雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、連載しています。
今回は、家族をもちながら仕事をしている人々をサポートするコンシェルジュサービス「ヨハナ」を立ち上げた松岡陽子さんの活動をご紹介。
家族のウェルビーイングを守りたい。アメリカ発の新サービスを日本へ
グーグルの研究機関「グーグルX」共同創設者で、副社長も務め、アップルの幹部なども歴任した松岡さんが、パナソニックに迎え入れられたのが’19年のこと。そして’21年、アメリカでキャリアの階段を駆け上がりながら、ワーキングマザーとして4人の子育てにも奮闘してきた彼女がシリコンバレーで立ち上げたのが、家族をもちながら仕事をしている人々をサポートするコンシェルジュサービス「ヨハナ」である。昨秋から日本でも神奈川県を皮切りにサービスをスタート。松岡さんは今、アメリカと日本を頻繁に行き来する多忙な日々を送っている。
「家族の暮らしに関わるさまざまなことを専属チームがサポートするサービスです。日々の食事から、旅行やイベントの手配、地元の評判のお店を探すなどちょっとした調べ物まで、スペシャリストが幅広く対応します。単なる家事代行ではなく、忙しい人々の時間と心にゆとりをつくり、それぞれの家族が叶えたいと願う暮らしを実現することをミッションにした、ウェルビーイング(※)を守るための新しい仕組みです」
「母親なんだから」などという世の中の呪縛を解いて、アウトソーシングすることを歓迎する社会へと、変革を促したいとも語る。
「子供の誕生日会は手づくりのケーキで。でも、バタバタして座る時間もない…なんてことになるなら、ケーキはお店に手配して、子供との時間をつくったほうがいいでしょう?自らやりたいことはしっかり確保して、それ以外は、テクノロジーやほかの人の力にどんどん頼っていく。その考え方が家族という単位から、会社へ、社会へと浸透していけば、より生きやすい世界になっていくはず」
【SDGsの現場から】
●使いやすく手軽なアプリでサービスを提供
●ワーキングマザーとしての体験を交えたスピーチも好評
※ウェルビーイングとは…肉体的にも精神的にも、さらには社会的にも満たされた、よい状態であることを意味する概念。SDGsにおいても重要視される価値基準。
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- PHOTO :
- 望月みちか
- EDIT :
- 正木 爽(HATSU)、喜多容子(Precious)
- 取材・文 :
- 剣持亜弥(HATSU)