのか、その秘密を教えていただきました。
「特選絹ごし」の強い甘みの秘密3つ!
「特選絹ごし」は、なぜ強い甘みが出せるのでしょうか。大久保さんによると、甘みの秘密は大きく分けて3つあるそうです。
■1:大豆
「特選絹ごしに使用している大豆は、新潟県産の肴豆(さかなまめ)というものを使用しています。これは在来種といわれるもので、品種改良がされておらず、ごく一部の地域、生産者のみしかつくっていない非常に貴重な大豆です。もともと、大豆の性質として、たんぱく質が高いものは低糖質であり、たんぱく質の低いものは高糖質です。もちろんお豆腐として適しているのは、高たんぱく低糖質です。甘みが少なくしっかりとしたお豆腐になります。
一方、当店が使用している大豆は、たんぱく質が非常に低く、糖質が高いので、固まりにくいですが、とても甘みや香りが強い大豆になっています」(大久保さん)
■2:製造方法
「大豆をすり潰すときに水を加える量を非常に少なくして、豆乳濃度を上げています。一般的に市販されているお豆腐は豆乳濃度が10%くらいですが、こだわりのお豆腐を造っている店は13~15%ほど。当店の特選絹ごしは17~18%です」(大久保さん)
■3:凝固剤
「お豆腐を固まらせるための凝固剤には種類がとてもたくさんあります。特選絹ごしには伊豆大島産の海水にがりを使用しています。このにがりは凝固が非常に難しいですが、大豆の甘みや香りを最大限引き出してくれます」(大久保さん)
「特選絹ごし」は食感にもこだわりあり!
大久保さんによると、特選絹ごしは食感にもこだわりがあるのだそう。
「食べたときに、なるべく滑らかになるようにつくっています。食感が滑らかなお豆腐をつくることにより、舌にいつまでも大豆の余韻が残るように工夫しています」(大久保さん)
「特選絹ごし」の最高においしい味わい方は?
知れば知るほど気になる豆腐の味わい。この特選絹ごしを最高においしく味わうためにはどのような食べ方がおすすめなのでしょうか。ふたつ教えていただきました!
■1:何もつけない冷ややっこ
「冷ややっこで何もつけずにいただくと、豆腐の味がわかります。キンキンに冷えていると、味がわかりづらいため、冷蔵庫から出して30分後くらいに食べるといいです」(大久保さん)
■2:まるごと一丁麻婆豆腐
「先にアツアツの麻婆豆腐のあんをつくり、常温に戻したお豆腐にかけます。ピリ辛のあんだと、お豆腐の甘みと辛さが絶妙でおいしいです」(大久保さん)
やわらかく濃厚な「特選よせとうふ」も絶品!
実はもうひとつ、とうふ工房ゆうには第三回全国豆腐品評会で、最高点がついた豆腐が受賞できる農林水産大臣賞を獲得したという注目の豆腐「特選よせとうふ」があります。こちらはどのような豆腐なのでしょう?
「特選よせとうふは、固まるか固まらないかギリギリのラインを攻めている豆腐です。そのため、非常にやわらかく、舌に感じられる濃厚さは、当店の中で一番。そしてもちろん、大豆の甘みと香りは健在です」(大久保さん)
この特選よせとうふ、大豆をふやかしてすりつぶし、その後煮て、海水にがりで固めるまで、通常の3倍の時間がかかるのだそう。それだけ手の込んだ逸品。おいしいのは当たり前かもしれません。
JR青梅線青梅駅より徒歩10分の距離にあるお店に、思わず出かけて行きたくなるほど。遠方の方は、お取り寄せしてみるのもよさそうです。
問い合わせ先
- とうふ工房ゆう
- お取り寄せはこちら
- 営業時間/10:00~18:00
- 定休日/毎週日曜・第4月曜
- TEL:0428-84-2470
- 住所/東京都青梅市裏宿町570-7
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石原亜香利