最もおいしくカニをいただける、冬が近づいてきました!
カニのほのかに甘い風味、蟹肉のフワトロっとした口触り…思い出すだけで、気持ちが高ぶってきますよね。
カニをおいしくいただく方法は複数ありますが、今回は、「カニ鍋」をおいしく食べ方に迫ってみました。カニ鍋に合うカニはどんなカニなのか、またカニ鍋の基本的な作り方、味付け方、アレンジ方法などをご紹介します。
お話を伺ったのは、北陸のカニのプロ。「越前がに」を取り扱う福井県のかに専門店「越前かに問屋 ますよね」の店主である橘高友樹(きったか・ゆうき)さんです。今年の冬は、友人がワイワイ集まるときや、ホームパーティーなどで「絶品なカニ鍋」を試してみてはいかがでしょうか?
■STEP1:カニ鍋におすすめしたいカニの種類は「ズワイガニ」
自宅でカニ鍋をいただく場合、たくさんあるカニの中で、「何ガニ」がおすすめなのでしょうか? 橘高さんによると、カニ鍋にはずばり「ズワイガニ」がおすすめなのだそう! どうしてなのでしょうか?
「ズワイガニは身質が繊細で甘みがあるため、素材の味も重視される鍋料理に一番合うんです。北陸の宿などでも、冬場のカニ鍋と言えばズワイガニになっています」
カニの種類には、他にもタラバガニや毛蟹がポピュラーですが、これらはどんな食べ方が合うのでしょうか?
タラバガニ
「身が大きく、繊維も粗いため、焼きガニ、塩ゆでがおすすめです」
毛蟹
「風味が独特なので、こちらも塩ゆでがおすすめです」
なるほど、繊維が粗かったり風味があるカニは、純粋に茹でるなどしていただく。甘く繊細なズワイガニは、素材そのものの味を味わう料理方法に向いている、ということなのですね。
■STEP2:おいしいズワイガニを見分けるには?
では、ズワイガニをカニ鍋でいただく場合、どんなことに気をつけて選ぶのがよいでしょうか?
「近年ではカニの加工も進化してきており、ボイルではなくカット済みの生ズワイガニを選ぶのがおすすめです。いざカニ鍋を楽しもうと思っても、殻の調理や処理には困るものです。すでに殻をカットされている、包丁不要のカット済み生ズワイガニであれば、解凍してすぐにカニ鍋を楽しむことができます。
また、鮮度抜群の生ズワイガニを使用しているという点も、重要な選ぶポイントです」
■STEP3:最高においしいカニ鍋には「手順」も重要
続いて、カニ鍋を作る手順を教えていただきました。
「一般的にカニ鍋をしようと思ったとき、購入しやすいのは冷凍のカニかと思います。冷凍カニの場合についてご説明します」
1.いただく10分ほど前に、流水による急速解凍で解凍します。
2.ザルなどで水気をきります。
3.野菜などと一緒にお皿に盛り付けます。
「具材は一般的に、白菜、長ネギ、エノキ茸、椎茸、豆腐などが定番です。カニ鍋に合うおすすめの具材は長ネギです」
4.沸騰したお鍋に入れ、3分~5分ほどの加熱でお召し上がりください。
加熱しすぎると、身が固くなるので注意!
5.シメにご飯を入れ、カニ雑炊をお召し上がりください。
■STEP4:カニ鍋は何でいただく?
さあ、カニや野菜に火が通ったら、いよいよカニをいただきましょう! そうそう、肝心のお鍋の中のカニには、何をつけていただくのが一番おいしいのでしょうか?
「北陸、福井県では『うどんダシ』に近い、カツオと昆布を使ったダシで煮込み、そのまま何もつけずに食します。または寄せ鍋のようなダシでも良いですし、最近ではスーパーにもカツオと昆布を使ったダシパックが販売されていますので、そちらを活用しても良いと思います。
食べるときは、お好みでポン酢などにつけて食べるのも良いと思いますが、カニの風味を感じるには、そのままで良いと思います」
素材そのものの風味を楽しむために選んだ生ズワイガニは、相性のいいダシと一緒にいただくのが最良、ということですね。
■STEP5:パーティー向けカニ鍋のアレンジ術
パーティーにもぴったりのカニ鍋ですが、普通の寄せ鍋だとワンパターンになってしまいがち。アレンジ方法を教えていただきました。
大根おろしをたっぷり入れた「みぞれ鍋」でさっぱり!
「北陸、福井県では大根おろしをたっぷり入れた『みぞれ鍋』で食すのも人気です。一度煮立ったら火を止めて、そこへ大根おろしを入れます。さっぱりしておいしいですよ」
鍋を2つ使って「カニしゃぶ」も同時開催!
「カニしゃぶも一緒に楽しむのも定番。カニ鍋の鍋とカニしゃぶの鍋を両方置いていただくと、2つの味を楽しめつつより豪華になって、パーティ向けなのではないでしょうか」
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以上、カニ鍋のおいしい食べ方についての5ステップ、いかがでしたでしょうか。カニ鍋は、カニを入手するところから勝負が始まっています。ぜひおいしい新鮮なカニを手に入れて、風味を損なわないよう茹で時間に細心の注意を払い、大胆にいただいてみてはいかがでしょうか!?
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石原亜香利