首周りのおしゃれにひと役買い、防寒にもなるファッションアイテム、ストールとマフラー。この両者、何が異なるのかわかりますか? 今回は、なんとなくわかっているようで実はあまり知らない、マフラーとストールの特徴と違いをご紹介します。
また、それぞれの特徴を活かした簡単アレンジを、日本橋三越本店のレディスコンシュルジュの佐々木 彩さんに伺いました。
マフラーとストール、その特徴と違い
まずはサイズや素材など、それぞれの特徴を挙げることで、使うシチュエーションや目的が見えてくるはず。両者の違いを佐々木さんに伺いました。
厚手の生地で使いやすいサイズ!コンパクトに巻ける「マフラー」
特徴
形:幅の狭い長方形(幅30〜50cm程度が中心)
長さ:首周りを一周する程度(長さ160〜180cmが目安)
素材:カシミヤ、ウールなどの厚手のニットなど、ファー(フェイクも含む)
マフラーは、コートやスーツのときでもスッキリと着用でき、持ち歩きも便利なので、ビジネスシーンなどで活躍。サイズや色柄に男女差があまりないことも特徴です。
「基本的に厚手で防寒が主な目的となり、秋冬に着用することになります。襟元にコンパクトに巻けるため、日常的なシチュエーションで使われることが多いです」(佐々木さん)
佐々木さんによると、定番の柄は老若男女問わずタータンチェック。また、最近はカラーブロックやグラデーションが人気で、どの部分を外側に見せるかよって雰囲気を変えることができるそうです。
種類が豊富で夏場も活躍!多様なアレンジが楽しめる「ストール」
特徴
形:幅の広い長方形(幅60〜70㎝程度が中心)
長さ:肩から羽織れる長さ(180~200㎝目安)
※正方形はショールと呼ばれます
素材:素毛、カシミヤ、麻、綿、絹など
ストールは幅・長さともに広く、柄や生地の種類が豊富。そのため、ファッション性が高く、アレンジの応用が利くそう。どのような素材やデザインを選ぶかにより雰囲気が変わるため、カジュアルでもフォーマルでも、さまざまなシチュエーションで使えます。
「ストールは素材が暖かいウールやカシミヤから、通気性の良い麻や綿まであるので、防寒目的だけではなく、ファッション小物としても活躍します。例えば、ジョンストンズではかなり厚手のストールを出しており、コート代わりになりますね。一方、麻などの薄い素材は夏場の冷え対策用としても重宝されており、船旅でデッキの風よけに使われるお客様も多いです」(佐々木さん)
さりげないのに崩れない、コンシュルジュの「巻き技」をご紹介
今回はベーシックなウールのマフラー、秋冬の防寒に使いやすいウールのストール、春先から夏場におすすめの薄手のストールをご用意いただき、実際に佐々木さんにいろいろな巻き方を教えていただきました。シチュエーションやコーディネートによってアレンジが利き、なおかつ簡単な巻き方ばかりですので、ぜひ挑戦してみてください。
マフラーの巻き方
■準備:端が見えないようにする
マフラーの両端を内側に折ることで、端の布の切れ目が見えにくく、より上品な印象になります。どの巻き方をするときもこのひと手間を惜しまないことで印象が大きく変化します。
◼️1:簡単、スッキリ、コンパクトな巻き方
首元・胸元に密着し、ボリュームがあまり出ないため、スーツやコートの襟もとにピッタリな巻き方です。
■2:オーソドックスなアスコット巻き
かなりオーソドックスな巻き方ですが、縦のラインを強調してすっきりとさせたい場合はこの巻き方がおすすめ。
■3:崩れないエディター巻き
通常の「エディター巻き」は1回くるりと巻いて端を前へ垂らすのみですが、そのまま両端を1回ずつ内側に巻き込むと、崩れにくくなり安定感が生まれます。
■4:エディター巻きを華やかにアレンジ
先ほどの「崩れないエディター巻き」のアレンジです。フリル部分を広げることで、動きのある華やかな雰囲気になります。
厚手のストールの巻き方
■1:一番簡単、防寒巻き
ウール生地なので、滑らずに巻くことができます。コートやジャケットの上に巻くと暖かいですね。
■2:エディター巻き
まずは布の端が見えず、柄や色が綺麗に出るように下準備から。
このひと手間を加えることで、首元はスッキリし、おろしたフリンジ部分は柄が綺麗に広がって「こなれ感」が生まれます。
■3:コートの開いた襟元もカバーできる巻き方
スーツやチェスターコートのようにV字に深く開いた襟元もカバーできる巻き方です。
■4:ミラノ巻き
胸元が華やかになるのみでなく、ストールがしっかりと固定されるので首元と胸元が暖かくなります。長さがあるストールならではの巻き方です。
■5:華やかケープ巻き
オーガンジーなど薄手で華やかな素材のストールを使えば、パーティードレスのアクセントにもなります。
■6:モードな2重巻き
コートの内側でも外側でもスッキリとさりげなく巻ける巻き方です。
春夏に活躍する薄手のストールの巻き方
■1:こなれ感・抜け感のあるエディター巻き
ただ巻いただけでは直線的すぎてつまらない…そんなときに、こなれ感漂うおしゃれな巻き方にするには準備が大切です。
ひと手間準備を加えるだけで、自然なこなれ感が生まれます。首元はふんわりとしながら、フリンジがスッと伸びてスマートな印象に。
■2:襟元にボリュームのある巻き方
襟元のボリュームが出て、より首回りが華やかで明るくなります。
■3:アレンジミラノ巻き
輪の部分がコサージュのようで華やかになります。
ストールの保管方法
季節によって使い分けるマフラーやストール。日頃の保管方法を伺いました。
マフラーや厚手のストール
クリーニングに出した後は、折り目をつきにくくするため、ポリ袋から出しハンガーにかけておきましょう。また引き出しにしまう場合も、そのまましまうと湿気が溜まってしまい生地が傷みやすくなってしまうため、必ずポリ袋から出してください。
薄手のストール
オールシーズン使える薄手のストールは、エディター巻きの事前準備と同じくフリンジが剣先のようになるよう細くまとめた後、中央からふたつに折り、折ったところからフリンジに向けてくるくると巻いておきましょう。折り目などの癖がつかず、色焼けもしにくくなります。
顔の印象を左右する首回り。骨格やパーソナルカラーに合わせて選んで
顔の近くに巻くマフラーやストールは、その人の印象を大きく左右します。だからこそ、自身にあった色や柄のものを選び、自身に合った巻き方をしたいところ。
日本橋三越本店の「パーソナルショッピングデスク」では、佐々木さんのようなコンシェルジュから、パーソナルカラーや骨格になどに合わせた一人ひとりに合う商品や着こなし方の提案を受けられます。
「レディスコーナーのパーソナルショッピングデスクでは、イメージアップコンサルティングやパーソナルカラー診断など、お買い物なさるお客様は無料(要予約)でご利用いただけるサービスがございます。また、骨格スタイル分析(有料・要予約)など、より専門性高く一人ひとりの個性を分析してお買い物をサポートするコースもございます。個人の特性を分析したうえでアドバイスいたしますので、お客様からも好評いただいております」(佐々木さん)
自分の顔に似合う色のアイテムを選んで、さらに体形がよく見える使い方を教えてもらえるので、いいお買い物ができそうですね。
洋服だと取り入れづらい鮮やかな色や柄にも挑戦でき、気軽にコーディネートを楽しめるファッションツールのストール、マフラー。同じ服でもまったく違った雰囲気にしてしまう優れものです。春の行事やハレの日に華を添える一枚を探してみませんか?
問い合わせ先
- 日本橋三越本店
- 営業時間/10:00~19:00
- ※本館・新館の地階から1階並びに免税カウンターは10:00~19:30
- ※新館9F・10Fレストランは11:00~22:00
TEL:03-3241-3311(大代表) - 住所/東京都中央区日本橋室町1-4-1
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 加藤良子
- EDIT :
- 廣瀬 翼(東京通信社)