今、女性を中心に人気の薬膳火鍋。スープの香辛料や生薬などの知識を深めれば、もっとおいしくいただくことができるのではないでしょうか。

前編では、薬膳火鍋の魅力や代表的な香辛料・生薬について紹介しました。後編では、さらに3つの香辛料・生薬の基本情報や効果と、薬膳火鍋をよりおいしくいただくためのポイントを国際薬膳師の方に教わります。

【前編:美容やアンチエイジングに効果絶大!人気の「薬膳火鍋」の香辛料、その効能を知ってる?】

冬のホームパーティーの主役にも最適な薬膳鍋

薬膳火鍋に使われるスープの香辛料・生薬

前編でご紹介したナツメ、クコの実、党参(とうじん)に続いて、薬膳火鍋に使われる代表的な香辛料・生薬のうち、日本ではあまり知られていないものの基本情報や効果を、国際薬膳師の岡尾知子さんに解説していただきました。

■4:良姜(りょうきょう)

ショウガ科ハナショウガ属植物の根茎
生薬名「良姜」「高良姜」

「良姜は高良姜(こうりょうきょう)ともいわれ、『姜』の字がつく通り、生姜の仲間で、辛味があり、体を温める効果があります。生姜との違いは、温める作用が向かう場所にあります。生姜は体表を温め、毛穴や皮膚のキメを開いて発汗させるのに対し、良姜は体内を温め、特に胃の冷えを取り除きます。お腹が冷えることによる腹痛の緩和や、冷えによって消化機能が低下した際の吐気、げっぷ、下痢などに有効です。温め効果が強いので、冬の寒い時期や冷え性の人におすすめです」

■5:竜眼(りゅうがん)

ムクロジ科のリュウガンという熱帯植物の果実
生薬名「竜眼」「竜眼肉」

竜眼

「竜眼は、同じムクロジ科のライチに似たフルーツです。薬膳食材では、皮ごと乾燥させたものが使われ、皮を軽く割って紅茶と一緒に煮出したり、皮のまま薬膳鍋に入れたりします。皮の中には、乾燥した果肉が入っていて、これを『竜眼肉』といいます。竜眼肉には『血』を補う作用があるとされ、心身の虚弱に効きます。特に不眠、健忘、倦怠無力感などの症状がある人によいでしょう。薬膳鍋では、丸い皮のまま入っていると思いますが、ぜひ皮を割り、中の果肉まで食べてみてください」

■6:蓮子(れんし)

スイレン科ハスの種子
生薬名「蓮子」

蓮子

「蓮子は水で戻してからゆでると、ほくほくとした栗のような食感になり、台湾や中国などでは甘く煮てスイーツなどに使います。辛味やクセがなく、料理に使いやすい食材でありながら、薬効も高いのが特徴。収斂作用によって『漏れ』の症状をとめる作用と、精神を安定させる作用に優れています。漏れを止める作用は、虚弱体質や加齢によって下痢しやすい人や、『腎』の虚弱による不正出血、帯下などにおすすめ。精神安定作用は、不眠や動悸のある人におすすめです。効果効能からも推察できるように、加齢による体や心の揺れが気になってくる40代からの女性に勧めたい薬膳食材です」

「蓮子」を含む漢方薬
・精神安定効果を狙った薬「清心蓮子飲(せいしんれんしいん)」

薬膳鍋をより楽しむためのポイント

岡尾さんに、これらの香辛料や生薬の入った薬膳鍋をより楽しむためのポイントを教えていただきました。

薬膳鍋

今回ご紹介したような乾燥させた薬膳食材は、浸水させてスープをつくる最初の段階から加えるとじっくりエキスが出ます。組み合わせは自由に楽しんでOKですが、辛味のあるスパイス系のものは控えめの量から試してみてください。乾燥した素材以外に、ねぎやしょうがを加えたり、パクチーなどを薬味としてプラスしたりすると、さらにおいしい薬膳鍋を楽しめると思います。

寒い時期に体を温めてくれる薬膳火鍋。美容や健康によいヘルシー鍋ですが、香辛料・生薬の効能まで知っておくだけで、さらなる効果を得られるのではないでしょうか。こちらの記事を参考に、火鍋店を訪れるか、ご自宅で「オリジナル薬膳火鍋」にチャレンジしてみてくださいね。

岡尾 知子さん
国際薬膳師、国際中医師
(おかお ともこ)ライター、編集者として仕事をする中、東洋医学に関心を持ち、薬膳や漢方について学ぶ。薬膳教室や雑誌、書籍、webサイトなどを通じて、東洋医学のよさを伝える。LOTUS薬膳教室主宰。
「薬膳ノート」
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
EDIT&WRITING :
石原亜香利