梅雨といえば、気になるの「カビ」。 真っ先に思い出すのが、浴室のカビではないでしょうか?
リンナイが全国20~60代の男女計1,000名を対象に2020年4月に実施した「カビ」に関する意識調査の結果、約8割がカビに悩んでおり、「最もカビが気になる季節は、梅雨の時期」と答えた人が約7割にも上りました。
さらにカビに悩む人が、特に気にしている場所について聞くと、カビに1番悩む場所は「浴室内」に。次いで「エアコン」「窓の周辺」という結果になりました。
カビ専門家として知られる、千葉大学真菌医学研究センター准教授の矢口貴志先生は、「カビは温度20~30℃、湿度60%以上で発生しやすくなり、75~90%で最も増殖しやすくなります。梅雨時期はちょうどこの条件と一致します」とコメント。梅雨の今は、まさに家の中はカビが生えやすい状態です。
そこで本シリーズでは、家の中の各場所や家電のカビ掃除のヒントを、全5回でご紹介。効率よくお掃除できるようにポイントを絞って、プロのお掃除術と共に見ていきましょう。
今回は、浴室のカビが生えやすい場所と掃除方法をご紹介します。
浴室で特にカビが生えやすい場所はこの3か所!
浴室の中でも、カビはどんなところに生えやすいのでしょう? 矢口先生にうかがいました。
■1:壁、床、パッキン
「浴室内は、壁、床、パッキンにゴミ、汚れが溜まりやすく、湿度が高いため、カビが発生しやすいです。専用の洗剤を使用して洗浄しましょう。特にパッキンは、固いブラシなどではこすらないようにしてください。パッキンを傷つけ、細かい傷には、よりカビが侵入しやすくなります」
■2:天井
「湿度が高いため、浴室の天井もカビが発生しやすいです。天井のシミの多くはカビです。このシミを取り除かないと、床や壁をいくらきれいに掃除しても、すぐにカビが生えてしまいます。モップの先に雑巾を付け、カビ取り剤をしみこませて拭き取り、水洗いをしましょう」
■3:排水溝
「排水溝もゴミ、汚れが溜まり、排水がたまるため、カビが発生しやすいです。専用の洗剤を使用して洗浄しましょう」
浴室はどうしてもカビが生えてしまうとあきらめがちですが、矢口先生は次のように話します。
「カビが生育するには、温度、湿度のほか、栄養が必要です。カビは、ホコリ、汚れなどあらゆるもの(有機物)を栄養源にします。
きちんとカビを除去し、入浴後、石鹸カスなどを洗い流し、しっかり乾燥するまで換気すれば、カビはそれほど生えることはありません。少しでもカビが目についたら、カビ掃除するのが賢明です。排水溝はそれでもカビが発生しやすいですが、定期的に洗浄しましょう」
さらに、浴室に発生しやすいピンク色の汚れも、カビの一種なのだそう。
「ピンク色の汚れは、『ロドトルラ』というカビです。放置しておくとどんどん増殖してしまいます。気づいたらすぐ、カビ取り剤を使用して除去しましょう。基本的に黒カビと同じ方法で大丈夫です」
家事研究家に聞く浴室のお掃除術4つ
そういえば、天井にシミが…と心当たりがあるなら、今すぐお掃除を。
家事代行で知られるベアーズの取締役副社長で、家事研究家の髙橋ゆきさんに、浴室のお掃除術を伝授してもらいました。
■1:カビはパックで取り除く
「カビが生えやすい浴室のドアのパッキンは、キッチンペーパーにカビ取り剤を浸し、しばらくパックしておき、キッチンペーパーを使ってゴム部分を拭き取ります。
そのあと、水で濡らしたぞうきんでカビ取り剤を拭き取れば、ゴシゴシこすらなくても、簡単にカビを除去できます。あまり長い時間パックし過ぎると、ゴム部分が劣化しやすくなりますので注意してくださいね」
■2:桟(さん)の隙間はティースプーンで
「ドアの桟のところはパックできないので、小型のティースプーンなどを使います。使い古しの布を、約10cmの正方形に切って、ティースプーンに巻き付けて、カビ取り剤をひと吹きし、桟の隙間に差し入れ、汚れをそぎ落とします」
■3:半月に1回はお風呂の天井をチェック!
「水気が残らないよう、フローリング用のモップにぞうきんを付けて拭くと、カビ発生防止にもなり、おすすめです。すでに汚れが発生している場合は、ぞうきんに洗剤を少量つけて拭きます。たれないように量の加減をお忘れなく」
■4:排水溝のぬめりには重曹と酢が有効
「排水溝のカビはカビ取り剤で除去できますが、ぬめりも気になりませんか? ぬめりには重層に酢を加えて流し込むと、泡が発生し、キレイに掃除できます」
梅雨時期は、特に気になる浴室のカビ。これ以上増殖させないためにも、今のうちにカビを除去して、気持ちよくお風呂に入れるようにしましょう。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石原亜香利
- EDIT :
- 安念美和子、榊原淳