【1】骨盤のズレを正す「腹斜筋」ストレッチ


村木宏衣さん
エイジングデザイナー
(むらき・ひろい)大手エステティックサロン、整体院、美容医療クリニックでの勤務経験を経て、小顔、リフトアップ、むくみ、ボディメイキングなど女性の悩みに対して、独自の「村木式 整筋」メソッドを確立。2018年「クリニックF」内「Amazing♡ beauty」を開設。『10秒で顔が引き上がる 奇跡の頭ほぐし』(主婦の友社)は24万部を突破し、『10秒で疲れが取れる 奇跡の目元ほぐし』(主婦の友社)も好評。 また、ご自身がプロデュースした美顔器「アメージングローラー」も発売中。「村木式整筋」メソッドのテクニックをセルフケアで簡単に再現できると話題に。ほかにも『10秒で10歳若返る 奇跡のたるみリフト』(主婦の友社)。

腹斜筋はウエストラインのくびれを形づくるだけでなく、骨盤を内側から引き上げて支える「土台」のような存在。ここの柔軟性が高まることで、歪んでいた骨盤が本来の位置へと戻りやすくなり、下半身のむくみや冷えといった不調の改善にもつながります。ストレッチを習慣にすれば、体幹が安定し姿勢が整い、ぽっこりお腹の解消にも。年齢とともに気になってくるラインのもたつきが、少しずつシェイプされていくのを実感できるはずです。

どのタイミングで行うのでもいいのですが、朝行えば、寝ている間に滞った血流やリンパの流れを促し、骨盤周辺の巡りを良くするのに効果的ですし、入浴後など、体が温まって筋肉がゆるんでいるタイミングにストレッチで腹斜筋に刺激を与えると、骨盤まわりのこわばりがやさしくほどけ、左右のバランスが整いやすくなります。

STEP.1:膝立ちをして、両手を後頭部に当てる

膝立ちをして、両手を後頭部に当てる
マットやバスタオルの上で膝立ちをします。このとき腰が反らないように姿勢をまっすぐにするのを意識しましょう。そして後頭部に両手を置きます。これが基本姿勢です。

STEP.2:振り返るように、左、右と交互にかかとをタッチする

振り返るように、左、右と交互にかかとをタッチする
左方向に振り返って、左のかかとを見るようにしながら、左手で左足のかかとをタッチし、次に同様に右手で右足のかかとをタッチします。このように左右交互に20回行いましょう。

くびれ筋をゆるめて骨盤のズレを正す【村木宏衣さん指導】腹斜筋ストレッチ

【2】姿勢が整う「筋膜リリース」メソッド


長時間のデスクワーク、前かがみのスマホ姿勢、浅い呼吸、毎日のこんな習慣が、体の前側をギュッと縮めていきます。胸が閉じて肩が内巻きになり、骨盤は前に傾き、背中が丸くなる。結果、猫背、反り腰、ぽっこりお腹、フェイスラインのたるみ…。「なんか老けてきた?」と思ったら、それは年齢よりも「筋膜の硬さ」が原因かもしれません。

そんな前側の筋膜に直接アプローチできるのが、エイジングデザイナーの村木宏衣さんの筋膜リリースメソッド。ストレッチと深い呼吸を組み合わせ、壁を使って行うシンプルな方法で、誰でも無理なく始められます。

ポイントは、深い呼吸を前側の筋膜に送り込むイメージで行うこと。これだけで、ガチガチだった前面がふわっとゆるみ、自然と姿勢が起きてくるのを感じられるはず。まるで、内側から補正下着を着せられているような感覚です。さらに、筋膜がほぐれると内臓の位置も安定しやすくなり、代謝やホルモンバランスもサポート。見た目の引き締まりだけじゃなく、内側からの変化まで実感できるので、ぜひ試してみてくださいね。

STEP.1:壁に左手をついて、右足を一歩後ろに動かす

壁に左手をついて、右足を一歩後ろに動かす
頭頂部から一本の糸で軽く引き上げられるつもりで立ちます。それから、壁に左手をついて、右足を一歩後ろに動かし、足の甲を床につけます。これが基本姿勢です。

STEP.2:右手を上に挙げて軽く後ろに反らす

右手を上に挙げて軽く後ろに反らす
Step1の体勢のまま、右手をまっすぐ上に挙げて軽く後ろに反らしましょう。

STEP.3:左の脇腹、右の肋骨、右の鎖骨の順番に息を入れる

左の脇腹、右の肋骨、右の鎖骨の順番に息を入れる
STEP.2の体勢のまま、左の脇腹、右の肋骨、右の鎖骨の順番に息を入れるように意識します。まず左の脇腹に息を入れるように4秒吸って、8秒吐く、という深呼吸を3回行います。次に、右の肋骨、右の鎖骨の順番で、息を入れるように意識しながら同様に深呼吸を行いましょう。

次に手足のポジションを変えて(右手を壁について、左手を挙げ、左足の甲を床につける)同様に行いましょう。

猫背もたるみも解消!【村木宏衣さん指導】筋膜リリースメソッド

【3】骨盤と肋骨を整える「筋膜ストレッチ」


筋膜とは、筋肉や臓器を包み、全身を立体的に支えている繊細な結合組織。その中でも「横の筋膜ライン」は、足の外側から腰、脇腹、背中のサイドをつなぎ、姿勢やボディラインのバランスに大きな影響を与えています。このラインが固くなると、骨盤が外に開き、肋骨も広がり、体のラインがぼやけてしまいます。結果、全体に「厚み」が出て、ウエストからヒップにかけてずんぐりとした印象に。

そこで、エイジングデザイナーの村木宏衣さんがおすすめするのが、効率よく「横の筋膜ライン」を緩める、側屈をアレンジしたストレッチ。筋膜がゆるむと骨盤が整い、脇腹やお腹まわりの深層筋が活性化。脂肪の燃焼が進みやすくなり、余分なむくみも排出され、見た目に変化が表れることでしょう。気持ちよく伸ばせるストレッチなので、就寝前のリラックスタイムにぜひやってみてくださいね。

STEP.1:左膝を立て、左手を膝の脇につけてホールドする

左膝を立て、左手を膝の脇につけてホールドする
左膝が内側に入らないように、左手でホールドします。これが基本姿勢です。

STEP.2:右腕を耳にくっつけるようにまっすぐ上げる

右腕を耳にくっつけるようにまっすぐ上げる
右腕をまっすぐ上げます。このとき腕と耳がくっつくのを意識しましょう。

STEP.3:体を左にゆっくりと倒す

体を左にゆっくりと倒す
次に体をゆっくりと左に倒します。このときに、脇腹が伸びるのを感じましょう。

STEP.4:右肘を見るように顔を上げる

右肘を見るように顔を上げる
STEP.3の状態のまま、上げた右肘を見るように顔を上げます。さらにストレッチがかかることで、横の筋膜ラインがしっかりと伸びます。この状態で深く呼吸を繰り返しながら10秒キープしましょう。これを3回繰り返して、反対側も同様に行いましょう。

ウエストが引き締まる!【村木宏衣さん指導】もたつき解消「筋膜ストレッチ」

【4】もったりウエストを引き締める「腹斜筋」ストレッチ


くびれがなくなるのは、太ったせい?それとも年齢のせい?その答え、実はどちらでもありません。多くの大人女性が感じる「なんだかウエストがもったりしてきた…」という変化。その原因は「脇腹の筋肉=腹斜筋を使わない」ことにあるのです。

実はこの腹斜筋、日常生活の中でしっかりと動かせている人は、意外と少ないのだとか。そこでエイジングデザイナーの村木宏衣さんが教えてくれるのが「腹斜筋をしなやかにして、くびれをつくるストレッチ」。

方法はとてもシンプル。膝を立てた状態で、ゆっくりと体を左右に倒すだけ。腹斜筋を伸ばしながら刺激し、怠けていた筋肉を目覚めさせることで、内側から引き締め効果が!さらに、この動きは骨盤の左右バランスを整える効果もあるため、硬くなっていた骨盤まわりの筋肉がゆるみ、姿勢がスッと整うので、腰痛・肩コリの緩和にもつながる、まさに一石三鳥のアプローチ。

STEP.1:膝立ちになり、姿勢はまっすぐ、目線は正面に

膝立ちになり、姿勢はまっすぐ、目線は正面に
まずは、床にマットやバスタオルを敷いて、両膝を肩幅に開いて膝立ちになります。このとき、背筋はすっと伸ばして。骨盤が前に出たり、腰が反ったりしないように意識しながら、上半身は地面に対してまっすぐ垂直をキープしましょう。体の横に軽く広げてリラックスして構えましょう。これが基本の姿勢です。

STEP.2:体を左右にゆっくり倒して、腹斜筋を刺激する

体を左右にゆっくり倒して、腹斜筋を刺激する
次に、深呼吸をしながら上半身をゆっくりと右へ倒します。右手が床に近づくくらい倒しましょう。右の脇腹がしっかりと縮んで、左の脇腹がじんわり伸びるのを感じてください。5秒キープしたら元の姿勢に戻り、今度は左側へ。左右交互に倒し、これを1セットとして、10〜15回行いましょう。

もったりウエストを引き締める!【村木宏衣さん指導】くびれ復活ストレッチ

【5】肋骨の開きを締めて整える「肋骨ベルト」メソッド


スマホ使用時の姿勢の悪さ、長時間のデスクワークなどで、背中周りや脇腹の筋肉が緊張状態になると、肋骨がつぶされ、全体的に下がり横に広がってしまいます。すると、肋骨で支えられている内臓が下垂し、胃が膨らみやすくなり、いつまでも食べていられる、という食べ過ぎ状態に。これがポッコリにお腹になる原因です。

エイジングデザイナーの村木宏衣さんがサロンで行う施術も「まずは肋骨を正しい位置に整えることから始める」というくらい、肋骨のポジションは大事なこと。そこでセルフケアとして教えてくれたのが、骨盤用ベルトを使った肋骨を締めるメソッド。骨盤用ベルトは幅が10cmぐらいのものであれば、安価のものでも大丈夫。骨盤用ベルト、骨盤サポーターなどという名称で100円ショップや通販サイトでも販売されています。

骨盤用ベルトを胴体に巻いて上半身のストレッチを行うと、たった1回で開いた肋骨がキュッと締まります。食べ過ぎを防ぎウエストもスッキリするのでスタイルアップは確実!また継続すると疲れにくくもなるので、この忙しい時期にこそ、ぜひ、試してみてくださいね。

STEP.1:骨盤用ベルトを肋骨の位置に巻く

骨盤ベルトを肋骨の位置におき、前に引っ張る
骨盤用ベルトの上部がアンダーバストの位置にくるように巻きます。そしてベルトの端と端を持って、手前にグッと引っ張ります。
骨盤ベルトを肋骨の位置に巻く
引っ張ったままマジックテープで留めて固定を。苦しくならない程度に、少しきつめに巻きましょう。

STEP.2:壁に右手をついて、大きく円を描くようにストレッチを行う

壁に右手をついて、大きく円を描くようにしてストレッチを行う
背中や脇腹などの肋骨周辺の筋肉を伸ばすストレッチを行います。脚を腰幅に開き、手を広げたまま壁に当てて、雑巾がけをするように右手で大きく円を描くように動かしましょう。 なるべく遠くに手をのばしてしっかりストレッチしてみてください。
壁に左手をついて、大きく円を描くようにストレッチを行う
次に左手も同様に大きく円を描くように動かしましょう。このあとベルトをはずして肋骨まわりを触ってみてください。すっきり細くなった実感が得られますよ。

年末イベントの食べ過ぎ対策に!【村木さん指導】ぽっこりお腹を引き締める肋骨ベルトメソッド

【6】ポッコリお腹を解消!硬くなった「大腰筋」をゆるめるメソッド


「大腰筋」とは、腰椎から骨盤を通り、太ももの内側にかけてつながっている、姿勢の維持や脚を引き上げる動作に関わる重要な筋肉のこと。

デスクワークなど長時間座る生活を続けると、この「大腰筋」は収縮した状態のまま硬くなってしまいます。これにより骨盤が前傾し、腰が反り返った「反り腰」に。すると姿勢が悪くなり、コルセットの役割をしている腹圧が弱くなり、内臓が下る、お腹が突き出た姿勢になってしまうことで「ポッコリお腹」に。

さらに骨盤内の血流が滞り、腸内環境が悪化してガスや老廃物が溜まることで、さらに下腹が膨らんでしまうことも! ですから、腸内環境を整える「腸活」としても、「大腰筋」をケアしていくことは大事なことです。

STEP.1:「大腰筋」の位置を確認

「大腰筋」の位置を確認
大腰筋は、腰部の深層から骨盤を通って大腿骨の上部にかけて存在する長い筋肉。体幹を安定させるインナーマッスルです。

STEP.2:2リットルのペットボトルのキャップ側を鼠径部に当てる

2ℓペットボトルのキャップ側を鼠径部に当てる
水が入っている2リットルのペットボトルのキャップ側を鼠径部に当てます。

STEP.3:STEP.2の状態のまま、片脚を曲げ伸ばしする

片脚を曲げ伸ばしする
ペットボトルの底の部分に両手を置き、軽く圧をかけるように押したまま、片脚の曲げ伸ばしを5回行いましょう。これをワンセットとして、鼠径部に沿って計6か所に圧をかけながら行います。
圧をかけるのは6か所で丸印で示している
圧をかけるのは、丸印の計6か所です。

ポッコリお腹を解消!【村木さん考案】深層筋をペットボトルでほぐすワザ

【7】腰痛解消にも!骨盤を安定化させる「大臀筋」ストレッチ


大臀筋とは、お尻を覆うようについている大きな筋肉。骨盤を安定化させて美しい姿勢の維持する役目や、歩行やランニングのサポート、基礎代謝に大きく関わっているので、柔軟にしておくことは大事なこと。

そして、たとえ腰痛の自覚がなくても座りっぱなしでいることが多い人は、大臀筋を圧迫し続けているので、ハリを失い丸みがなくなるため垂れ尻に…。だれもが積極的にケアしておくのがいいのですが、大殿筋は大きい筋肉なので、セルフマッサージはしにくいのが難点です。

そこでエイジングデザイナーの村木宏衣さんがおすすめするのが、座ったままでできる大殿筋ストレッチ。片足を使い、左右30秒ずつストレッチするのですが、たった1回で腰痛が軽減して下半身が軽くなるのを実感しますよ。計60秒で完了するので、デスクワークの合間にぜひやってみてください。

POINT:椅子に座り、左脚を右の太ももの上に乗せたまま前傾して体重かける

・まず、脚を腰幅に開いた状態で椅子に座り、左脚を右の太ももの上にのせます。そして右手で左の足首をつかみ、左手は左の膝あたりにおきます。
・次に体重をかけるように上半身を前傾しますが、左手は左膝をプッシュし、ストレッチの負荷をかけるようにしましょう。このまま30秒間キープを。反対側も同様に行ってください。

椅子に座り、左脚を右の太ももの上に乗せたまま前傾して体重かける

オフィスで腰痛解消&ヒップアップを!【村木さん指導】すぐに効く大殿筋ストレッチ

この記事の執筆者
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