運動してもお腹がなかなかへこまない、くびれができない、と嘆いていませんか?
実はその原因、老廃物を出せないカラダになっているからかもしれません。そこで、姿勢改善トレーナーの村田友美子さんに、太りにくいカラダになるための秘訣を教えていただきました。
村田さんは、かつてひどい便秘でぽっこりお腹に悩んでいたそうですが、独自のメソッドを考案して実践。今では、誰もが憧れる美ボディになり、「くびれ母ちゃん」と呼ばれるまでになった方なのです。
『デトックスがとまらない!くびれ母ちゃんの出せるカラダ』の著書が教える、太りにくいカラダになるための方法とは?
太りやすいカラダ=「(便を)出せない」カラダ
食事量を減らしているのに体重が減らない、それどころか、下腹がぽっこり出ている、便秘が続いている……。実は、その原因は脂肪ではなく、内臓が下がっているからかもしれません。
「内臓が下垂してしまうと、腸が押しつぶされて、消化・吸収・排便のサイクルが乱れてしまいます。
この状態のまま、運動をしたり、排便を促す食物繊維や腸の調子を整える善玉菌が多い食材をとっても、便の通り道はふさがったままなので、便秘でお腹がパンパンになってしまうんです。
私も10年前までは1週間以上便が出ないことが当たり前の便秘体質でした。そのせいで、お腹がぽっこりしていましたし、動くのも億劫になり、イライラもしやすい状態でした。このような負の方向に流されてしまう便秘って、恐ろしいですよね」(村田さん)
便秘体質だった頃の村田さんは、くびれのある今よりも食事量が少なかったにもかかわらず、お腹まわりにどっぷりとお肉がついていて、食べる分だけ太るような気がしていたそう。
「出せるカラダになった今は、食べても太りません! 便をしっかり出せると、必要な栄養は吸収して、それ以外のものは便として排出できるので、めぐりのいいカラダになるんです」(村田さん)
つまり、太りにくいカラダになるためには、“出せる”カラダになることが近道なのです。
内臓が下垂すると、便秘以外の悪影響も多数
では、どうすれば出せるカラダになるのでしょうか。村田さんは、姿勢を変えたことがきっかけになったそうです。
「猫背や反り腰など、姿勢が悪いと、骨盤が開いてしまい、呼吸が浅くなって、自律神経のバランスが乱れ、骨盤底筋などの内臓を支えるインナーマッスルが衰えてしまうんです。
内臓をハンモックのように支えている骨盤底筋は、20代は10cmもの厚みがあるそうですが、30代、40代と年齢を重ねるとどんどん薄くなり、50代では3cm程度になると一般的には言われているそうです」(村田さん)
さらにはボディラインにも影響が。下垂した内臓に上半身がひっぱられ、バストやお尻は垂れて、脚は太くなります。腸が動かないので、背中や腰が痛くなることもあるそう。
子宮や膀胱も押しつぶされるので、婦人科系の不調や尿漏れなどに悩まされることも。
腸を元に戻すために意識する3つのこと
では、下垂した腸を正しい位置に戻すためには、どんなことを意識したらいいのでしょうか? 3つのポイントを教えていただきました。
■1:美しい姿勢をキープする
骨盤を形成する腸骨と仙骨。猫背や反り腰など姿勢が悪い状態だと、このふたつがゆがんで骨盤が開いてしまっているので、キュッと締めて、前傾の骨盤を床に対して垂直にしましょう。
「両手の親指と人差し指をくっつけて三角をつくり、人差し指を恥骨に当てます。この状態を横から見た時に、手でつくった三角形が床と垂直になっているのが正しい骨盤のポジションです」(村田さん)
■2:深い呼吸をする
呼吸が浅いと横隔膜がしっかり動かず、内臓は下がったままになります。
「出せるカラダになるための深い呼吸をするには、背中に空気を入れて大きくふくらませることがポイントです。
横隔膜は、息を吸うと下がり、吐くと上がるという上下運動をしています。横隔膜は肋骨の下にドーム状に胸側と背中側についているので、両方を意識して深い呼吸をするようにしてください。
浅い呼吸は、横隔膜がほとんど動いていないので、内臓への刺激が少なくなり、腸への刺激も少なくなって、内臓は下垂したままになってしまいます」(村田さん)
■3:内臓を支える骨盤底筋を意識する
内臓を下垂させてしまうのは、腸や子宮などをハンモックのように支える骨盤底筋が弱いことも大きな原因のひとつです。
「骨盤底筋の引き上げは、深い呼吸をして膣を引き上げる意識をすると感じられます。深い呼吸によって骨盤底筋を引き上げると、体幹部をコルセットのように締めてくれる腹横筋や、呼吸に関わる横隔膜、姿勢を保つ多裂筋の4つが連動するので、姿勢もボディラインも変わってきます」(村田さん)
この効果を最大限に生かすためには、骨盤まわりをほぐしておくと、骨盤底筋や膣を引き上げやすくなるのはもちろん、横隔膜や腹横筋などの内側の筋肉も動きやすくなります。 出せるカラダになるには、内側の筋肉を使えるようになることが大事なんです。
内側の筋肉を使えるようにするための「ほぐす&ゆるめる」ストレッチ4選
内側の筋肉を効率よく使えるようにするために必要なのがほぐすこと。そして、ストレッチをしてゆるめることです。腰回りと脚のつけ根のほぐしかたと、肩甲骨まわりと胸まわりのストレッチをご紹介します。
■1:腰回りのほぐしかた
後ろに倒れた状態の仙骨を正しい位置に戻して腰の負担を減らし、背中のインナーマッスルを刺激します。100円ショップなどで買えるテニスボールを準備してください。
1.あお向けになり、左ひざを立てて、右脚は胸に引きつけます。
2.背中の右横、骨盤の上のへりにテニスボールを当てます。
3.お尻を左右に振りながら、骨盤のへりから左右に動かしてほぐします。終わったら、反対側も同様に。左右各90秒ほぐしましょう。
■2:脚のつけ根まわりのほぐしかた
脚のつけ根が硬く短くなると、猫背になりやすくなります。背中が丸まると、内臓の圧迫にもつながるので改善しましょう。
1.うつ伏せになり、両ひじは肩の真下につき、右脚はお尻の真横に出し、ひざを90度に曲げます。左ひざは後ろへ90度に折りましょう。
2.左の脚のつけ根、下着のVラインの真ん中あたりにテニスボールを当てます。
3.ゆっくり呼吸をして、ボールをカラダにじっくり沈み込ませて、お尻を左右に振りながら、左右に動かしてほぐします。終わったら、反対側も同様に。左右各90秒ほぐしましょう。
■3:肩甲骨まわりをストレッチする
姿勢が悪いと硬くなりがちな背中の筋肉。日常生活では伸ばす機会の少ない斜め方向にカラダを伸ばして、背中にある大きな広背筋をストレッチします。 100円ショップなどで買える直径約20cmのビニールボールを準備してください。
1.四つんばいになったら、腰から上を右斜めに伸ばし、さらに左手を遠くへ伸ばしていく。
2.左手の下にビニールボールを置き、より右手を遠くに伸ばします。
3.左の脇腹あたりの伸びを感じたら、ゆっくりと深く呼吸をしながら、徐々に左手を前方に進めてください。
終わったら、反対側も同様に。左右各90秒伸ばしましょう。
■4:胸まわりをストレッチする
肩の内側や胸の上部の筋肉は収縮して硬くなりやすいです。背中の硬さと相まって、正しい姿勢が取りづらくなるので、しっかりほぐしましょう。100円ショップなどで買える直径約20cmのビニールボールを準備してください。
1.うつ伏せになり、胸は開いて両腕はひじを90度に曲げ、手を軽く床につけておきます。右手の下にはビニールボールを置いてください。
2.両ひざを90度に曲げて、左側に腰をひねります。同時に顔も左方向に向けて右耳は床につけます。
3.左手で床を押して胸をさらに開き、左右の肩甲骨を寄せるように意識しながら、深い呼吸をしましょう。呼吸をするたびに床を押し、これを3回くり返して。終わったら、床につける手を変えて同様に。左右各10セット伸ばしましょう。
時間帯はいつでもOK!まずは1週間続けてみて
「カチコチになった筋肉は相当頑固なので、これらは毎日続けないとほぐれません。
実行する時間帯はいつでもOK。朝ほぐせば体が軽やかに動き出せますし、お風呂後は筋肉が温まっているのでほぐしやすいです。夜にやると血流がよくなって疲労が抜けやすく、熟睡できます」(村田さん)
個人差がありますが、おへそや背骨まわりの筋肉をほぐすだけでお通じのサインを感じる人もいるそうです。まずは1週間を目安に続けてみてください。
「美しいボディラインになる秘訣は、自分のカラダを知ることにあります。 カラダは歪んでいないか、腰が反っていないか、首の筒はまっすぐか、肩は後ろにひけているか、お腹は硬くないか、いつも力んでいないか。それらをひとつひとつクリアしていったときに、出せるカラダになれますよ」(村田さん)
もうすぐ夏本番。ぽっこりお腹が気になる方は、今こそ村田さんのメソッドを参考に、くびれが美しい「出せるカラダ」に変えていきましょう。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 宮平なつき
- EDIT :
- 小林麻美