「クイーン・エリザベス」世界一有名なクルーズ客船で贅を尽くす!
クルーズ初心者でも「クイーン・エリザベス」というラグジュアリーなクルーズ客船の名称は耳にしたこともあるかもしれません。2020年9月28日(月)には、提供する英国の会社キュナード・ライン初となる東京発着クルーズが行われることも発表されました。
今回は、クルーズ・ジャーナリストの藤原暢子さんに、クルーズ初心者の方向けにクイーン・エリザベスの豪華客船を味わうコースを案内してもらいました!
ラグジュアリーなクルーズ客船といえば、世界的に名を馳せている「クイーン・エリザベス」。9万901トン、乗客定員2,081人を乗せることのできる、キュナード・ラインという歴史ある船会社の船。命名者はもちろん、あのエリザベス女王です。
さあ、早速、そのクイーン・エリザベスに乗り込んで疑似体験してみましょう。
クイーン・エリザベスの船内に潜入!クルーズ旅を疑似体験
2階建てのライブラリーへ!
「一歩船内に足を踏み入れたら、そこは英国。落ち着いた雰囲気を生かしつつも華やかな空間が広がります。この船だからこそ、やっておきたいことがたくさん。まずは読書好きな英国人らしく、この船と姉妹船の『クイーン・ヴィクトリア』にしかない2階建てのライブラリーへ。
なんと3,000冊の蔵書を持ち、ライブラリアン(図書館司書)もおり、本の貸し出しもしてくれます。素敵な写真集や日本語の本もあるので、まずは世界の本に触れてみてはいかがでしょうか。読書ができる椅子もそこかしこに用意されていますので、ひとときの読書を楽しむのも良いでしょう」
ブランドショップが並ぶエリアでは、時計に注目!
「次に向かいたいのは『ロイヤル・アーケード』。ブランドショップが並ぶエリアでお買い物をしつつ、下のフロアから美しい曲線でふたつに分かれる階段の真ん中にある時計に注目してください。これはロンドンのビッグベンと同じメーカーに特注した時計なのです」
次はいよいよ至福のアフタヌーン・ティーへ!
「船内散策を楽しんだ後は、客船定番のアフタヌーン・ティーへ。客船は大西洋を渡る定期航路から始まっているので、多くの客船でヨーロッパの文化であるアフタヌーン・ティーの習慣が名残りとして残っていますが、とくに英国客船でいただく本格的なアフタヌーン・ティーの時間はやはり特別なものです」
「天井の高いダンスホール『クイーンズ・ルーム』で優雅なピアノやハープ、四重奏を聴きながら、ゆったりとしたソファに腰掛けると、白い手袋をはめたウエイターが紅茶や焼き立てスコーン、サンドイッチなどを給仕してくれます。近くに英国人がいたなら、スコーン塗るのはジャムが先かクローテッドクリームが先か聞いてみましょう。地域や好みによって違うので、それぞれの主張を聞くのも興味深いです」
藤原さんによると、この後、夕食ではフルコースが待っているので、食べすぎにはご注意をだそうですよ。
ディナーはフォーマルな装いに着替えて優雅に
「ディナーは、指定のダイニングでいただきます。『クイーン・エリザベス』を擁する会社、キュナード・ラインには現在3隻の客船がありますが、実は他の客船会社と大きな違いがあります。それは映画『タイタニック』でもご覧になったことがある方もいるかもしれませんが、厳密なカテゴリー分けがあること。
『ブリタニア・レストラン』『ブリタニア・クラブ』『プリンセス・グリル』『クイーンズ・グリル』と、使用するダイニングの名前でカテゴリー分けされています。つまりブリタニア・レストランを利用する客室カテゴリーの人は『プリンセス・グリル』や『クイーンズ・グリル』用の専用ラウンジやダイニング、テラスには立ち入ることができません。
とはいえ、その他の施設は誰もが利用できますし、『ブリタニア・レストラン』の客室やダイニングもかなり立派。ただ、もしちょっと上流階級の気分を味わうなら『プリンセス・グリル』以上を選べば、王女、女王気分が味わえることでしょう」
そして気になるのが、ディナーの内容です。
「ディナーの内容は、カテゴリーによって大きな差があるわけではありません。『ブリタニア・レストラン』でも前菜、スープ、メイン、デザートとそれぞれに選択肢が多く、好きなものを選んでオーダーしておいしくいただけます。ソムリエもいますので、ワインの相談も気軽にできます。
『ブリタニア・レストラン』は2層吹き抜けで壮大。キャプテンやオフィサーがリピーターの方とテーブルを囲んで食事をするなど、とても華やかです。『プリンセス・グリル』と『クイーンズ・グリル』はメゾンのような小さめのダイニング。
メニューはあまり変わりませんが、ウエイターも多く配しているので、いろんなリクエストができたり、フランベなどテーブル横で料理を仕上げてくれたりするサービスが受けられるのが大きな特徴です」
「また英国客船らしく、ドレスコードがしっかり守られています。フォーマルの日はタキシード率がかなり高く、女性もデコルテを出したフルレングスのドレスできちんとドレスアップする人がほとんど。ディナーからの時間は、おめかしをしましょう」
ディナーの後はショーの鑑賞へ!
「ディナーの後はロンドンのウエストエンド(ニューヨークのブロードウェイと同様の劇場が集まる場所)を訪れる気分で、ぜひショーを観に行きましょう。『ロイヤルコート・シアター』は3階建て、800人を収容できる劇場で、本格的なショーが観られます。
ここにはボックス席もあり、予約すればシャンパンとチョコレート付きでボックス席からの観劇も叶います。命名式で同船を訪れたエリザベス女王が座られたのは15番のボックス席。あなたも女王と同じ椅子でショーを観ることができるかもしれません」
社交ダンスを踊ることも!
「シャンデリアが輝く、洋上最大級の『クイーンズ・ルーム』で優雅に社交ダンスを踊ることもできます。ダンスが苦手でも日中にダンス教室があり、夜はダンスホストの男性がホールに誘ってリードしてくれるので、それに身を任せ、生演奏の中、軽やかにフロアを舞いましょう」
英国パブでリラックス!
「ちなみに、英国人といっても一日中、作法正しくしているわけではありません。逃げ場は、英国パブ! 『ゴールデン・ライオン・パブ』では英国ビールやフィッシュ&チップスなどのパブランチでリラックス! ビール片手にダーツ大会に参加したりもできます」
いかがでしたか? 噂に聞いたクイーン・エリザベスの疑似体験ができたのではないでしょうか。まさに貴族の遊びを、身をもって体験できる豪華客船の旅。今度は、実際に乗船してみたくなりますよね。
クイーン・エリザベスは季節に合わせて、いろんな日数のクルーズが行われているそう。英国らしさを気軽に感じられるのは2~3月のオーストラリア周辺をめぐるクルーズ。英国的な街並みや自然を感じながら、陸路では移動しにくいエリアをめぐるクルーズが2泊からあるそうです。
いきなりフライ&クルーズでは心配という方は、日本マーケットに向けて用意された日本発着クルーズがおすすめです。2019年のゴールデンウィーク前後に横浜発着で2本、2020年も同じゴールデンウィーク前後に4 本の日本発着クルーズが行われる予定。このクルーズは7泊8日なので、英国を感じながら、日本周遊クルーズを楽しんでみるのもいいのではないでしょうか。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石原亜香利