最近では、男女問わず起業する人が増え、女性経営者として活躍されている方も多いのではないでしょうか? 会社経営をしていると、付き合う取引先によって損害を被る可能性もあります。

早期から、付き合ってはいけない取引先であることに気付くことができれば、大きな損をするリスクは減るはず。

そこで今回は、詐欺などの捜査を行っていた経験を持つ元刑事で、現在は一般社団法人日本刑事技術協会の代表理事という立場から「ウソや人間心理の見抜き方」を主なテーマとし、経営者やビジネスマン向けに講演などを行っている森 透匡さんに、女性経営者に向けて、「付き合ってはいけない取引先の見抜き方」を教えていただきました。

森 透匡さん
一般社団法人日本刑事技術協会 代表理事(経営者の「人の悩み」解決コンサルタント)
(もり ゆきまさ)警察の元警部。詐欺、横領、贈収賄事件等を扱う知能・経済犯担当の刑事を約20年経験。 東日本大震災を契機に独立し、刑事が職務上体得したスキル、知識を用いてビジネスの発展と社会生活の向上に寄与することを目的とし、一般社団法人日本刑事技術協会を設立。現在は代表理事として「ウソや人間心理の見抜き方」を主なテーマに大手企業、経営者団体など毎年全国180か所以上で講演・企業研修を行い、これまで7万人以上が聴講。TBS、日本テレビ、読売新聞、日経新聞などメディアへの出演、掲載も多数。著書に「元刑事が教えるウソと心理の見抜き方(明日香出版社)」がある。ホームページ

付き合ってはいけない取引先を見抜くポイント4つ

■ポイント1:些細な「違和感」を見逃さない。3つで「関係解消」と決める

違和感アンテナが3本立ったらNG ※画像はイメージです
違和感アンテナが3本立ったらNG ※画像はイメージです

「ビジネスでは、信頼できる人と楽しく仕事ができることが一番です。結局は、相手の会社がどうというよりは、誰と仕事をするか、つまり『人』の問題なのです。

特に経営者は、ビジネスに関わる人を見極めてビジネスを発展させていくことが必要です。

では、人として信用できるかどうかを見極めるには、どうすればいいか。それは、『普段の何気ない態度、会話』に注目することです。そしてその中で、自分が感じる『違和感』を大事にすることです。

例えば『時間にルーズ』『お金にルーズ』『他人の悪口、批判が多い』『発言から常にネガティブ思考が感じられる』『失敗について謝罪しない』『逆切れする』『服装が乱れている』など。

女性は特に直感が鋭いので、違和感を感じる場面も多いと思いますが、残念ながらしばらくすると、その違和感を忘れてしまいがちです。ですから、メモするなどして、しっかりと覚えておくのをおすすめします。

違和感のアンテナが1本立ったら『注意』、2本立ったら『要注意』、3本立ったら『関係解消』で良いと思います。つまり『この人は"アンテナ2本の人"だから要注意』というように覚えておくわけです。

違和感は、ほんの些細なことでも数に含めましょう。そもそも小さいことができない人に、大きなことはできません。

大きな問題になったときに逃げる人なのか、他人のせいにする人なのか、あるいは自分が矢面に立って解決していく人なのか、普段のちょっとした行動、会話の中に必ずヒントがあります。

ですからむしろ些細なこと、小さいことに注目して人を見極めてください」

■ポイント2:「詐欺師」の兆候があれば注意する

話し上手は疑うべき? ※画像はイメージです
話し上手は疑うべき? ※画像はイメージです

「ビジネスで損害を被るケースはさまざまですが、意図的にだます、つまり詐欺師であることもあります。経営者ともなれば、取引先が詐欺かどうかを見極めたいものです。

私は刑事時代、実にさまざまな詐欺師を取り調べした経験から、詐欺師には『詐欺師特有の特徴』があることを知りました。ビジネスにおいても、この特徴を持つ人物には注意するように呼び掛けています。

詐欺師特有の特徴とは、『饒舌(じょうぜつ)』『話が上手いなどコミュニケーション能力が高い』『"絶対"、"必ず"ばかり言う』『何かあると逆切れする』『期限を突きつけ、結論を急かす』などがあります。

基本的に話上手は詐欺師の兆候があります。また『絶対にもうかります』など断言するのもあやしいですね。

その他、逆切れしやすく、答えを急かすなどの強引な行動も特徴です。これらの兆候が見られたら、早々に離れたほうがいいでしょう」

■ポイント3:情報交換をして周辺の情報を知っておく

「女性は特に、我が身を守るためにも、人に関する情報収集は欠かさないようにするのをおすすめします。

信頼のおける同業の経営者やビジネス関係者と、常に情報交換をして、業界で流行っている詐欺の手口や、注意すべき人物の情報を共有しておきましょう。

日頃から情報収集をして知識を増やしておくことが、だまされないコツです」

■ポイント4:直感力を鍛える

直感を研ぎ澄まして ※画像はイメージです
直感を研ぎ澄まして ※画像はイメージです

「はじめに違和感のお話をしましたが、結局、ビジネスパートナーとして組むかどうかは、自分の直感を信じるということに尽きます。

その直感を鋭くするためには、たくさんの方と会って話をして『信用できる人なのか』を見抜く直感力を磨くこと以外ないかもしれないと感じています。

人の直感は当たるものです。少しでも信用できないと思ったら、直感を信じたほうが安全だと思います」

今回は女性経営者に向けて、付き合ってはいけない取引先の見分け方を教えていただきました。

情報交換は常に絶やさず、日頃から付き合う相手、そして新しく出会う相手をしっかりと見極めて、信頼のおける人とだけ付き合うようにしたいものです。

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この記事の執筆者
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WRITING :
石原亜香利
EDIT :
安念美和子
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