雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、連載しています。
今回は、サステイナブルに特化した人気ホテル「ザ・サウザンド京都」の総支配人を務める櫻井美和さんの活動をご紹介します。
使い捨てアメニティを“置かない”選択。サステイナブルに特化した人気ホテル
「サステナブル・コンフォート・ホテル」をコンセプトに掲げる「ザ・サウザンド京都」。’21年に総支配人になり、昨夏のリブランドを率いたのが櫻井さんだ。ホテル名にあるとおり「千年」先を見据えたうえで、サステイナビリティとコンフォートを両立させるための「SDGS100アクション」を企画し、実践した。
「脱プラを目指してステンレスボトルの貸し出しを行ったり、カードキーを竹製にしたり。チャレンジングだったのは、使い捨てアメニティを全撤去したこと。実は、’17年にN.Y.に視察に行った際、アッパークラスのホテル4〜5軒に宿泊したのですが、どこも歯ブラシは置いてありませんでした。1泊10万円以上するホテルでも、です。そのときに、ラグジュアリーのあり方が変わっていくんだな、と直感的に思いました。日本では今も『とりあえず…』と一式置いておくホテルがほとんどですが、私たちのこの小さなアクションから、日本のホテル全体に意識改革が起こればいいなと思っています」
「屋上での都市養蜂」も始めた。
「SDGS100アクションは全社員からアイディアを募ったんです。858集まりました。養蜂も、社内から出た案。ホテルスタッフが養蜂家のもとで修業してきて、実際に屋上で蜂蜜を収穫しています」
京都の伝統・文化を継承するためのアクティビティも実施。特に茶の湯サロンは好評だ。京都でも茶道を学ぶ人は少なくなっているそうで、月に1度、気軽に茶の湯に親しめると人気を呼んでいる。
一連のサステイナブルな取り組みは、昨年、国内では初めて、アメリカの国際的な認定団体(※)のお墨付きも受けた。未来への改革が、日本のホテルを変えていく。
【SDGsの現場から】
●スタッフ全員でアイディアを出した100のアクション
●京都の名店の和菓子も楽しめる人気の茶の湯サロン
※アメリカの国際的な認定団体とは…「GSTC(グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会)」のこと。国際的に求められるSDGsの取り組みを実践していると認証された。
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- PHOTO :
- 香西ジュン
- WRITING :
- 剣持亜弥(HATSU)
- EDIT :
- 正木 爽(HATSU)、喜多容子(Precious)
- 取材 :
- 木佐貫久代