3月23日からイギリス全土で続くロックダウン。約1か月もの間、外出の自粛が続いていくなかで、以前の日常生活では欲しくて仕方なかった「フリータイム」をもて余す事態に。

そんな「おうち時間を過ごす」先輩でもあるロンドン在住のエディターAsukaさんに、自宅時間のおすすめの過ごし方を教わりました。

ロックダウン中のロンドンで実感!家族と過ごす「おうち時間」7選

「Self –isolationと、self-quarantineの違いは?」

外出自粛令が出はじめたころ、イギリスではこんな見出しの記事をよく目にしました。しかし日が経つにつれ、そんなことはどちらでもいいという気持ちに。それほどに、以前の日常生活では欲しくて仕方なかった「フリータイム」を、今度はもて余すようになりました。

「せっかくの有り余る時間を有意義に使いたい!」という気持ちと、「こんなに時間があるんだから、普段は絶対できないぐらいグータラしたい」という気持ちが体中をぐるぐる駆け巡り、たどり着いた結論は「どっちもやったらいい」ということでした。

グータラする方法は、人間みんな本能的に知っているはずなので(笑)、有意義かどうかはともかく「せっかくだからやってみた」数々の試みを、家族や友人たちのエピソードも交えて、共有させてもらえたらと思います。

※Self-isolated…既に症状のある人または該当者と同居している人が自主的に隔離されること。Self-qurantine…感染病に接触した人が発症するかどうかを経過観察するために、自主的に行動を制限し隔離されること。2点の注の出典は、以下サイトになります。

■1:オンラインで習いごとをしてみる

娘はバレエとアートを、息子はチェロを習っているのですが、外出自粛令が出た直後から、すべてがオンラインのレッスンに切り替わりました(ロンドナーのこの切り替えのスピード感にはいつも驚かされます)。

ツールは、今や知る人も多くなったzoomやskypeといったアプリで、インストールするだけでOKなのでとてもラクチン。メールで送られてきた楽譜をプリントアウトしておくなどの事前準備はありますが、ほかの参加者の様子も見えるし、先生からの檄もしっかり飛んできます。

友人親子はcookingのweeklyレッスンを取っていて、お子さんは熱心にメモを取りながら楽しまれているようです。オンラインでも質疑応答の時間がしっかり設けられるなど、受講サイドのストレスがないように、いろいろ工夫されています。

子供だけでなく、大人用のアートや語学などさまざまなコースがこのタイミングでオンラインでの無料レッスンを設けるようになったので、「気になっていたことを始めるなら今だなあ」と思いつつ、がんばる子供たちを横目にグータラしてしまう私なのでした。

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手元用と指導用の二台使いで。
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親子レッスンも一緒にいる時間が長い今ならでは。

■2:夫婦や家族でフィットネスを日課に

とにかく運動不足が心配になる自粛生活。自分だけでやろうとすると三日坊主になりがちな運動も、パートナーという名の道連れがいると、思いのほか続けられるものです。

我が家では、毎朝9時から休校中の子供に向けて配信される、youtubeのエクササイズ動画を見ながら、家族全員で運動するようになりました。誰かが「エクササイズの時間だよ!」と声をあげてくれるだけで、やらざるを得なくなるところがポイントです(笑)。

ひとりでストイックに鍛える時間も捨てがたいですが、みんなで「足、もっとあげないと!」とか「あと5秒だ、がんばれー!」とか言いながら楽しく体を動かせるので、メンタルヘルスにもいい効果があるような気がしています。

仕事の合間をぬって、時間がずらせるのもyoutubeのいいところ。

■3:いつもは作らないお菓子や料理に挑戦してみる

友人とLINEやWhatsappでやり取りしていて「毎日何してる?」と聞くと、国籍問わずみな口をそろえて「とにかく料理してばっかり」と言います。毎日3食家族の分のご飯を用意するだけで一日が終わる、という人も少なくありません。

ランチを食べながら「今日の夕飯は何?」とか聞かれると、思わず白目になってしまいますよね…。

そんななか、おやつなんてつくる余裕はない!という声が聞こえてきそうですが、我が家ではたまにランチの手を抜けるだけ抜いて、代わりに豪華おやつをつくったりしています。ランチはオーブンに入れるだけのピザやレトルトソース+パスタでおしまい。時にはデリバリーで済ませることも。

その分少し手間のかかる、挑戦してみたかったけど時間がなくて、あたためていたスイーツレシピに挑戦してみたら、おやつタイムが盛り上がること! おやつのほかにも、みんなでつくれるひと手間料理もおすすめです。例えば、皮からつくる餃子や、たこ焼き、クレープなど。

おいしいうえにチームとしての達成感も味わえて、つくる過程から食卓を囲むまで、楽しいひとときになること間違いなしです。

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見た目も華やかなものにするとワクワク感が増します。

■4:散歩のときは季節を感じるゲームを

イギリスでは自粛生活中も、一日一回のエクササイズと日常必需品の買い物は、外出が許されています(必要な治療に通う場合など、ほかにも特例はあります)。

なので天気のいい日は、窓の外には散歩する人たちを、ひっきりなしに見かけることができます。公園も散歩のためには開放されているので(子供用の遊具施設は閉まっていますが)、social distanceを保ちつつも、思ったよりたくさん人がいたりします。

幸い、今はちょうど新緑や春の芽が出てくる季節の変わり目なので、我が家ではちょっとしたゲームをつくり、散歩の楽しみを見つけています。

例えば「このつぼみは何色の花が咲くか」をそれぞれ予想し、散歩のたびにチェックして、見事当たった人は賞品ゲット、といった具合です。

お庭がある人は、お庭のお花で手軽に楽しめますね。変わりばえのしない毎日になりがちなので、季節の移り変わりを感じることで、生活に彩りをプラスしてみてはいかがでしょうか?

カラフルなチューリップは色当て向き。
カラフルなチューリップは色当て向き。

■5:読書タイムをつくる

これはグータラ案のひとつになってしまうかもしれませんが、みんなで一斉に本を読む時間をつくってみるのも手です。30分でも1時間でも、読んでさえいれば何でもOKにして、静かに集中する時間を設けることで、生活にメリハリが出ます。

夫婦だったら、お互いのおすすめ本を読みあうのもいいですし、子供には絵本でも漫画でも「集中できる」ものにすると成功率が高め。かなり贅沢な時間の使い方ですが、今だからこそできることだと思います。

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お子さんが小学生なら、じっくり読める子供新聞もおすすめ。

■6:家の中の景色を変えてみる

ある友人はDIYが趣味で、週末のたびに少しづつ家の中を改装していたのですが、この長期の家時間に、待ってましたとばかりに作業を進めているそうです。

壁をペンキで塗り替えたり壁紙を変えたり、さらには本棚など家具にデコレーションを施したりなど、目に映る世界に変化をつけることで、この生活を楽しんでいます。

私はそこまで大がかりなことはできませんが、額をたくさん購入して子供たちの絵を飾ってみました。それだけで、少し新鮮な気持ちになるから不思議ですね。

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絵の色味をガラリと変えると模様替えに効果的です。

■7:昼はクラスチャットに、夜はママ会に、アプリが大活躍!

 zoomはすでに世界中で広く使われていますが、最近子供たちの間で流行っているのがHouse Partyというアプリです。基本的にはzoomと同じくチャットアプリなのですが、参加者みんなで楽しめるゲーム機能が、場を盛り上げてくれます。

クイズが次々に出てきたり、何を書いたか当てるゲームなどがあり、息子はクラスメイトと話すときは、よくこのアプリで遊んでいます。子供だけでなく大人同士でも、初対面の人がいる時などは特に、場を和ませるのにひと役買ってくれそうですね。

私も子供たちが寝静まったあとは、よくzoom飲み会をして楽しんでいます。

イギリス国内だけでなく、なかなか会えないドイツの友人や、もちろん日本の友人とも気軽に会えて、国境なんてなんのその、むしろなぜ今までやらなかったんだろう…と思うくらいの快適さです。これからのスタンダードになっていく予感がしますね。

なかなか会えない友人とも、アプリを活用すれば気軽に会える。

今しか味わえない家族とのまさに「3密」な時間。せっかくなのでより親しく、より楽しく過ごせるよう色々と工夫は必要ですね。とはいえ喉から手が出るほど欲しい「ひとりの時間」。家庭内でこそSelf-quarantineをしたいなあ、などと思ってしまう私なのでありました。

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この記事の執筆者
ブライダル誌の編集部を経て、2012年フリーランスへ転向。ブライダル・育児系の記事をメインに活動し、2017年からロンドン在住。息子と娘の学校生活を通し価値観の革命に襲われる毎日。