座る場所で、形状も用途も変わる変形ダイニングテーブル「M21」
在宅勤務やリモートワークが増え、間に合わせでノートパソコンを使ってダイニングテーブルでお仕事をされていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
今後いつまで続くかわからないコロナ禍をきっかけに、変わるかもしれない私たちの働き方と暮らし。これを機会にインテリアを見直すことは、これからの過ごしたい人生をイメージすることとも繋がっています。
その際に、ぜひ心がけていただきたいことがあります。それは「心の切り替え」を生み出す環境づくり。空間に余裕があれば、デスクコーナーをつくったり、グリーンを置いて仕切ったり、ソファ横にサイドテーブルを置いたり、さまざまな方法があります。
今回は、限られた広さの部屋でもメリハリをつけて働き、心豊かに暮らすこともできるアイデアとして、ドイツのブランドTECTA(テクタ)の有機的な形状のダイニングテーブル「M21」をご紹介します。
身長156cmの私が実際に見て・測って・座って見た体験レポートとともに、「M21」にまつわるバックストーリーもご覧ください。
ユニークな形状が愛され続ける!「M21」のおすすめポイント6選
■1:インテリアに抜け感をつくってくれる有機的なカタチ
ダイニングテーブルの水平面は、インテリアの中で床面の次に広い面積を占めるため、インテリアの印象を左右します。直線要素の多いインテリア空間に、曲線が入ることで、空間に動きが生まれ、リラックスした印象を演出することができます。
■2:一人暮らしの人には、気分転換を促してくれるカタチ
ノートパソコンの横にメモや資料を広げて仕事するには、長手の緩やかなカーブの箇所が便利です。資料でテーブルの形が隠れて、うっかりずり落ちてしまう心配もありません。
休憩や食事は鋭角的なカーブのところでとるなど、席を移動することで見える部屋の景色も変わります。
■3:家族のいる人や、人を招くのが好きな人にも使い勝手がいいカタチ
パートナーもリモートワークになったり、お子さんがオンライン授業になったりなど、家族が一緒に家で過ごす時間が増えた今、ほどよい距離感を意識してとることは重要です。
「M21」の微妙なカーブは、お互いの視線が集中しないように角度をそらしてくれるので、近くでお互いが異なることをしていても、お互い気になりません。
食事をとる際には、ひとり当たり横60×奥行き40cm程度のスペースが必要です。「M21」は長手のカーブ部分を使ってふたり並んでも大丈夫ですし、4人でしたら、好きな配置で座っても十分に余裕のあるつくりになっています。
さらに壁から離せば、5人着席も可能。また立食にした場合でも、和気あいあいとした雰囲気をつくり出してくれるのが、有機的なカタチのもつ魅力です。
■4:ホームオフィスのミーティングテーブルとしても人気
座った人同士の視線が適度にそれるため、心理的な圧迫感が軽減される効果があることから、ホームオフィスのミーティングテーブルとしても人気があります。
■5:ボックス状の一本脚もユニーク
ちょっとお行儀が悪いのですが、脚に開いた丸穴に足を乗せて寛ぐことも、長時間同じ姿勢でいることを防いでくれます。
また、脚の中央部分に配されたガラス棚板の用途はさまざま。下に照明を置くことで、棚に飾ったお気に入りの本を照らしてみたり、天板に反射させたりして、ダイナミックに間接照明をつくることもできます。
■6:「丈夫でメンテナンスフリー」「熱と水に要気配り」のラッカー仕上げ
木材のダイニングテーブルの場合、気にしていただきたいのは質感と仕上げ方法です。
「M21」の天板は、木材の表面にしっかり塗膜を張るラッカー仕上げ。木の見た目を損なわずに、滑らかな手触り、傷や汚れがつきにくいので定期的なメンテナンス等をしなくていい利点があります。木目の表情が一台一台異なるのも魅力です。
1点だけ注意していただきたいのは、熱や水に弱いので輪じみができやすいこと。仕事中マグカップはコースターに、ランチの際はランチョンマットを使うなどすることをおすすめします。また日光で変色することもあるので、直射日光が長時間当たる場所への設置は避けましょう。
ぜひ知っておきたい!「M21」にまつわる2つのバックストーリー
奇跡の4人による合作。天板のラインは、フランスの巨匠ジャン・プルーヴェ!
ジャン・プルーヴェといえば、近年コレクターのなかで高騰しているヴィンテージ家具のデザイナーとしてご存知の方も多いのではないでしょうか? 彼による天板のスケッチだけが存在していたものに、プルーヴェと親交の深かったテクタ代表のアクセル・プロッホイザーが、脚をつけてテーブルとして仕上げました。
ユニークな脚は、プルーヴェ邸の暖炉にヒントを得て考案したもの。足に丸い穴を開けるようアドバイスしたのは、テクタ本社を設計した建築家、ピーター・スミッソンだそう。
丸穴は、プルーヴェの設計したドアの丸窓から寸法を写しとり、ガラス板はドイツ人アーティスト、ステファン・ヴェヴェルカのアトリエの棚からインスピレーションを得たもの。まさに奇跡の4人のアイデアが結集したデザインなのです。
「バウハウスの家具」の魅力を普及するために尽力したブランド「テクタ 」
1972年、現代表のアクセル・プロッホイザーが、旧東ドイツから西ドイツへトランクひとつで亡命した際に、ちょうどそのころ工場を手放したがっていた地元の建築家から譲り受けたことから「TECTA(テクタ)」の歴史が始まります。
もともと東ドイツ時代から家具屋を営んでいた父親とバウハウス(※1)の家具を普及させようとしたことが、当時の東ドイツでは危険思想とみなされたための決断でした。
今でこそバウハウスの価値は多くの人の知るところですが、戦争が終わって間もないころは、その優れた家具デザインは忘れ去られていました。
プロッホイザーの努力は地道なもので、試作の提案やライセンス契約など、亡くなったデザイナーの遺族や、当時健在だったデザイナーへの訪問などを重ね、復活したものも数多くあります。それでも、彼は『私たちはバウハウスのファンとして製造を続けているのではない』と語ります。
『私がバウハウスのデザインに見出した主義とは、理性に導かれた優れた生産性が美しい機能と普遍性を生み出していること。だからこそ彼らの家具はアートであり、デザインであり、モダンであり続ける』(山田泰巨著『TECTA—SOMETHING TO LIVE UP TO』アクタス 2017 P.18より)
テクタは、バウハウス時代のオリジナル家具を約20種類製造し続けるかたわら、バウハウス的志向のもと、アート(芸術)とテクニック(技術)を融合させた新たな時代のモノづくりを続けています。
いかがでしたか? 今回は数奇な運命をたどって、現代の私たちに柔軟な暮らし方を提案してくれる「M21」をご紹介しました。ぜひショールームに行って、ご自身でそのおおらかなカーブがつくりだす効果や空間体験をしてみてください。
問い合わせ先
- アクタス新宿店
- 営業時間/11:00〜20:00
- 定休日/不定休
- TEL:03-3350-6011
- 住所/東京都新宿区新宿2-19-1 BYGSビル1・2F
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- TEXT :
- 土橋陽子さん インテリアエディター
公式サイト:YOKODOBASHI.COM