体にいい発酵食品を摂る「菌活」が注目される中、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンも一緒に摂れる味噌は、女性には特にうれしい食品です。しかし、保存方法や扱いを間違えてしまうと、おいしさのひとつである香りや、風味を損ねてしまいます。

そこで今回はマルコメの尾田春菜さんに、家庭でやりがちな味噌が劣化するNG行動について伺いました。正しい保存方法も合わせてご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね!

味噌が劣化してしまう3大NG行動

■1:常温保存するのはNG

あえて常温保存している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
あえて常温保存している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

大豆と塩と米麹などを使ってつくる味噌は、開封前であっても菌による発酵や酵素による熟成など、少しずつ変化しています。そのため、味噌の品質を一定に保つためには、購入後すぐに冷蔵か冷凍で保存するのがベター。味噌は冷凍庫に入れても凍らず、品質にも影響はありません。

コクのある味噌を好み、あえて常温で保存する人もいるそうですが、販売されている味噌は塩味や香り、風味などのバランスを考えてつくられています。変わらない品質のまま楽しむほうが、よりおいしくいただけます。ちなみに濃い色の味噌は、淡い色の味噌よりも熟成期間が長く、香りやコクが強いそうです。

■2:きちんと密閉せずに保存するのはNG

味噌は空気が大敵! 酸化すると品質が劣化します。
味噌は空気が大敵! 酸化すると品質が劣化します。

味噌に空気は大敵。味噌は空気に触れると酸化し、熟成が進んだかのように褐変しますが、酸化は熟成ではないため、旨みは増しません。品質が劣化し、香りや風味が減少します。

また、開封後に注意すべきは、容器の蓋と味噌の間にある空気。もし使用中の味噌の表面に黒い変色があれば、それが酸化した証拠です。

プラスチック容器で販売されている製品は、蓋をする前に味噌をラップで覆い保管しましょう。フワッと覆うのではなく、味噌にぴったりと貼り付けるのがポイントです。ビニール袋に入った製品は、袋を開けたら中の空気を抜くこと。味噌にぴったりと袋を密着させるようにして、口を輪ゴムで閉じてくださいね。

ちなみに、プラスチック容器に入った味噌の多くは、中にシートと脱酸素剤が入っています。この脱酸素剤はパッケージと蓋の間にある酸素を抜くためにあるもの。そのため、開封したら捨ててOK。さらに、味噌の上にあるシートは、酸化を防ぐものではありません。脱酸素剤が味噌の中に沈むのを防ぐためのものなので、こちらも開封後は破棄して構いません。

■3:濡れたお玉で直接すくうのはNG

料理中の行動が、味噌を腐らせてしまう?
料理中の行動が、味噌を腐らせてしまう?

味噌汁をつくるとき、仕上げのタイミングで味噌を加える方は要注意。このとき鍋をかき混ぜたお玉を、味噌の容器に入れるのはNGです。水分付着により、お玉に入れた部分の水分量が多くなり、腐りやすくなってしまいます。

少し面倒でも、乾いたスプーンなどですくってから、お玉に入れて溶きしましょう。

【まとめ/味噌が劣化する3大NG行動】
1:常温保存する
2:きちんと密閉せずに保存する
3:濡れたお玉で直接すくう

味噌は工夫次第でさまざまなアレンジができる食品です。正しい保存をしたおいしい味噌を使って、発酵食品を取り入れた食事を楽しんでくださいね。

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WRITING :
石水典子
EDIT :
高橋優海(東京通信社)