春の紫外線や皮脂などでダメージを受けるのは、顔の肌だけではありません。頭皮は、顔よりもそれらの影響を直接受けやすい部分。だからこそ、普段からのお手入れが大切なのです。今回は、春の頭皮トラブルの原因や、ケア・予防法について、毛髪診断士の永本羚映子先生に聞きました!
春の頭皮トラブルとは?
春は暖かくなり、過ごしやすくなる季節ですが、気をつけたいのが紫外線。紫外線は肌の大敵ですが、それは頭皮でも同じです。紫外線や気温上昇による汗などで、頭皮にどのようなトラブルが起こるのでしょうか。
紫外線で毛母細胞の働きにダメージが
頭皮が紫外線を浴びてしまうと、髪をつくる素となる毛母細胞がうまく働かなくなってしまいます。そうすると、抜け毛や薄毛の原因となる可能性が。また、頭皮の毛根にダメージが加わると、白髪が発生しやすくなるともいわれています。
汗や皮脂がニオイの原因に
汗によって頭皮の炎症や菌の繁殖が起こることもあり、それが抜け毛の原因のひとつに。また、皮脂が細菌により分解されることで、頭皮からニオイを発してしまう恐れがあります。
春の頭皮トラブルを予防するケア
春の紫外線や汗・皮脂から頭皮を守るためには、どのようにしたらよいのでしょうか。日頃からできるトラブル予防法やケア法をご紹介します。
■予防ケア1:紫外線を防止
頭皮に紫外線を浴びないようにすることが大切です。外出時には、日傘や帽子を活用したり、髪用の紫外線防止スプレーなどで頭皮の紫外線予防を心がけてください。また、汗を抑えるには、首元を冷やすのがおすすめ。ネッククーラーやタオルなどを使うようにしましょう。
■予防ケア2: 頭皮のクレンジング
頭皮の毛穴や汗腺の汚れには、クレンジングがおすすめです。シャンプー時にマッサージを取り入れて、しっかりと頭皮をクレンジングしてください。頭皮をもみほぐすことで毛穴や汗腺から汚れを浮かび上がらせることができます。
■予防ケア3:汗を洗い流す
汗をかいたと感じたら、できるだけ早く適切な温度のお湯で洗い流しましょう。シャンプー剤を使いたいところですが、シャンプーは1日に何度も使うと逆効果。シャンプーは1日1回にしてください。
フケ・白髪・抜け毛…これらの髪のお悩みの原因も頭皮だった!?
フケやかゆみ、くせ毛、白髪など、髪の悩みはつきませんが、それらの原因の一端が頭皮にあることをご存知でしょうか。お悩み別の原因を知って、毎日の頭皮ケアに活かしてみましょう。
フケ・かゆみ・ニオイ
頭皮が濡れた状態だと雑菌が繁殖しやすくなり、頭皮のかゆみやフケの原因に。シャンプーなどで髪を洗ったあとは、しっかりタオルドライし、ドライヤーで乾かすようにしましょう。
白髪
白髪になる原因には、紫外線の影響が大。頭皮の中の毛根に紫外線ダメージが及んでしまうと、白髪が発生するといわれています。
抜け毛、薄毛
抜け毛や薄毛の原因にも、紫外線が影響しています。これは、髪をつくる素となる毛母細胞が紫外線によってうまく働からなってしまうからです。
頭皮を健やかにするシャンプー法
頭皮ケアを効果的に行うために、シャンプーは欠かせません。汚れを落としながら、同時に頭皮ケアもできるシャンプー法をご紹介します。
■シャンプー法1: ブラッシング
まずは、ブラシで軽くブラッシングします。そうすることで髪表面のほこりが取れ、頭皮の汚れを浮き上がらせてくれます。
■シャンプー法2:ぬるめのお湯で予洗い
シャンプーをつける前に、お湯で頭皮と髪をしっかりとすすぐ「予洗い」をしましょう。お湯の温度は38度前後がベスト。あまり熱いお湯で洗うと必要な皮脂が取れすぎてしまい、頭皮の乾燥を招く恐れもあるので注意してください。髪の表面だけではなく、内側と頭皮にも十分にお湯を行き渡らせると、少量のシャンプーでもしっかり泡立ちます。
■シャンプー法3:シャンプーで洗う
予洗いが終わったら、シャンプーで洗いましょう。シャンプー剤は、髪や頭皮に必要なうるおいは残し、不必要なものは取り除く保湿効果の高いものがおすすめです。シャンプーの量はさくらんぼ大を目安にし、指の腹で頭皮をもみほぐすように洗います。爪をたてて洗うと、頭皮が傷ついてしまうので注意。
■シャンプー法4:しっかりすすぐ
シャンプーが終わったら、しっかりすすぎます。シャンプーの2倍くらいの時間をかけ、泡が残らないようにすすいでください。とくに、生え際や襟足などは念入りにすすぎましょう。
■シャンプー法5: ヘアドライ
シャンプー後はタオルで十分に水気をふき取ります。その後、ドライヤーを使って短時間で乾かすようにしてください。このとき、ドライヤーを近づけすぎると頭皮と髪を傷めてしまうので、ある程度距離を離します。最後に冷風を髪全体にあてて、頭皮をクールダウン。髪のキューティクルも引き締めましょう。
顔のたるみやクマも頭皮に原因が!?
顔の皮膚と頭皮は基本的に構造は同じです。しかしながら、もっとも違う部分があります。それは皮脂腺や汗腺の多さです。その上、頭皮は髪の毛で覆われているので、ムレたりべたつきやすいという特徴があります。頭皮のトラブルを放置しておくと、血行不良や代謝不足を引き起こし、顔のたるみなどに影響が出てきます。
顔のたるみ
気になるフェイスラインのたるみ。その原因の一つとして考えられるのが頭皮トラブルです。顔の皮膚と頭皮は一枚でつながっています。頭皮が血行不良でカチカチになっていたり、代謝不足でたるんでいると、顔の皮膚もたるんでしまうのです。
目の下のクマ
頭皮のたるみは、フェイスラインにたるみをもたらすだけではありません。頭皮が血行不良となると、顔の血行も悪くなってしまうのです。その影響で、目の下のクマや肌のハリの低下などにも直結します。
頭皮マッサージ方法
日ごろの緊張やストレス、そして春には紫外線や皮脂などによっても、様々なダメージを受けている頭皮。頭皮は体の中でも筋肉が少ない場所なので、血液を循環させるポンプのような役割を果たしてくれません。
そのため、血流が滞りやすいので、毎日の頭皮マッサージをぜひ続けてみましょう。頭皮マッサージでやわらかくほぐしてあげると、血液の滞りが改善され、ダメージからの回復をサポートします。
■頭皮マッサージ法1:リラックス
まずは、マッサージの前にリラックス。1〜2回深呼吸しましょう。
■頭皮マッサージ法2:こめかみをほぐす
頭の両サイドをほぐしていきます。小指を左右のこめかみに、親指以外の4本の指で耳の上を強く押しながら、頭頂部に向かって円を描いてマッサージします。このとき、頭皮を動かすようにするとよいでしょう。
■頭皮マッサージ法3:頭のてっぺんをほぐす
頭のてっぺんをほぐしていきましょう。親指を左右のこめかみに置いて支えにし、そのほかの指で前髪の生え際から頭頂部へ移動させながら、もみほぐします。
■頭皮マッサージ法4:リフトアップする
リフトアップしていきます。両耳の前に親指を当て、そのほかの指を側頭部に置きます。その状態から親指を耳の頂点まで動かし、耳の頂点にある少し窪んだ部分をやや強めに押します。その後、指を押し当てたまま、斜め上に持ち上げるようにしましょう。これを2、3回繰り返します。
■頭皮マッサージ法5:後頭部をほぐす
うなじに親指を置き、そのほかの指で後頭部全体をつかみます。頭頂部まで指の腹を移動させながらマッサージします。終わったら首の後ろにある天柱(首の後ろの太い筋肉の外側にあるツボ)や風池(天柱の指1本外側にあるツボ)というツボを親指で刺激しましょう。
【頭皮マッサージのコツ】
マッサージは、オイルを使ったり、シャンプー時に行ってもよいでしょう。また、頭皮マッサージをするときは、心地よく感じる程度の圧で行うことです。急に無理して強く押すと逆効果となってしまいます。ゆっくりやさしくもみほぐすようにしてください。
\頭皮ケアはフェイスケアの延長上にあると心得て/
頭皮と顔の皮膚は1枚でつながっています。入念なフェイスケアも大切ですが、頭皮ケアも並行して行い、習慣化してください。頭皮ケアを習慣にすることで、いつでも輝かしいあなたでいられます。
ヘアケアとスカルプケア専門サロン「サロン・ド・リジュー」の頭皮ケアとは?
「サロン・ド・リジュー」では、さまざまな機器やケア用品、プロによる技術による施術が受けられます。頭皮の毛細血管を拡張、血流を活性化させ頭皮環境を整えてくる専用機器「バキューム・クレンジング・システム」での施術や、「高濃度人工炭酸泉」を使った頭皮浴、デトックス育毛ローションのイオン導入など、専門的な頭皮ケアが提供されています。
『頭皮で解決!髪のエイジング・トラブル』
30代以降に急増する、抜け毛や薄毛、白髪、うねり…原因は、多くの場合エイジングにあります。頭皮や頭髪も、肌・体と同じように加齢の影響を受けます。年齢に応じた肌の手入れをするのと同様に、頭皮・頭髪にもエイジング・ケアが必要なのです。
本書は「抜け毛がすごい」「白髪染めがすぐに落ちる」「髪のうねりや縮れがひどい」といった症状をはじめとした「頭皮・頭髪のエイジング・トラブル」に向き合った1冊です。エイジング・トラブルの多くの場合、頭皮ケアを見直すことで症状の改善・緩和が期待できます。頭皮ケアに欠かせないシャンプーとシャンプーマッサージの仕方を、わかりやすくイラスト入りで紹介しています。今すぐできる解決テクニックや産後のヘアケア方法も満載です。
『頭皮で解決!髪のエイジング・トラブル』(永本羚映子著・産業編集センター)
サロン・ド・リジュー
- TEXT :
- Precious.jp編集部