ミュシャの作品と彼が見た景色を求めて、チェコをめぐる旅の第3回。今回は、南部の旅の拠点にしたい都市・ブルノを歩きます。
洗練の街「ブルノ」では、美食と建築デザインを楽しむ
チェコ第2の都市「ブルノ」は、住んでみたくなる心地よさ!見所7選
プラハから電車で2時間半。南モラヴィア州の州都、ブルノはのんびりと滞在したくなる、洗練された居心地のいい街だ。有名な近代住宅建築がいくつもあり、プラハとはまた違った歩き方が楽しめる。街の規模も程よくて、たいがいの場所へは徒歩とトラムで移動できるようだ。
この地域がワインの産地としても有名なせいか、最近では美食の街としても注目されている。おしゃれなカフェやレストランがあるのもうれしい。また、チェコ人のお茶好きは有名で、常備薬として薬草茶に親しみ、市場ではハーブの種類が多く、オーガニックへの関心の高さもうかがえる。豊かな暮らしが垣間見られる街は、大人の旅先にふさわしい。
■1:少年時代のミュシャが聖歌隊で活躍した大聖堂「ペトロフ」
街のシンボルとして、どこからでも見えるネオ・ゴシックの尖塔。「ペトロフ」の愛称で親しまれる「聖ペテロパウロ大聖堂」は、ミュシャが少年聖歌隊員として活躍し、作曲家ヤナーチェクが指揮をとっていたという、偉大な才能を引き寄せたパワースポットでもある。
■2:体にいい食事が手軽にとれるおしゃれな店「エルスナー」
キャベツ市場の広場に面したおしゃれなビストロカフェ&ベーカリー。オーナーのシモーナさんは、ビオやオーガニックという言葉にとらわれず、体に優しいコンフォートフードを提案するブルノの食の仕掛け人のひとり。モチモチのパンが美味しい!
■3:食のプロも通う青果と花のマーケット「キャベツ市場」
ペトロフから歩いてすぐ、ブルノの街が誕生した13世紀から続く広場で、毎日開かれている青果市場。伝統的な野菜が手に入り、農家から直接新鮮な季節野菜が届くので、プロの料理人も通う。薬草茶を飲む習慣があるため、ハーブの種類が多く、いい香りが漂う。
■4:洗練された都市の証?近代の有名住宅建築の宝庫「ヴィラ」
繊維業で財を成す富裕層が多かったブルノには、近代住宅建築の傑作が多い。4つのヴィラが見学可能で、ミース・ファン・デル・ローエが設計した「トゥーゲントハット邸」は世界遺産に登録されている。
■5:機能主義スタイルのカフェで美味しいコーヒーを「エラ」
「喫茶店の真珠」と呼ばれた機能主義スタイルの「エラ」。チェコの建築家ヨーゼフ・クランツがこのカフェを造ったのは、近くでちょうど「トゥーゲントハット邸」が建築中の1929年。ミース・ファン・デル・ローエもこの店でコーヒーを飲んでいたかもしれない…。
■6:モラヴィアワイン×フードのペアリングが楽しい! 「アトリエ」
ワインと美食の街ブルノだからこそ試したいのが、フードペアリング。地元モラヴィアワインとチェコの食材を使った料理のペアリングが気軽に楽しめる店。女性が入りやすいカジュアルな雰囲気がうれしい。フランスとベルギーで修業したシェフの料理も繊細。
■7:ここにも寄り道! オペラとバレエの殿堂「ヤナーチェク劇場」
ブルノ出身のチェコ国民楽派の作曲家、ヤナーチェクの名を冠した国立劇場は、オペラやバレエのために設計された劇場。街の規模が程よいブルノは、中心地のホテルから歩ける距離にいい劇場が豊富にあるので、ぜひ足を運びたい。
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チェコの旅シリーズ
- 1:名画が生まれた街をたどる!「ミュシャ」をめぐるチェコの旅【プロローグ】
- 2:名画が生まれた街をたどる!「ミュシャ」をめぐるチェコの旅【プラハ編】
- 4:名画が生まれた街をたどる!「ミュシャ」をめぐるチェコの旅【南モラヴィア州編】
- PHOTO :
- 篠 あゆみ
- COOPERATION :
- チェコ政府観光局
- EDIT&WRITING :
- 藤田由美、古里典子(Precious)