ジェントルマン「紳士」とは、16世紀から20世紀初頭にかけて使われた、イギリスの支配階級を指す「ジェントリ」を由来に持つ。この言葉が、「紳士」という言葉に訳され日本に伝わってから、優に100年を超える。世界を代表する都市・東京からしか生まれ得ない新しい紳士像を確立し、そこに磨きをかけなくてはならない。伝統を愛しながらも、自由かつおおらかで、そして何よりも洒脱。MEN’S Preciousが提案する、東京という街にふさわしい装いや振る舞いにおける、50の流儀。それらを満たした新時代の紳士たちこそ、「東京ジェントルマン」と呼ぶべき存在なのだ。
■東京ジェントルマン50の極意:序章
1.スエードのブルゾンで、休日も紳士の品性をまとう

カジュアルスタイルの主役はブルゾン。素材は滑らかで毛羽立ちを抑えたキッドスキンのスエード。特徴はジャケット風の襟型で、襟と脇下はカシミア×コットンのニット。細部にまで行き届いた上質さはさすがロロ・ピアーナと感嘆! パンツの生地は伸縮性を備えたツイル。ベージュと白の淡い配色が知性的で、東京の街を散策する男の品性をどこまでも高める。
2.スーツスタイルの洒脱は、麻の風合いから生まれる

紳士のワードローブに欠かせない、リネンのスーツ。ベージュのヘリンボーンはリネンの素材感をありありと映し出し、洒脱さを引き立てる。胸に吸い付いた幅広のピークドラペルが男らしい。白のシャツもグレーのタイもリネン混の生地を使用。こうした風合いの統一感が、装いの完成度を高める。
■東京ジェントルマン50の極意:ルール1
東京ジェントルマンの第一歩! 究極のネイビースーツを探す

東京ジェントルマンを目指すなら、ネイビースーツは必須アイテムだ。ネイビースーツが、なぜこれほどまでに、普遍的なスタイルを確立してきたのか?スーツの基本にして応用力の広いネイビースーツ。ビジネスマンであろうとなかろうと、最低1着は持っておくべきネイビースーツを、注目すべきポイントを踏まえながら紹介する。
Ralph Lauren Purple Label ラルフ ローレン パープル レーベル
ネイビースーツの保守本流

薄手のウールを使い、ていねいに仕立てた、シングル2ボタンのノッチドラペル。スーツの正統的なデザインを堂々と着こなせることが、紳士の条件であり、本物のスタイルを知り尽くした矜持でもある。白無地のシャツにネイビー基調のタイを合わせ、保守本流のネイビースーツの着こなしを表現する。足元は堅牢な黒靴がふさわしい。
■東京ジェントルマン50の極意:ルール2
休日のスーツコーデ

スーツを着るのはビジネスシーンだけにとどまらない。その昔スーツはスポーツ競技にも使用されるほどの万能着であった。ここでは休日にふさわしいスーツスタイルを紹介する。
リラックスした休日でもエレガントな着こなしを!
Stile Latino スティレ ラティーノ

ナポリの巧みな仕立て技を駆使して仕上げた、肉厚の感触が絶妙なコットンスーツ。シングル3ボタン段返りのノッチドラペル、パッチポケット仕様のサイドポケットのディテールから、正統ながらも洒脱な香りが漂う。白のシャツにブラウンベースのレップタイが洒落ている。
Stile Latino ベルヴェスト

薄手のホワイトコットン素材を使った、一枚仕立てのシングル2ボタン。3パッチポケットのディテールで、カジュアルな雰囲気をかもし出している。ネイビーのクラシックなポロシャツを合わせ、プリントのストールをアクセントにして着こなしたい。足元は、コンビのローファーを合わせる。
■東京ジェントルマン50の極意:ルール3
東京でスーツを仕立てる
男にとって必要なのは、バー感覚で立ち寄れる馴染みのテーラーを持つことだ。主人と話すことでファッションに対する知見が広がり、新しい発見があるかも知れないからだ。真の東京ジェントルマンを目ざすなら、馴染みのテーラーを持つことをおすすめする。

「サルトリア イプシロン」
住所:東京都中央区日本橋本町4-7-1 イマスHKビル5F-B
TEL:03・6225・2257
営業:10時~19時30分
納期:約2か月半
問い合わせ http://www.sartoriaypsilon.com

南青山 「チッチオ」
住所:東京都港区南青山5-4-43
TEL: 03・6433・5567
営業:11時~20時
納期:約6か月
問い合わせ http://www.ciccio.co.jp
■東京ジェントルマン50の極意:ルール4
良いジャケットを選ぶコツはこの6つ

ジャケパンスタイルを構成するアイテムで、もっとも重要なのがジャケットだ。配色やバランスも大切だが、より良いジャケットを選ぶことは、あなたのジャケパンスタイルを格段に進化することだろう。良いジャケット選びのポイントは肩のつくり、襟、胸ポケット、ラペル、そで、内側の6つ。これを念頭に置き、良いジャケット選びの参考にしていただきたい。
ジャケット選びのポイント

B襟/肩のラインから、なだらかに上襟に繫がる美しい曲線が大切。ジャケットのつくりのよさを見極める重要ポイントは、上襟が首回りをしっかりと覆っていること。
C胸ポケット/隆々とした男らしい胸のボリューム感を、ポケットの口を曲げてつくり上げる。バストにフィットしながらも、適度な空間を保つふくらみのある仕立てが最高だ。
Dラペル/美しく完璧なる仕立てを表す部分では、ラペルの形状も見逃せない。ジャケットの前身から、やわらかくロールした形がポイント。ふくらみあるラペルに注目。
Eそで/着用感と腕の動きの快適さを決めるのは、そでの付き方にある。脇の下の近くにそでぐり(そで穴)が位置し、適度に生地をいせ込み縫製することで完璧となる。
F内側/ていねいにつくられたジャケットは、裏地の縫製にも表れる。内ポケットのお台場仕上げは、裏地替えに最適な仕立て方。シャツとのなじみがいい総裏地が基本。
■東京ジェントルマン50の極意:ルール5
男の色気はこう作れ! ジャケパンコーデはこれで完璧
ビジネス・カジュアルなどジャケットはさまざまなシーンで大活躍するアイテムの一つである。だが、そのコーディーネートもさじ加減が必要である。品良くみせたり、リラックスした雰囲気を出したりと、大人の余裕を演出しなければ意味がない。ここではジャケットの着こなしについて紹介する。
【ジャケパンスタイル1】

ピークドラペルを配したダブル6ボタンの、一枚仕立てによる軽快なジャケット。薄手のウールで仕立てたジャケットのため、軽快なコットンのタートルと、ウォッシュ加工を施した、やわらかいデニムとよくなじむ。
アクセントに軽やかなリネンのストールを選び、足元には黒のローファーを合わせ、往年の名歌手・ゲンズブールを気どる、洒脱な着こなしを楽しみたい。
【ジャケパンスタイル2】

鮮やかなブルー生地を使ったブレザーは、タイドアップしても清涼感のある着こなしが楽しめる。そんなジャケットには、薄手のコットンニットとストライプシャツを合わせ、ジャカードのブラウンタイで胸元を飾る。
タイの色彩に合わせて、パンツをコーディネートすれば、イタリアで評判のマローネ・エ・アズーロの着こなしを表現できる。さりげなくトレンドを加えるのがポイントである。
【関連記事:男の色気はこう作れ! ジャケパンコーデはこれで完璧】
MEN'S Preciousが提案する、東京ジェントルマンの極意を1〜5まで紹介しました。あなたが理想とする「紳士像」は見えましたか?まずは、ここで紹介したルールをどれかひとつ実践してみてください。
※価格はすべて税抜です。※価格はすべて2016年春号掲載時の情報です。
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
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