身近な発酵食品を取り入れ、腸内環境を整える「菌活」。なかでもヨーグルトは、フルーツやハチミツなどを入れれば、手軽な朝食やデザートになり、毎日食べても飽きないうれしい食品です。
しかし、保存方法を間違えると酸味が強くなってしまったり、ヨーグルトの表面に水分がたまってしまったり……なんてことも。
そこで今回は「明治ブルガリアヨーグルト」でおなじみの明治・広報部の中村祐子さんに、ヨーグルトの保存方法について伺いました。
ヨーグルトをおいしく保存する3つのポイント
■1:冷蔵庫のドアポケットには入れない
出し入れしやすく、つい使いたくなる冷蔵庫のドアポケット。しかし、ドアポケット開閉時の振動が、ヨーグルトの食感を変化させる原因になりえるそう。
「ヨーグルトは振動を与えると、カード(ヨーグルトの固まり)が収縮したり崩れたりして、中に含まれているホエー(乳清)とよばれる水分が出てきます。冷蔵庫のドアポケットにヨーグルトを入れると、ドアが開閉するたびに振動を与えることになり、食感が変化する可能性も。ドアポケット部分は避けて保存するのがおすすめです」(中村さん)
■2:蓋をしっかり閉じて保存する
大きなパックのヨーグルトでは、一度で食べ切れずに開封後、冷蔵庫で保存することもあるもの。このとき、蓋の締め方が甘いと、風味を損なう原因となるそう。
「ヨーグルトは他の乳製品と同様に、においを吸収しやすい性質があります。また、空気中の雑菌が入ると、風味の劣化やカビ発生の原因になります。開封後は蓋をしっかり締め、表示の期限に関係なく、なるべくお早めにお召し上がりください」(中村さん)
■3:10度以下で「冷蔵保存」
ヨーグルト保存の基本は、10度以下の「冷蔵保存」。ヨーグルトに含まれる生きた乳酸菌の活動が活発になり、発酵が進んで酸度が高まるのを防ぎます。
「ヨーグルトは25~40度の温度帯に長時間置かれると乳酸菌が活発に働き、酸味が強くなります。また、加熱し過ぎると分離がおこり、おいしさが損なわれてしまうので注意が必要です。10度以下であれば乳酸菌が休眠し、ほどよい発酵状態で保存できます」(中村さん)
ただし、温度が低すぎるのも要注意。
「ヨーグルトは一度凍結してしまうと解凍したときに組織が壊れ、元の状態には戻らなくなります。組織が壊れると乳と水分が分離し、解凍した際に水分が多量に出ます。
そうすると、ヨーグルト本来のなめらかさが失われ、食感が悪くなり、風味が損なわれるほか、液状になってしまう場合もあります。ヨーグルト本来の食感と風味を楽しむために、冷凍保存は避けてください」(中村さん)
一方で、凍ったまま楽しむフローズンヨーグルトは、新しいヨーグルトの楽しみ方としておすすめなのだそう。その際は、水切りしたヨーグルトを使うのがポイント。明治のサイトでもアレンジレシピとして紹介されているので、これからの夏に試してみては?
【まとめ/ヨーグルトをおいしく保存する3つのポイント】
1:冷蔵庫のドアポケットには入れない
2:蓋をしっかり閉じる
3:10度以下で冷蔵保存
分離してしまったホエーは食べられる?
どんなに気をつけていてもヨーグルトの表面に水分(ホエー)が出てきてしまう……そんなふうに分離したホエーは、どうしたらいいのでしょうか?
「ホエー自体は水溶性のタンパク質、ミネラル、ビタミンなど豊富な栄養分が含まれたヨーグルトの成分の一部なので、ぜひ捨てずに食べてください。一度分離したホエーを固まった状態のカードに戻すことはできませんが、スプーンなどでよく混ぜると均一でなめらかなヨーグルトになります」(中村さん)
最近ではそのまま食べるだけではなく、味噌汁へヨーグルトを混ぜるなどの料理への活用やほかの食材と組み合わせなど、幅広いアレンジも話題になっているそう。
例えば、明治ではヨーグルトをキャンバスに見立ててイラストを描く「ヨーグルトアート」なども提案しています。ヨーグルアートやヨーグルトを使ったレシピは『Design Your Yogurt』で紹介されています。
みなさんも、正しい保存方法でヨーグルト本来の風味を保ち、さまざまな食べ方でおいしいヨーグルトを楽しんでくださいね。
問い合わせ先
- 明治 お客様相談センター TEL:0120-598-369(9:00〜17:00 土日祝日、年末年始を除く)
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 田代祐子
- EDIT :
- 廣瀬 翼(東京通信社)