外出自粛の生活で、外食する機会が減っている今、おうちでの食事も気分を変えてみたくなるものです。
そんなときにおすすめなのが、自宅のベランダや庭でアウトドア料理をいただくこと。外の新鮮な空気を楽しみながら料理を味わえば、気分がリフレッシュし、美味しさもひとしお!
今回は、アウトドア料理研究家で管理栄養士でもあるshihoさんに、アウトドア料理の基本や道具、定番料理やおすすめレシピを教えていただきました。
アウトドア料理は耐熱温度の高い調理器具を使うのがおすすめ
まずはアウトドア料理の基本から押さえておきましょう。普通の料理とはどんなところが違うのでしょうか?
「普通の料理の加熱方法は主にガス、IH、電子レンジ、オーブントースターなどですが、アウトドア料理は焚火(たきび)や炭火、バーナー、カセットコンロ等を使用します。
調理道具は家と同じものを使用してもかまいませんが、焚火や炭火を使用するときは、ダッチオーブンやスキレットなど耐熱温度の高い調理器具を使用するとよいです。木製の柄など熱で溶けやすいものは使用しないほうがベターですね」
今回は、おうちでアウトドア料理を楽しむ方法をご紹介しますが、キャンプ場などで調理をする場合は、こんなことに注意することも大切だといいます。
「アウトドアで焚火や炭火をするときには、地面に直接火を置いて使用することは絶対に避けること。キャンプ場やBBQ場では、必ず指定の場所で、脚付きのコンロもしくは焚火台を使用するようにしましょう。使い終わった炭も指定の場所に捨てるか、火消壺を使用して持ち帰るなど、帰るときまでスマートにアウトドアを楽しむことが大切です。
食べ終わった後の食器や調理道具を洗う場合は、ティッシュペーパーや古布などであらかじめふき取っておくとよいです。お湯の出ないキャンプ場もありますので、食べ終わった後の食器洗いが楽になるだけでなく、水や食器洗い用の洗剤を節約することができます。
また食器洗い用の洗剤は、普段家で使っているものをそのままキャンプ場の排水に流してしまうと、環境汚染につながる恐れがあります。環境に優しい成分を使用した洗剤を使用することも、自然の中でアウトドアを楽しむうえで大切な要素です」
アウトドア料理に使う調理道具の種類や特徴を紹介
先ほどお話にも出ましたが、ダッチオーブンやスキレットなど、アウトドア料理の特有の調理道具を使うのも、アウトドア料理の醍醐味です。それぞれshihoさんに解説いただきました。
いろいろな料理にマルチに活躍!「ダッチオーブン」
「煮物・焼き物・揚げ物などさまざまな料理に使える鍋。ふたは重さがあるので、加熱すると圧がかかり、圧力鍋としても使えます。ふたの上に炭を乗せれば、オーブンとしても使うことができます。
もっともメジャーなものは鉄を原料とする鋳鉄製ですが、他にもステンレス製、鉄板製、アルミ製のダッチオーブンもあります」
料理が冷めにくく、そのままテーブルに出せる「スキレット」
「鋳鉄製のフライパンです。熱伝導が良く、ムラなく加熱できるのでステーキも美味しく焼けます。食材が冷めにくいのでお皿としてそのままテーブルに出してもおしゃれです」
アウトドアならではの燻製料理を作れる「スモーカー(燻製器)」
「専用の器具もありますが、段ボールを組み立てて作る使い捨てのものや、深さのあるフライパン、ダッチオーブンでも燻製料理を作ることができます。
一般的には肉や魚介類などに塩漬け、塩抜きなどを行った後、燻煙材を使用して燻(いぶ)すのが基本ですが、ナッツやチーズなど、下ごしらえをせずに手軽にスモークできる食材もあります」
家庭でも大人気!「ホットサンドメーカー」
「家庭用のものもありますが、アウトドアで使う場合は直火式のものを使用します。真ん中に仕切りが無いシンプルなシングルタイプ、仕切りがついていて分けやすいダブルタイプ、耳を圧着できて具だくさんな“萌え断(※)”ホットサンドを作ることのできるタイプなどさまざまなタイプがあります」
アウトドア料理の基本の定番料理3選
早速、具体的なアウトドア料理を見ていきましょう。アウトドア料理には定番料理がいくつかあります。今回は3つの料理を解説いただきました。
■1:オイルの旨味を存分に味わう「アヒージョ」
アヒージョはスペイン料理の一種で、オリーブオイルとニンニクで煮込むタパス(小皿料理)の一種です。スペイン語で「刻んだニンニク」を意味します。
「調理するときは、鍋やフライパン、スキレットなど何でもOK。できるだけ小さめのものを使うと油を使いすぎなくて良いです。パンを浸したり、ゆでたパスタに和えたり、炒め油に使ったりでき、オイルも旨味たっぷりです。
作り方も簡単。材料を食べやすい大きさに切り、ニンニクはみじん切りに。フライパンに材料を入れ、オリーブオイルをひたひたになるくらいまで注いだら、ハーブソルトを振りかけます。弱火にかけ、材料に火が通ったら完成です」
■2:ポリ袋を使ってより簡単に!「ホットサンド」
ホットサンドメーカーで作るホットサンドも、アウトドア料理の定番。野菜やサラダチキンを挟めばサンドイッチに、チーズやはちみつ、あんこなどをはさめばおやつにもなります。
「ポリ袋に挟む具材をまとめて入れ、外からほぐすように混ぜると、具を簡単に作ることができます。ホットサンドメーカーに食パンを置き、具材とパンを乗せてプレスします。中火で片面2~3分ずつ焼き、ほどよいきつね色になったらできあがりです」
■3:みんなが大好き!「ココナッツカレー」
カレーもアウトドア料理の定番。いつもとは違うルーや具材を煮込めば、気分も盛り上がります。
「ラム肉となすのココナッツカレーをご紹介します。下準備としてラム切り落とし肉を食べやすい大きさに切り、【カレー粉 大さじ1.5~2、ガラムマサラ 小さじ1、塩 小さじ1/2、こしょう 少々、砂糖 小さじ1、鶏がらスープの素 小さじ1、にんにくチューブ 3cm、生姜チューブ 3cm】をもみ込み、ジップ付きポリ袋にいれておく。
持ち歩きの時間が長い場合、下味をつけたラムは事前に冷凍しておいておくとよいです。鶏がらスープの素は同量のお湯で溶いてから加えます。なすを1cm厚の輪切りにし、ピーマンは種を取り、乱切りにします。
フライパンにサラダ油を入れ、中火にかけたらなすを加え、両面を焼き、なすを端に寄せ、下味のついたラムを加え、フライパンに広げてカレー粉の香りが立ってくるまで炒めます。次にピーマンを加え、全体的に炒め合わせます。
ココナッツミルクを加えたら、焦げ付かないように時々かき混ぜながら3~4分ほど煮ましょう。味が足りなければ塩・こしょうを足して完成です」
おうちアウトドアを楽しむ際におすすめのアウトドア料理3選
続いて、おうちアウトドアを楽しむ際におすすめのアウトドア料理を3つ、それぞれの作り方を簡単に教えていただきました。
■1:フルーティー×スパイシーな「パイナップルピラフ」
「パイナップルの缶詰を使ったピラフです。パイナップルのフルーティーな甘酸っぱさとカレー粉のスパイシーさに、ナンプラーのエスニックがマッチして、癖になる新鮮な美味しさです」
作り方
「フライパンでスパムとにんにくを炒め、浸水させておいた米と水、パイナップルシロップ漬け(一口大) 1缶、ナンプラー 大さじ1、コンソメ 大さじ1/2、カレー粉 小さじ1、塩・こしょう 少々を加え、全体的をなじませ平らにして、沸騰してきたら蓋をし、弱火で約10分加熱します。水分が無くなり、香ばしい匂いがしてきたら火を止めて10分蒸らしたら完成です」
■2:フライパンで簡単に! 「桃のアップサイドダウンケーキ」
「フライパンで手軽に作れる、アップサイドダウンケーキです。ヨーグルトを使用することで、もっちりふわふわな食感に!」
作り方
「白桃シロップ漬けの白桃は小さめの一口大に切り、ボールなどにヨーグルト大さじ3、白桃のシロップ大さじ3、卵 1個を入れてかき混ぜ、ホットケーキミックスも加えてよく混ぜ合わせます。フライパンにバターを入れ、中火にかけ溶けたら砂糖も入れます。
全体が溶けて白く泡立ってきたらいったん火を止め、桃をフライパンに均等に並べ、上から材料を混ぜたホットケーキミックスを流し入れ、平らにならします。蓋をして、弱火で10分加熱。竹ぐしを刺してみて生地が付かなければ、フライパンにお皿を裏向きに乗せ、ひっくり返してお皿に盛り付けて完成です」
■3:アウトドア気分になれるおやつ「和風エナジーバー」
「山に行動食(おやつ)として持って行くことができるエナジーバーも手作りできます。この和風エナジーバーは、お茶のほろ苦さと甘納豆の甘みがベストマッチしていて、お茶にもコーヒーにも合う美味しさです」
作り方
「材料は、グラノーラ、マシュマロ、バター、緑茶パウダー、甘納豆。耐熱性の器にマシュマロとバターを入れ、電子レンジ500Wで30秒加熱して溶かし、スプーンなどでよくかき混ぜておきます。グラノーラ、緑茶パウダー、甘納豆(小豆)を加え、再びよくかき混ぜます。パウンドケーキ型など、耐熱性の容器に入れ、押し付けるように平らにならします。
170℃に余熱したオーブンの上段で10~15分くらい焼き、冷めたら食べやすい大きさに切り分けて完成です」
まだまだ外出には注意を要する今ですが、おうちでアウトドア料理を作り、ベランダやお庭で食卓を囲んで、気分転換をしてみてはいかが?
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- Precious.jp編集部