東京・大手町にある、星野リゾートが手がける日本旅館「星のや東京」。「塔の日本旅館」をコンセプトとする同館は、地下2階、地上17階の縦の空間に、畳敷きの玄関や伝統的な和室、お茶の間ラウンジや最上階の温泉など、和の空間が広がります。

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星のや東京 2F「畳の間」

2023年5月31日(水)までの期間、2Fの「畳の間」にて、「Nippon キュイジーヌ ~発酵~」と江戸文化を代表する茶の湯を掛け合わせた宿泊者限定の「苺薫るアフタヌーンティー」が提供されています。

本記事では、一日一組限定の特別なアフタヌーンティーを、体験レポートを交えてご紹介します。

旬のいちごをペアリングとともに楽しむ!星のや東京「苺薫るアフタヌーンティー」

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アフタヌーンティーが収められた箱が登場

江戸時代を代表する茶の湯を現代に表現し、茶事の流れに沿って、点心・主菓子・干菓子を楽しめる「苺薫るアフタヌーンティー」。

最初に目にするのは、畳の間に提供される木箱を模した四角い箱。中身の見えない箱に、アフタヌーンティーへの期待が高まります。

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宝石のようなお料理やお菓子が並ぶ重箱

紐を解いて開封していけば、美しい玉虫色に輝く重箱が登場。重箱に並ぶのは、主菓子と干菓子にあたる10種類のミニャルディーズと、4種類の点心です。まるで宝石のようにきらめく美しい点心やお菓子に心奪われます。

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お重を近くで見ると、きらきらと玉虫色に輝いていました

古くから濃茶の菓子器として、縁高のお重が使われてきた伝統に倣い、玉虫細工を施したオリジナルの重箱でアフタヌーンティーが提供されます。漆塗りのお重には、1mm四方にカットされた玉虫の羽がちりばめられ、目を奪われるほどの輝きを放っています。

玉虫細工は、古代日本建築を知る上で重要な遺品である法隆寺の玉虫厨子(たまむしのずし)にも使用され、推古天皇の御物(ぎょぶつ)とも言われてきました。

約1,300年もの時を越えて、人々を魅了する玉虫の羽をあしらったこだわりの重箱で、優雅なひとときを過ごしてほしいといった、星のや東京の想いが込められています。

点心4種類とスパークリング日本酒のペアリング

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点心にあたる押し寿司からスタート

「苺薫るアフタヌーンティー」では、メニューすべてに発酵食品が使用されています。星のや東京の総料理長独自の料理形式「Nippon キュイジーヌ」の流れを汲んだ、従来のイギリス式のものとはひと味異なるアフタヌーンティーを楽しむことができます。

最初にいただく、点心にあたる押し寿司は4種類。柚子胡椒の効いた「スモークサーモンとサフランライス」や、奈良漬けがアクセントの「アスパラとキャビアのバルサミコ酢」、醤油麹醤を使った「煮穴子と山椒の酢飯」、煎り酒が隠し味の「桜鯛と白板昆布の桜酢飯」と、それぞれ旬の食材やこだわりの発酵食材を使い、個性豊かに仕上げられています。

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「スモークサーモンとサフランライス」

点心とペアリングするのはスパークリング日本酒です。いちごのシロップを底に沈ませた、2層からなる日本酒はとっても華やか。そこまで強い日本酒ではないため、普段あまり日本酒を飲まれない方でも楽しめます。

すっきりと、清涼感のある飲み口の中に、日本酒の風味が香ります。もちろんそれぞれの押し寿司との相性も最高で、日本酒の味わいが邪魔になることもありません。飲み進めるにつれて、いちごのシロップの風味が増して、より甘さが感じられるようになるのもポイントです。

「猿田彦珈琲」のオリジナルブレンドと合わせる5種類の主菓子

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主菓子は全部で5点

続く主菓子の登場です。もちろんこちらの主菓子にも、それぞれ違った発酵食品が使われているんですよ。

ほのかな甘酒の風味が漂う「甘酒と苺のフィナンシェ」、紅茶の香り高い「和紅茶と苺のムース」、マスカルポーネを使った「ピスタチオと苺のムース」、サワークリームを効かせた「3種のベリーと苺のジュレ」、そしてクリームチーズが濃厚な「苺のチーズケーキ」の4種類。

今回すべてのミニャルディーズにいちごが使用されており、華やかな赤が目を惹きます。

“発酵食品”という文字からは、「健康によさそう」「でもどうやって取り入れたらいいかわからない」というようなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、甘酒を生地に練り込んだ焼き菓子や、チーズを使った生菓子など、気負うことなく自然に発酵食品をいただけるのも、本アフタヌーンティーの魅力のひとつ。

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猿田彦珈琲のオリジナルブレンド

主菓子のペアリングとしていただくのは、茶事のメインである濃茶と同じように分け合って楽しめる、フレンチプレスで淹れたオリジナルコーヒー。スペシャルティコーヒー専門店「猿田彦珈琲」の協力の元、このアフタヌーンティーのために開発されたオリジナルブレンドです。

まるで紅茶のようなすっきりとした飲みやすさのブレンドコーヒーがいちごの味わいを引き立てます。専門のスタッフによれば、浅煎りながら、ブレンドすることによって、酸味を抑えたコーヒーに仕上げているのだそうです。確かに酸味や苦味が強くなく、飲みやすい味わいでした。

香り豊かな薪火晩茶とともにいただく5種類の干菓子

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干菓子5種類

そして最後は干菓子の登場です。こちらにもすべて、いちごと発酵食品が使用されています。

気になる内容は、発酵バターを使った「苺のルリジューズ」、発酵柚子シロップを使った「苺のショートケーキ」、「発酵餡子と苺のマカロン」、「発酵白餡と苺のタルトフレーズ」、そして発酵緑茶を使った「蓬と苺のオペラ」の5種類です。

「苺のショートケーキ」には現在あまおうが使用されており、その時々で一番おいしいいちごを使って作られているとのこと。ふんわりと軽い食感のスポンジやクリームが、いちごの酸味や甘みを引き立てていました。

味わいの違いはもちろんのこと、食感の違いでも楽しめる本アフタヌーンティー。ひとつひとつが小さいのに奥深く、味や食感、香りなど、豊かに感じられることにも感動しました。

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まさに茶の湯の雰囲気さながらの「畳の間」でいただくアフタヌ-ンティー

畳の間には、茶釜(お茶を点てるためのお湯を沸かす釜)や、柄杓(ひしゃく)が用意されており、まさに茶の湯の雰囲気さながらにアフタヌーンティーは進みます。

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香りのとてもよい薪火晩茶

最後の干菓子に合わせるのは薪火晩茶。自然栽培で育てられた茶木を、薪火でじっくり焙煎する製法で作られたお茶なのだそうです。

ルリジューズやタルトフレーズといったフランス菓子とのマリアージュも最高で、できることなら優雅な時間がこのまま続いてほしい……と願ってしまうほど。それだけ素敵な時間を過ごさせていただきました。


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「苺薫るアフタヌーンティー」1名 ¥12,000(税・サービス料込、宿泊料別)

星のや東京で2020年8月に提供が開始された「Nippon キュイジーヌ ~発酵~」は、免疫力を高めるのに効果的といわれる発酵食品と、フレンチの融合を楽しめるコース料理です。発酵×フレンチのエッセンスが存分に生かされたアフタヌーンティーは、まさに星のや東京ならでは。

「苺薫るアフタヌーンティー」は、1日1組(2名)限定。専属のスタッフに淹れていただくコーヒーやお茶と一緒に、茶の湯さながらのアフタヌーンティーをいただくひとときは格別です。

星のや東京にお泊まりの際には、ぜひ「苺薫るアフタヌーンティー」もあわせてお楽しみくださいね。

※外出時には新型コロナウィルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。

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この記事の執筆者
フリーランスの編集者・ライター。グルメやスイーツ、ライフスタイル系の記事執筆・編集を中心として活動中。元システムエンジニア、プログラマの経験を持つ。二児の母。趣味は料理、SNS、写真を撮ること、美味しいものを食べること。麺類と辛いもの、自分のために買うご褒美スイーツが特に好き。
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EDIT :
小林麻美