2019年1月9日(ニューヨーク日付)、ティファニーがダイヤモンド業界をリードする発表を行い、世界的な話題を集めています。

業界に一石を投じるティファニーの発表

ダイヤモンドの「透明性」に向け、業界水準以上の基準を推進するティファニー
ダイヤモンドの「透明性」に向け、業界水準以上の基準を推進するティファニー

今回発表された新しい取り組みは、ティファニーが新たに調達した「個別登録済みダイヤモンドの、原産地を顧客と共有していく」というもの。

具体的には、各個別登録済みダイヤモンド(0.18カラット以上)に、肉眼ではわからないレーザー刻印で、独自の「T&Co」シリアルナンバーを施します。そのナンバーを追跡できるようにすることで、それぞれの石の調達先に関する情報を、顧客に提供できるようになりました。

 

ティファニーがダイヤモンドの「透明性」にこだわる理由

20年ほど前、紛争地域においてダイヤモンド採掘が武装勢力の資金源になっていたり、その採掘のために、一般市民が過酷な環境で働かされていることが明るみに出ました。それ以降、ダイヤモンド業界では「紛争と無関係なダイヤモンド」の調達を目指し、ダイヤモンドの原石および研磨加工石に対して、認証を定めています。

しかし、現在のダイヤモンド業界の慣行では、世界のダイヤモンド原産地をすべて明確にすることは難しいのが現状。

「自然の奇跡によって、30億年も昔に結晶化し、地表付近まで運ばれてきたダイヤモンドは、人生の大切な瞬間を共に刻む象徴的な存在です。ティファニー ダイヤモンドには何ひとつ不透明なことがあってはなりません」

「お客様は、ご自身にとって何にもかえがたい大切なダイヤモンド ジュエリーがどこで産出されたのか、どのような流通ルートを経て手元に届いたのかを知りたいと願い、これを知る権利があります」と、ティファニー最高経営責任者のアレッサンドロ・ボリオーロは語ります。

ティファニーでは、業界認証の基準を満たしていても、原産国が明らかでないダイヤモンドについては一切調達しない、と自らより厳しい水準を適用することで、業界を変えていこうと尽力しているのです。

今後のティファニーが進める改革

ティファニー ダイヤモンドの鑑定書には、ダイヤモンドの特性のほかに、原産国も記されるようになる
ティファニー ダイヤモンドの鑑定書には、ダイヤモンドの特性のほかに、原産国も記されるようになる

長年にわたり、ダイヤモンドの透明性を高め、業界水準をはるかに上回る人権保護と環境保全の実現に尽力してきたティファニー。

今後は、個別登録済みダイヤモンドのティファニー ダイヤモンド鑑定書に、宝石の特性とともに、原産地の記載をスタート。この情報は、ほかのラグジュアリージュエラーが一般に提供している民間の第三者研究所のレポートには記載されていないもので、革新的な試みです。

また、2020年には、原産地のみならず、カットや研磨を手掛けた工房所在地など、製造工程の情報提供も始める予定。これはティファニーが自社でカット・研磨工場の運営を行っている数少ないブランドだからこそ、できること。製造工程で、ダイヤモンドの透明性が失われることを防いでいるのです。

ティファニーのダイヤモンドは自社工場で加工されています。
ティファニーのダイヤモンドは自社工場で加工されています。

これからもダイヤモンドの「透明性」100%を目指し、業界をリードしていくティファニー。素晴らしいダイヤモンドはもちろん、そのルーツとなるサステナブルな社会を目指す活動からも、目が離せません。

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