こだわりぬいた素材を惜しみなく使ったザ・ギンザの化粧品を影で支える、コットン。化粧品と同等にこだわるコットンは、どのようにつくられているのか、広島にあるコットン工場を取材しました。自然環境から水、原料、機械、品質管理など、あらゆることにこだわった末に完成するコットンができるまで、その全てをお見せします。

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その工場は中国山地の自然の中にあった! 

山に抱かれるように建つ工場。手前には田んぼが。

中国地方のほぼ中央、広島空港から車で小一時間。目指す工場は、山や田畑に囲まれた美しい自然の中にありました。北側には中国山地が、南側には瀬戸内海が位置する東広島市豊栄町(とよさかちょう)あたりは、コットン工場としてこれ以上ないと言われるほどの素晴らしい立地。というのも、コットンをつくるためにはきれいな水が欠かせず、水を求めた結果ここにたどり着いたのです。

その水とは、軟水。カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が多く含まれる硬水は、製造過程でコットンの繊維と結びついてしまい、コットンの品質が落ちてしまいます。ミネラル分を多く含まない軟水こそがコットン製造のカギ。平地が少なく、しかも花崗岩が風化した地層が地下に広がるこの地の水は、理想的な軟水に。今回取材したコットン工場では、この軟水を地下から汲み上げ、濾過して使用。さらに、製造工程で使用した水も再び濾過して田んぼの用水として役立てているそう。

実は、近くには、昔から灘や伏見と並ぶ酒どころとして知られる西条があり、酒づくりの水も同じ地層から汲み上げているのです。つまり、酒づくりができるほどの“おいしい軟水”を贅沢にもコットン製造に使っているということ。驚くべき、水へのこだわり!

ザ・ギンザでは、すべてのスキンケア商品において“生命の起源”としての「水」を何より大切に考えています。一般にスキンケア化粧品の原材料として使用されるのは蒸留水ですが、ザ・ギンザの場合、イタリアの冷泉水を使用するほど。

そんなザ・ギンザだからこそ、コットン製造においても、製造過程で重要な役割を果たす「水」の水質にこだわり抜いているという訳なのです。

感動的な使い心地のコットンへのこだわりはいかにして生まれたのか

コットンへのこだわり。それは、57年前の資生堂の美容部員に遡ります。当時、店頭では、美容部員自らが大判の医療用脱脂綿をハサミで切り分けて、コットンを作成。お客さまに化粧水を試してもらうために使っていました。そこで化粧用のコットンを開発しようと、資生堂が中国地方のある生産工場に話を持ちかけ、そこから開発がスタート。原料の綿繊維を複数組み合わせたり、機械を新たに開発したり、さまざまな工夫の末、1962年に国内外初の「化粧コットン」が誕生しました。天然コットン100%で毛羽立ちにくく、肌あたりがソフトで使い心地よく、化粧水や乳液を吸収して肌に放出。化粧用コットン誕生は、私たちのスキンケア習慣を変えたといってよいでしょう。

その後もさらに開発を続け、2002年には、資生堂グループのなかでも化粧品の使用感に強いこだわりを持っていたザ・ギンザにより、スーパー長繊維綿を使用した「ザ・ギンザ スーペリアコットン」と、シルクをブレンドした「ザ・ギンザ リファイニングコットン」へとつながります。

資生堂のコットンを生産する、株式会社サンヨーコーポレーション社長の小迫隆司さん。
この機械で繊維の方向を揃えて薄い綿の膜をつくる。これが1層分。

資生堂、ザ・ギンザと二人三脚で歩んできた、このコットン工場こそがサンヨーコーポレーションです。社長の小迫隆司さんはよりよい原料を求めて、自ら生産地に出向いて農家を視察し、交渉。なんと機械の調整も行う、コットン製造のプロ中のプロ。資生堂との打ち合わせ後、帰りの新幹線内で設計図を描き、オリジナルの機械も原料も、その割合などもブラッシュアップしていったと言います。例えば、化粧水と乳液ではテクスチャーが異なるけれど、いかにしてコットンに吸収させて放出するか、よれないようにするにはどうしたらいいのか、もっとソフトな肌触りにするためには何が必要か、など試行錯誤。資生堂の開発者とのやりとりを進めて、完成させたというわけです。

世界中から選りすぐられた綿花

倉庫に眠る、生産地別に梱包された原料の綿花の山。世界中から選りすぐりの綿花を取り寄せる。

コットンづくりのこだわりは、もちろん原料選びから並々ならぬものがあります。原料の綿花は、アメリカやオーストラリアから輸入。地域や品種によって繊維の長さや手触りなどが異なるため、より良い原料を求めて社長の小迫さん自らが世界中を周り、製造農家と連携し、優れた品質の綿花を選りすぐっています。

綿の繊維の特徴はさまざまで、それはそのままコットンの特徴に当てはまります。例えば、綿の種子の表皮細胞が成長した綿繊維は、中空構造になっているため、吸った水分を放出できること。また、繊維自体がやわらかく、繊維の先端が丸みを帯びているため、肌への密着性が高いこと。さらに、人に近い帯電性があるため、静電気を帯びにくく、皮膚への静電気ストレスを与えにくいこと。綿がもつ特徴をいかに引き出すかが、コットンづくりの使命でもあると言えそうです。

不純物のない美しいコットンは美しい水が生み出す!

不純物を取り除いた後の綿を何種類か混ぜているところ。まずは丁寧な手作業でコットンの原材料を仕分け。選りすぐりの原材料への、作業員たちの愛情を感じる工程。
繊維の方向を揃えて薄い綿の膜をつくり、この綿の層を何層にも重ねて厚い綿の帯を形成する。上質な化粧用コットンが生まれる秘密がここにもある。
水の力で綿の繊維同士を強くからみ合わせる、スーパーウォータージェット工程。
スーパーウォータージェット工程を経たコットンをピンと伸ばし、乾燥工程で一気に水気を吹き飛ばす。そして、表面、内部まで独自のX線透過検査装置で検査し、反物状に巻き取る。
CCDカメラで異物検査し、規定の寸法にカット。これを包装し、X線検査、包装仕上がり検査。最後まで妥協は許されない。

肌に直接触れるコットンは、前述したように水にこだわって製造されています。まず、原料の綿花の葉カスや種カスを落とした後、精製して天然の油分や蝋(ろう)分などの不純物を取り除きます。その後、混綿してから細かく繊維をほぐし、良い原料だけを使用。さらに繊維の方向を揃えて一枚の薄い綿の膜をつくり、これらを何層にも重ねます。

そして、最大のポイントが、こだわりの水を使ったスーパーウォータージェット工程です。これは、いわば“水のミシン針”で、水の噴射によって綿繊維を絡めるように編み込むというもの。水が出る穴はミクロン単位で形状を揃え、圧力を調整。水の圧力が強すぎるとコットンが切れてしまうため、穴の大きさや形状、角度などを試行錯誤して現在の状態に。しかも、製品によってピッチも異なり、日々の機械の調整も欠かせません。でも、このこだわりこそが、吸水性と放出力に優れ、肌にやさしい、ふわふわのコットンを生み出すのです。

ザ・ギンザの化粧コットンはなぜ、そんなにすごいのか!?

スキンケアのためのスペシャルなコットン。それは、化粧品の使い心地ばかりか、その効果を向上させるためにも大きな役割を果たすことに。さらに、資生堂グループのひとつ、ザ・ギンザの化粧コットンへのこだわりは、さらに開発を大きく進化させました。その先に誕生したのが、ザ・ギンザの化粧水、乳液をつけるときに使用する『ザ・ギンザ スーペリアコットン』です。

左から/うるおいがすばやくなじむ高機能化粧水。『ザ・ギンザ エナジャイジングローション』〈化粧水〉200ml ¥18,000 うるおいに満ちた肌が続く高機能乳液。『ザ・ギンザ モイスチャーライジングエマルジョン』〈乳液〉150g ¥20,000 化粧水と乳液をなじませるためのコットン。『ザ・ギンザ スーペリアコットン』60枚入り ¥400 PHOTO:池田 敦(パイルドライバー)

『ザ・ギンザ スーペリアコットン』は、原綿の段階から手触りが上質なスーパー長繊維を使用。細く長い繊維は液体をたっぷり吸収し、軽い力で肌に潤いを放出できるというメリットが。コットンの層も、工場内での最大値である36層も重ねています。約20㎝にもなる36層のコットン層が、スーパーウォータージェット製法により繊維を絡めることで約7㎜に圧縮。束状に編み込まれた繊維は緻密で毛羽立ちが少なく、なめらかな肌あたりに。しかもオリジナルのカット裁断により、断面までソフト。「化粧品の機能を効果的に引き出すにはどうしたらいいのか」と、常にコットンのことを考え、開発に余念がない小迫さん。すべては美しい肌のために。ザ・ギンザのコットンへのこだわりは、感動をもたらします。

朝晩、毎日のスキンケアをきちんと肌に届けるためにも、コットンは重要なツールです。消耗品でありながら、ここまでこだわる名品コットンをきちんと使いこなして、美肌を目指したいもの。コットンによる丁寧な“お手入れ”は、私たちを裏切ることがないのです。

さまざまな資生堂ブランドのコットン。背景は包装工程の工場スタッフ。

※掲載した商品の価格はすべて税抜きです。

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PHOTO :
伊藤 信
WRITING :
國藤直子(STRIPE)
EDIT :
安念美和子