雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、連載しています。

今回は、「SGEC/PEFCジャパン」マーケティング&プロモーション部長、堀尾 牧子さんの活動をご紹介します。

堀尾 牧子さん
「SGEC/PEFCジャパン」マーケティング&プロモーション部長
大学卒業後、外資系銀行、フリーランス通訳などを経て、「SGEC/PEFCジャパン」の前身である「PEFCアジアプロモーションズ」へ。日本・オーストリア文化交流会~クライネ・クローネ代表、クローネマキコとしても活動。

その製品は持続可能な森林からのもの?国際的な認証制度の拡大を目指す

丸っこい木と三角の木に「PEFC」(※)の4文字をあしらったマーク。食品や飲料のパッケージで見たことがあるかもしれない。堀尾さんは、この世界最大の国際森林認証制度「PEFC」の日本支部で、マーケティング&プロモーション部長として活動している。

「森林認証とは『木材が、持続可能に管理された森林から伐採されたものであることを認証する仕組み』です。世界的な森林の減少・劣化が大きな問題となるなか、1992年の地球サミットで『持続可能な森林管理』が提案され、そこから制度が整備されていきました。PEFCは1999年創設。現在55か国が加盟しています」

PEFCの大きな特徴は、「相互認証」を行っているということ。ひと口に「持続可能な管理」といっても熱帯、温帯、寒帯では森林の種類も違うし、その国の歴史や文化、慣習によって、最適な森林管理の方法も異なってくる。PEFCは画一的な基準を決めてそれを“守らせる”のではなく、各国が独自に定める認証制度(日本ではSGEC)の規格が、PEFCの求めるグローバルスタンダードを満たしているかを審査。各国の事情を尊重しながら、足りない部分を指導し“引き上げていく”。

そうして認証を受けた森林の木材は「認証材」と呼ばれ、建材になったり、製品になったりして、我々消費者の目に触れる。PEFCマークは、森から製品までのサプライチェーンで途切れることなく認証をクリアしている証だ。

「森林から製品までの長い道のりの間で、認証を1社でも1品でも増やしていくのが私の仕事。環境問題と聞くと遠い世界のことのようですが、日常とつながっているのだと、日々実感しています」

パッケージや製品にマークを見つけて

インタビュー_1,サステナブル_1
コピー用紙や紙パックなどにPEFCマークが。建物などプロジェクトも認証対象。

全世界のメンバー国が集まる機会も

サステナブル_2,インタビュー_2
コロナ禍前は年に2度、全世界のPEFCメンバー国が集まり、情報交換。左は昨年ダブリンでの写真。

PEFCとは…PEFCが認証した森林は、全世界で約3億ヘクタール。その活動はSDGsのすべての目標に貢献しているとされている。

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PHOTO :
篠原宏明
EDIT :
正木 爽(HATSU)、喜多容子(Precious)
取材・文 :
剣持亜弥(HATSU)