先生、教えてください!【シミ治療にまつわるQ&A】
いつかなんとかしなければ…、そう思いつつ時間だけが流れていたりしませんか? 気になるシミは、紫外線量が減る今がまさに、治療開始のタイミングです。
どんな手段がある? 何を基準にどう選べばいい? Q&Aからクリニックでの治療内容やセルフケアまで、じっくりとご紹介します。
今回は【シミ治療にまつわるあらゆる疑問】に、美容クリニックの先生4名に詳しく解説していただきました。
●教えていただいたのは…
・ウェルクリニック…根岸圭先生
・ウォブクリニック中目黒…高瀬聡子先生
・銀座ケイスキンクリニック…慶田朋子先生
・クロスクリニック銀座 院長…石川浩一先生
(五十音順)
Q. シミ治療にベストのタイミングはありますか?
A. シミの治療中は、強い紫外線を浴びないように注意することが求められます。UVカット料を使うなどの紫外線対策はマストです。
「シミ治療は年間を通して行います。いつ始めても問題はないのですが、紫外線量が減る秋冬は、メラニンの活動が鎮まるので治療効果が見えやすいといえます」(クロスクリニック銀座 院長 石川浩一先生)。
迷っているなら、ぜひこの時期に始めることをおすすめします。
Q. 治療期間や費用はどれくらいかかりますか?
A. 「シミの種類・個数・大きさ・状態、どのシミをどうしたいのかという希望により違ってきます。小さめの老人性色素斑や脂漏性角化症なら1度でとれることも」(ウェルクリニック 根岸圭先生)。
期間を必要とするのは、ADM(あざ)と肝斑です。詳細は事前にクリニックに確認を。
Q. シミ治療にはどんな選択肢がありますか?
A. 「大きく分けると、レーザーや光を照射してメラニンを壊す“打つ”治療、薬を服用する“飲む”治療、薬剤を皮膚から入れる“塗る”治療の3種類があります。それぞれにメリットとデメリットがあります。シミの状態と希望に合わせて最適な治療を選びましょう」(銀座ケイスキンクリニック 慶田朋子先生)
1. 「打つ」治療
ピコレーザー・ロングパルスレーザー・フォト系の3種があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
●ピコレーザー:メラニンの破壊力において世界最高レベルの切れ味のレーザー。
メリット:長くシミ治療に用いられているQスイッチレーザーで生じるような炎症後色素沈着のリスクが低い。濃いシミの治療後にテープ保護が必要ない。薄いシミへの効果も高い。
デメリット:やや痛みがある。赤みなどのダウンタイムが数日間生じる。
●ロングパルスレーザー:波長532nmのYAGレーザーなどを、顔全体に低出力で照射し、沈着したメラニンを破壊する治療。
メリット:肝斑があったり、蚊に刺されるとシミになりやすい人でも治療可能。コラーゲン産生を促すので美肌効果もある。
デメリット:複数回の治療が必要。濃いシミはとれにくい。
●フォトフェイシャル(フォト治療、光治療、IPL):光を照射して美肌効果をもたらす治療。
メリット:痛みが少なく、薄いシミやくすみだけでなく、赤みやニキビ、小ジワなど多種の悩みが改善できる。
デメリット:薄いシミ部分が、数日間、薄く淡いかさぶた様になる。複数回の治療が必要。
2. 「飲む」治療
肝斑がある場合、トラネキサム酸の服用からスタートする場合も。打つ治療と並行して、トラネキサム酸、ビタミンCなどの服用をすすめられる場合がある。
メリット:痛みやダウンタイムがない。シミが濃くなるリスクがない。
デメリット:飲む治療のみだと、結果が出るまで数か月単位で時間がかかる。自己判断で治療を途中で止めてしまう場合も。
3. 「塗る」治療
メラニンの産生を抑制するハイドロキノン、メラニンを含む角層の代謝を促すレチノイン酸などがあり、打つ治療と併用、また単独で治療する場合もある。
メリット:痛みやダウンタイムがない。
デメリット:効果が出るまで、数か月単位で時間がかかる。
Q. そもそも自分のシミの種類がわかりません。
A. 「問診、機器によるスキャン、目視などでシミの種類を特定していきます。多くの人は、複数のシミが混在し、上下に重なって存在する場合も。それぞれのシミに最適な治療を行う必要があります」(石川先生)。
シミの種類を見誤ると、治療効果が出ないどころか悪化してしまうことも。シミを的確に診断できる医師にかかることは絶対です。
ソバカス:幼少期から左右対称に生じる点状の色素沈着。打つ治療でほぼ見えなくすることができる。
ADM(あざ):思春期から頬などに左右対称で生じる、シミのように見える遺伝性のあざ。レーザーを用いれば、きれいに取り去ることが可能。
炎症性色素沈着:傷痕や、日常的に擦るなどして、皮膚が炎症を受けたあとに生じる色素沈着。
脂漏性角化症:別名老人性いぼ。主に40代以降に生じ、加齢と共に増える良性腫瘍。やや盛り上がっていることが特徴。
老人性色素斑:輪郭がはっきりしており平坦な、いわゆるシミのこと。紫外線を浴びやすい頬やこめかみ、手の甲、肩や背中などに生じることが多い。
肝斑:30代くらいから頬やあご、鼻の下などにできる境界線があいまいな薄茶色の色素斑。左右対称に生じる。
Q. 治療しても治療しても、シミがなかなかなくなりません。
A. 「肝斑があるのに強すぎる光治療を受けているとシミがなくなるどころか、濃くなる場合が。肝斑には内服や、摩擦を徹底的に排除する必要がありますが、その点を疎かにしている可能性も考えられます。また、あざ(ADM)や脂漏性角化症なのにシミ(老人性色素斑)の治療をしていると、治療法が異なるのでなくなりません」(根岸先生)。
「従来型のレーザーでとったシミが再発した場合、次は、最新のピコレーザーを用いることで、再発しづらくなる可能性があります」(慶田先生)。
シミの種類を正しく診察でき、かつピコレーザーでの治療が可能なクリニックを選ぶのが鉄則です。
Q. 日焼け止めを塗っていても、シミが増えたり濃くなるのはどうしてですか?
A. 「日焼け止めの効果は100%ではありません。また紫外線以外の精神的ストレスやホルモンバランスの崩れも、シミの発現や濃さに影響を及ぼします」(ウォブクリニック 高瀬聡子先生)。
だからといって、日焼け止めを軽んじてよいという話ではありません。日中は、日焼け止めで肌が隙間なくきちんとカバーされた状態を保ちましょう。
問い合わせ先
- ウェルクリニック TEL:03-6263-2236
- ウォブクリニック中目黒 TEL:0120-411-281
- 銀座ケイスキンクリニック TEL:0120-282-764
- クロスクリニック銀座 TEL:0120-51-2590
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- ILLUSTRATION :
- 瀧川裕恵 、きくちりえ(Softdesign LLP.)
- EDIT&WRITING :
- 柳田美由紀、佐藤友貴絵(Precious)