【目次】
肩こりが起こる理由と解消法
肩こりの原因には姿勢の悪さや冷え、ストレスなどが関係しています。まず、悪い姿勢を続けていると習慣的に体にクセがついてしまいます。それにより体がアンバランスな状態になると筋肉のこりが固まり、血流が不足し、慢性的な肩こりになってしまうのです。さらに、冷えやストレスも、体内では血流不足の引き金に…。長い間血の巡りが悪いと、筋肉はやわらかさを失って肩こりが悪化していきます。長時間パソコンやスマホの画面を見続ける現代では、これらが複合的に関係していることが多いのです。つまり現代人の肩こりは、内的なストレスや姿勢の悪さや冷えといった外的な要因によって生じた血流不足が、大きな原因ということ。
このような状況を医療法人了德寺会を主宰する了德寺健二さんは、「血流は体中の細胞に酸素と栄養を運んでいます。血流が十分でないと、酸素と栄養が体中の細胞に十分に運ばれず、様々な体調不良の原因になるのですが、肩こりも同様です。特に大事なのが毛細血管にいたるまで、血流が十分であること。栄養と酸素が肩の筋肉に十分に行き渡っていれば、柔軟でしなやかな状態が保たれ、固くなりにくいのです。 毛細血管の血流が不十分な状態が続くと、いくら肩を揉んで筋肉をやわらかくしようとしても、固いままの状態が続いてしまいます」と警告します。要するに、私たちは普段から血液の循環について気をつけておく必要があるのです。
「血流アップ」のツボ【5選】
12個のツボのなかから、ストレスフリー療法によく使われる5つのツボをご紹介します。ひとつめのFのツボは万能のツボ、了德寺さんいわく究極のツボだそうです。4つめの眼窩上孔のツボと5つめの眉間のやや上のツボは、視力回復にいいツボ。さらに見た目も若々しくなる、若返りのツボでもあります。肩こりの原因となる目の疲れにもピッタリです。
【1】左右のFのツボ
・足裏のツボで、親指と人差し指の間から垂直に下に伸ばした線と、内くるぶしから伸ばした線が交わる箇所にあります。
・万能点のツボ。 生活習慣病をはじめ幅広く効果があります。
【2】お腹のツボ
・胸骨剣状突起(肋骨の枝分れするところ)とへその中間にあるため、別名は中院。
・胃の不調や糖尿病を改善し、子宮や内臓の位置異常を癒します。
【3】脛のツボ
・脛骨粗面(脛の骨から膝に向かって指をなぞって自然に止まる場所)とツボ・陽陵泉(脛のやや下にある骨のでっぱりから親指1本分下)の2点を結ぶ中間にあります。
・足の三里と呼ばれる著名なツボ。胃炎、胃下垂などの消化器系疾患をはじめ、中風、座骨神経痛、蓄膿症など幅広く効果があります。
【4】眼窩上孔のツボ
・まゆ頭の内側から眉の3分の1ほどのところに、左右それぞれひとつずつあります。
【5】眉間のやや上のツボ
・【4】と【5】の眉間のツボは3点同時に刺激し、血流を高めます。
アンチエイジング効果も!肩こり解消や血流アップもできる「万能ツボ」7選
「筋肉をほぐす」マッサージ【4選】
【1】肩こり&気分もリフレッシュ!「頭蓋骨」マッサージ
・この頭蓋骨マッサージは左右同時にできますし、道具も時間もかかりません。
・ストレスや不眠、自律神経の乱れから、眼精疲労、鼻水、鼻づまり、歯の問題や食い縛りからくる肩こりなどに対応できます。
<STEP.1>耳の上のマッサージ
・両手の指の第2関節を曲げ、薬指と小指の第2関節を耳の上にぐっと押しあてます。
・そして耳の上を、3段階に分けてマッサージします。1段階につき、10数えるくらいの長さを目安に。
<STEP.2>こめかみのマッサージ
・両手を軽く広げ、小指球(手のひらの小指の付け根の、盛り上がっている箇所)をこめかみの下あたりにぐっと押しあて、グルグルと後ろまわしで10回マッサージします。
・その後、両手をこめかみの、くぼみのあたりにあて、やはり10回マッサージします。
<STEP.3>後頭部のマッサージ
・両手でこぶしをつくり、小指の第3関節を後頭部の耳の下、頭蓋骨の下の端あたりにぐっと押しあてます。
・頭蓋骨の下のラインに沿って手を中心部へ移動させながら、4段階に分けてマッサージします。
・1段階につき、10数えるくらいの長さを目安にしましよう。
・4段階目では、片方の手の小指の第3関節を、後頭部の左右ど真ん中、髪の生え際の少し上のくぼみのあるあたりにぐっと押し当てます。
・このとき、両方の手でマッサージするのが難しい場合は、片方の手ずつやっても構いません。
・4段階目の場所を小指で押すのが難しい場合は、親指でもんでも構いません。
<STEP.4>側頭部を温めてリラックス
【まとめ|肩こり解消「頭蓋骨」マッサージの4か条】
1.マッサージの時間は、1回あたり 3分程度を目安に。
2.少し強めの力でマッサージすると、より効果的。頭皮をただもむのではなく、頭蓋骨をもむつもりで。
3.側頭部を温める際、「なかなか温まらない」と感じた方は、手を10~20回素早くこすり合わせ、手を温めてから行うのがおすすめ。
4.無理のないペースで深呼吸(腹式呼吸)をしながらマッサージすると、リラックスできるうえ、血液やリンパの流れもよくなる。
肩に触れないのに絶大な威力が!肩こり解消「頭蓋骨マッサージ」4ステップ
【2】首&肩こりに効く!「胸鎖乳突筋」マッサージ
・もともと筋肉は、柔軟に伸び縮みするのですが、スマホやパソコンをうつむき状態で長時間作業していると筋肉は緊張状態に。本来のしなやかさを失って、縮み硬くこわばる…。
・脳がこりによる痛みを感じると、さらに筋肉は緊張して硬くなり、どんどんこりが悪化。この負のスパイラルによって慢性化してしまう…という説も。だから、こりはこまめに解消するのが最善策。
<STEP.1>ほぐすのは後頭部と鎖骨をつなぐ胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)
・後頭部と鎖骨をつなぎ、首の前で頭の重さを支える「胸鎖乳突筋」は首を回すときに使う筋肉。
・パソコンやスマホを見るとき、つい首が前に出てしまうのですが、長時間その状態が続くとここが収縮して硬くなり、こりを引き起こします。
・「胸鎖乳突筋」をほぐして緊張をゆるめると、首が正しい位置に戻り首全体の筋肉もほぐれますよ。マッサージするのは丸印の5か所。
<STEP.2>首の後ろ側の骨に両手の4本指をひっかける
・首の後ろ側にある凸凹した真ん中の骨に、両手の親指以外の4本指をひっかけるようにしておく。
<STEP.3>親指で胸鎖乳突筋を押さえ「うんうん」「いやいや」と首を動かす
・押すポイントは、STEP.1の丸印の位置。親指で横から胸鎖乳突筋を押さえながら、「うんうん」「いやいや」と首を小さく縦と横に振る。こうすると力を使わなくてもしっかりと深く圧をかけることができます。
・これを各5回、2セット行いましょう。ただし、前側から押さえると頚動脈を圧迫して危険なので要注意。必ず横から押さえてください。苦しいと感じたら位置を変えて。
【まとめ|つらーいスマホ首をケアする、「首こり解消」マッサージ4か条】
1.スマートフォンやパソコンの使いすぎで、首や肩のこりは深刻化…。これがたるみを引き起こす!
2.こりとは筋肉が硬化した状態。血管が圧迫されて血流も悪くなるのでマッサージでこまめにほぐすこと。
3.首こりのターゲットは胸鎖乳突筋なので、ここをほぐすのが得策。
4.胸鎖乳突筋をほぐすときは横から押さえること。前側から押さえると頚動脈を圧迫して危険なので要注意。
首こりを放っておくとたるみが進行!簡単「スマホ首」解消マッサージ
【3】巻き肩も解消!「烏口突起」マッサージ
・「烏口突起(うこうとっき)」とは、巻き肩に大きく関わる「上腕二頭筋腱短頭(じょうわんにとうきんたんとう)」や「上腕筋(じょうわんきん)」、「小胸筋(しょうきょうきん)」という筋肉がつく骨のこと。
・肩関節の手前の鎖骨下にある、丸いボタンのようなところで、ここを押さえて行うことで、凝り固まった筋肉がしっかりと緩みやすくなります。
<STEP.1>まずは「烏口突起」の位置を確認
・肩関節のちょっと手前の鎖骨下にある、丸いボタンのような骨が「烏口突起」。
・腕の筋肉、胸の筋肉と繋がっていて、巻き肩と大きく関わる骨です。
<STEP.2>腕を前後に小さく振る
・「烏口突起」を押さえたまま、腕を前後に小さく振る動作を左右30秒ずつ行って。
<STEP.3>手首から腕を回旋させる
・お遊戯の「きらきら星」のように、手首を回旋させましょう。これを左右30秒ずつ行います。
【まとめ|腕を振るだけで「巻き肩」を解消するメソッド4か条】
1.おばさん猫背になってしまうのは、肩が内側に入る「巻き肩」が原因。
2.「巻き肩」は胸と腕の筋肉が硬く収縮してしまうことで起こりやすくなる。
3.烏口突起を押さえながら、腕を振る、手首を回旋させると胸と腕の筋肉が緩む。
4.胸と腕の筋肉のこりがほぐれると、正しい姿勢をキープしやすくなるし、肩こり解消、バストアップに。
テレワークで巻き肩が急増中! 仕事の合間にできる「肩こり」解消法とは?
【4】首・肩こり・頭痛対策に!「後頭下筋群」をほぐすメソッド
・パソコンやスマホを使いすぎたり、ストレスや緊張が続いている人に起こりやすい首こり。
・放っておくと肩こりや背中の張りにも繋がる。
・すでにつらい、という人はスマホ首と呼ばれるストレートネックにならないように、対策が急務。
・頭と首をつないでいる筋肉である後頭下筋群をほぐすメソッドがおすすめ。
<STEP.1>頭と首の境目をプッシュしたまま、頭を後ろに倒す
・頭と首の境目をプッシュすることで頭と首をつなぐ筋肉である後頭下筋群にアプローチ。
・プッシュするのはぼんのくぼから1㎝くらい右側の位置から1cmおきに計3か所。
・この位置をプッシュしながら、頭を後ろに倒し、その体勢のまま10秒間深呼吸しながらキープしましょう。
<STEP.2>STEP.1の体勢のまま、首を横に小さく振る
・頭を後ろに倒したまま、首をイヤイヤイヤと小さく左右に振ります。これを6回繰り返す。
・ぼんのくぼから1㎝くらい右側の位置から、1㎝おきに計3か所でSTEP.1、STEP.2の動作を行う。
・左側も同様に。
【まとめ|スマホ首、慢性頭痛対策に。プッシュするだけで首こりを解消するワザ4か条】
1.パソコンやスマホを使いすぎたり、ストレスや緊張が続くと首こりに。
2.放っておくと疲れが取れにくくなるし、頭痛を引き起こすことも。
3.慢性化するとスマホ首と呼ばれるストレートネックになるので対策が急務。
4.頭と首をつないでいる筋肉である後頭下筋群をほぐすのが有効。
スマホ首、慢性頭痛対策に!プッシュするだけで首コリを解消するワザ
- TEXT :
- Precious.jp編集部