伝統の製法で丁寧に作られるそうめんは、本物の味を知る方なら違いがわかるもの。贈り物として高級そうめんを選ぶときに知っておきたい、選び方や喜ばれるポイントについてまとめてみました。
また、日本三大そうめんと言われる「三輪そうめん」、「播州そうめん」、「小豆島そうめん」、それぞれの贈答用高級ギフトのおすすめをご紹介。さらに、高級そうめんとあわせて贈りたい、高級つゆも厳選しました。
■高級そうめん(素麺)をギフトに贈るなら知っておこう!日本三大そうめんとは?
夏の風物詩でもあり、季節を問わず愛されるそうめん。絹糸のように細いそうめんを作るためには熟練の技が必要で、名品と呼ばれる手延そうめんは、機械で作ったものにはない張りやコシがあります。
そんな高級そうめんとして知られるのが、日本三大そうめんと呼ばれる、「三輪そうめん」、「播州そうめん」、「小豆島そうめん」です。
手延そうめん発祥の地、天皇家へ献上もされた「三輪そうめん」
奈良県桜井市を中心とした三輪地方で作られているのが、「三輪そうめん」。手延そうめん発祥の地として知られ、天皇家へ献上していた歴史もあります。
産地
1200年以上前、日本最古の神社と言われる三輪山の大神神社で飢饉と疫病に苦しむ民の救済を祈願し、この地に小麦を撒いてそれを粉にして作ったのが、そうめんの起源と伝えられています。それ以来、三輪そうめんは伊勢参りの途中で訪れた人々に親しまれました。また、江戸時代の「日本山海名物図鑑」にも、「三輪そうめんは日本一」という記述があり、古くからその確かな味が知られています。
製法
三輪の手延そうめんは、農林水産省が定める「手延べそうめん」の品質基準よりも、さらに厳格な自主基準を定め、工程すべてに人の手を加える伝統製法を守っています。さらに、完成したそうめんをすぐに出荷せず、木箱に入れて貯蔵するのが、三輪そうめんの特徴のひとつ。梅雨の季節を越すことで、高温多湿の環境で小麦に含まれるグルテンが変性し、コシと歯切れの良さが増します。
特徴
厳選された小麦粉と、三輪の清水、塩で作られる三輪そうめんは、口あたりはなめらかなのにコシが強く、茹でたあとも伸びにくいのが特徴。三輪そうめんには等級が設けられ、最高等級品の「神杉」、極細専用の小麦粉を使用した「緒環(おだまき)」、熟成させた「瑞垣(みずがき)」、生産される三輪そうめんの約9割を占める「誉(ほまれ)」があります。どれも品質保証の証として、「三輪素麺」と書かれた、鳥居印の帯紙で結束されています。
揖保乃糸で有名、600年の技が光る「播州そうめん」
兵庫県の姫路市から赤穂市一帯のエリアで作られる「播州そうめん」は、「揖保乃糸」を代表とするそうめんの名産地です。江戸時代頃に、播州地域でそうめん作りが盛んになった、と言われています。
産地
1400年代の文書に「そうめん」の記述が残るなど、播州地区でのそうめん作りは古くから始まり、江戸時代頃には本格的に生産されていたと見られています。伝統的な「揖保乃糸」は、1800年代初め頃から作られていたそうです。
製法
播州そうめんは、播州地方で600年前から続く、伝統的な製法が用いられています。麺を切れることなく細く引き伸ばすために、「ねかし」と呼ばれる熟成の期間と、「延ばし」の工程を数回に渡って繰り返していきます。播州そうめんの代表格「揖保乃糸」は、10月から4月までの限られた季節にのみ、作られています。
特徴
播州そうめんを三大そうめんにまで押し上げた「揖保乃糸」を電子顕微鏡で観察してみると、小麦粉のでんぷんが粒状となり、グルテンが縄状に伸びていることがわかります。これは、「ねかし」と「延ばし」を繰り返し行うことで得られる、揖保乃糸の特徴。茹でてものびにくく、滑らかな食感がありながら、歯切れがよい美味しさを生み出しているのです。 生産されてからすぐに出荷される「新(しん)」もありますが、倉庫で1年間熟成させた「ひね」は、コシが強く舌触りもよくなり、さらに美味しさが増しています。
瀬戸内海の小さな島で作られる「小豆島そうめん」
瀬戸内海に浮かぶ小さな島、小豆島も、そうめんが名産品として知られる地です。島の特産品であるごま油を練りこんだ、味わい深いそうめんが作られています。
産地
400年ほど前、ある島民が三輪でそうめんの製造技術を学び、小豆島に持ち帰ったのが、小豆島そうめんの始まりと言われています。小豆島の気候は小麦の栽培に適しており、さらにそうめん作りに必要となるごま油や塩なども豊富にとれることから、そうめん作りが広まり、日本三大そうめんの産地となりました。
製法
小豆島の手延そうめんは、手延そうめんで通常使われる菜種油ではなく、100%純正の天然ごま油を使うことが特徴です。そのため、やや黄色がかかった色のそうめんとして仕上がります。また島の特産品であるオリーブから作られたオリーブ油を使った、そうめん作りを行う生産者もいます。瀬戸内海の寒い風が吹く中、天日干しして作られ、旨味が生まれていきます。
特徴
小豆島そうめんは、天日干しによって生まれた強いコシと、なめらなのど越しが特徴です。小豆島そうめんの中でも、小豆島手延そうめん共同組合が作る「島の光」は特に有名。黒帯で束ねられ木箱に入れられた、高級品として知られています。
まだまだある!高級そうめんの産地
日本三大そうめんのほかにも、全国各地にたくさんのそうめんの産地があります。
国内生産高が上位となる「島原そうめん」、ひやむぎほどの太い麺でモチモチとした食感がある「半田そうめん」、細い麺を丸髷(まるまげ)状に丸めて乾燥させた「大門そうめん」なども有名ですね。
手延べ式や機械式などの違いや、食用油の使用の有無など、製法によって仕上がりの風味も異なります。
■違いの分かる方にこそ贈りたいギフト「高級そうめん(素麺)」の選び方と喜ばれるポイントは?
選りすぐりの高級そうめんをギフトとして贈りたいとき、どんなところに注意して商品を選べばよいのでしょうか? 贈った相手に喜ばれるポイントも、あわせて考えてみましょう。
選び方:その1「そうめんの細さと等級」
一般的に、そうめんは細いものほど高級品とされ、のど越しが良くなります。そうめんのブランドごとに「特級」、「上級」などの等級がありますので、贈り物なら最高級ランクのものを選ぶようにしましょう。
等級が明記された「帯紙」が喜ばれるポイント
糸のように極細に仕上げられたそうめんは、ゆでたときも芸術品のような美しさがあります。また「等級」は帯紙などに明記されているため、贈り手はそれを見て、どんなランクのものか確認できます。
選び方:その2「熟成の有無」
手延そうめんでは、作られたあとすぐに出荷されたものを「新物」、熟成させてから出荷したものを「古物(ひねもの)」や「大古物(おおひねもの)」などと呼ばれます。熟成させたものの方が、コシが強くなり旨味も増しますから、贈答品ならば新物より古物を選ぶようにしましょう。
新物より「古物」を選ぶと喜ばれる
古物なら、そうめんの美味しさをひときわ楽しむことができ、より通好みとなります。また、新物より価格も高級となるため、さらに喜ばれることでしょう。
選び方:その3「パッケージや容器」
高級なそうめんは、袋入りではなく、化粧箱や木箱入りの方が断然、見た目も良いもの。高級感がアップして、贈答品としての気品が漂います。
喜ばれるポイントは洗練された「木箱」
木箱でそうめんを贈られたら、誰でも心が躍るもの。味はもちろんのこと、受け取った瞬間から贈り手が喜び、感激することは間違いないでしょう。
■一番歴史があるから、一番美味しい⁉三輪そうめん(素麺)の贈答用高級ギフトのおすすめ
そうめん発祥の地、奈良県三輪地方の名産品である「三輪そうめん」。「三輪そうめん」の鳥居帯がついているのは、独自の検査基準に合格した製品のみにつけられる、確かなクオリティの証です。
「三輪素麺 蔵熟二年物 BD-500」(よし井)(価格 ¥50,000)
てまひまかけて作られたそうめんを、蔵の中でじっくりと熟成させた品。麺のコシと、熟成したからこそ生まれる味わいを楽しめます。結婚祝いや出産祝い、お歳暮やお中元などの贈り物にも最適で、のしやラッピングのサービスもあります。
「池利三輪素麺 蔵囲涸品 蔵-30」(池利)(価格 ¥30,000)
熟練の素麺師が一筋一筋丁寧に手延べしたそうめんを、専用熟成子でじっくり寝かせました。熟成によって一層歯ごたえやコシが加わり、旨味が増しています。茹でたあともつやつやと輝く様は、芸術品のようです。
「手延べ三輪の白髭 細麺(KB-30S)」(三輪素麺)(価格 ¥30,000)
12月から2月の最も寒い季節に、2日間かけてそうめんを0.5mm~0.8mmの細さまで細く仕上げ、さらにじっくり熟成させながら伸ばした素麺です。1年以上蔵で熟成させてあります。金色の帯がさらに、高級感も感じさせてくれます。
「三輪の寿紙巻 古物 【高級極寒三輪そうめん/超極細麺】」(三輪そうめん松田)(価格 ¥25,000)
熟成が進み、それによってコシが生まれるのが、そうめんの特徴。この「古物(ひねもの)」は、茹で伸びしにくく、おいしいと評判のそうめんです。高級とされる超極細の麺も、高い技術を有した製造者が作っている証です。
「三輪そうめん 最高級 手延 神杉[神垣]」(三輪素麺工業協同組合)(価格 ¥15,907)
極細の無添加の手延そうめん「神垣」を楽しめます。三輪そうめんで有名な桜井市三輪地域の中でも、特に良い水とそうめん作りに最適な環境のある地区で、作られた最高級のそうめんです。より細く、より美味に、白い糸1本1本が、丹精こめられて作られています。
■揖保乃糸でお馴染み!播州そうめん(素麺)の贈答用高級ギフトのおすすめ
日本を代表するそうめんのメーカーとして知られる「揖保乃糸」でお馴染みなのが、播州そうめんです。誰もが認める味わいは、贈り物としてもやっぱり最適です。
揖保乃糸「上級品素麺(MD-50)」(揖保乃糸)(価格 ¥50,000)
伝統的な製法で作られる、上質のそうめん。 揖保乃糸の中でも、特に人気の商品です。木箱に入っており、贈り物としても喜ばれる逸品です。
揖保乃糸「揖保乃糸 特級品」(兵庫県手延素麺協同組合)(価格 ¥30,000)
上質の小麦を原料に厳選し、選抜された熟練の生産者だけが作った、高級なそうめんです。のしやラッピングをつけて、贈答用として利用できます。
「播州の糸 播州そうめん(木箱入)」(価格 ¥50,000)
絹の糸のように繊細に細く仕上げられたそうめんは、高級な贈り物に最適な品。高級感漂う木箱入りで、木箱にのしをつけることもできるため、フォーマルな贈り物としてもふさわしい品です。
「播州そうめん」(価格 ¥5,000)
日本三大そうめんの地である播州で、丁寧に作られたそうめんは、結婚祝いや出産内祝いのほか、法事や香典返しなど、さまざまな贈り物に利用されています。
■お取り寄せする価値あり!小豆島そうめん(素麺)の贈答用高級ギフトのおすすめ
瀬戸内海に浮かぶ小島、小豆島はそうめんの産地として知られる場所。独特の風味と歯ごたえ、コシは、長い間伝えられてきた技術があってこそ。贈答品にふさわしい商品をご紹介します。
「小豆島手延べ素麺 島の光18kg」(小豆島手延素麺協同組合)(価格 ¥13,889)
厳選した小麦と、瀬戸内海でとれた塩に、かどや製油のごま油を100%使用。400年におよぶ伝統の技による、味わいを楽しめます。
「小豆島手延素麺 オリーブそうめん」(ナガセ)(価格 ¥13,704)
小豆島の特産品であるオリーブの果実をふんだんに練りこみ、表面もオリーブオイルで仕上げた、手延そうめんです。美容や健康にも良いと、TV番組で紹介され、ひときわ人気となった商品です。
「手延べ小豆島そうめん」(川崎製麺所)(価格 ¥8,000)
職人が丹念に作り上げた手延そうめんは、コシもツヤも違います。職人の技が凝縮された、小豆島そうめんを堪能できます。
■高級そうめん(素麺)と一緒に贈りたい高級つゆの贈答用高級ギフトのおすすめ
最高級のそうめんは上質のつゆと一緒に味わうと、さらに深く奥行きのある味わいが楽しめるもの。高級そうめんの贈り物には、品質にこだわったつゆを選んで、あわせて贈ってみてはいかがでしょうか?
「 美酒佳肴わりしたセット」(門井商店)(価格 ¥7,500)
調味料開発を専門とする門井商店がこだわりぬいた、調味料。実名評価本「東京最高のレストラン」編集長や料理家が監修した、本物もうなる味わいです。完熟、淡口、白濃の3本がセットになっています。
「だし醤油」(玉鈴醤油)(価格 ¥4,898)
最高級品の本醸造醤油をベースに、本枯鰹節、鯖節、さらに昆布だしを加え、旨味も風味も豊かな醤油に仕上がりました。非遺伝子組み換えの大豆や小麦を使用しており、安心、安全にもこだわられています。季節の具材を乗せたぶっかけそうめんに、一回しかけるのがおすすめです。
「つゆ正田流」(正田醤油)(価格 ¥4,000)
丸大豆醤油のみを使ったかえしに、高級本がつお、さば、こんぶを贅沢に加えた、香り豊かな高級つゆ。だしの風味がそうめんの味わいを引き立てます。化学調味料は無添加。
高級そうめんでセンスの光るギフトを
今回は、「日本三大そうめん」や高級そうめんの選び方、三輪そうめん・播州そうめん・小豆島そうめんのおすすめと、高級つゆの贈答用高級ギフトを厳選しました。
子どもから年配の方まで多くの方に親しまれているそうめんですが、せっかくのギフトなら名産品と呼ばれる最高級の品を選んでみませんか。美味しいものに目がない方や、本物の味わいを知っている方なら、きっとその違いを認めるはずです。
日本三大そうめんの高級ギフトを、ぜひ贈り物として検討してみてはいかがでしょうか?
※掲載した商品の価格はすべて税抜です。
- TEXT :
- Precious.jp編集部