今。美食家の注目を集めているのは、必ずしもアクセスが便利ではない「奥の地」。滋味溢れる素材に惹かれた料理人たちが紡ぎ出す料理は、心にもカラダにも深く染み入って、感動と幸福を呼びます。

「もうあのお店行った?」と交わされる美食家たちの囁きは、つい数年前まで東京や京都など都会の店が話題の中心でした。ところが今、その多くは北陸や軽井沢、そして南は九州まで、「奥の地」へと拡がっています。贅沢な食体験とはキャビアやフォアグラなどの高級食材だけではなく、その地でしか味わえない新鮮な旬の食材と、その地に根ざす料理人との出合いに尽きると、多くの人が気付き始めているのでしょう。

今回は、旅と美食の達人・大石智子さんに教わる、とっておきの美食宿、静岡県の「鞠子 工芸ノ宿 泉ケ谷」をご紹介します。

大石智子さん
ライター
出版社勤務後フリーランスに。男性誌を中心に旅、ホテル、飲食、インタビュー記事を執筆。月に1~2度は郷里の静岡に帰省し、愛犬(柴犬のふじ)と散歩するのが楽しみ。

【鞠子 工芸ノ宿 泉ケ谷】「地元静岡が誇る『シンプルズ』が泊まれるようになりました」

旅行_1,国内旅行_1,和文化_1,静岡_1
提携している築100年の古民家をリノベした宿
旅行_2,国内旅行_2,和文化_2,静岡_2
「シンプルズ」井上靖彦シェフによる鰹の料理 (c)松川真介

海外へは年10回程度、国内では月に一度の旅をルーティンにしている私がほっとするのは、故郷静岡での時間。数多くのミシュランシェフに鮮魚を卸す「サスエ前田魚店」の魚は静岡が誇る美味。なかでも「シンプルズ」井上靖彦シェフによる鰹の料理は出色です。

最近、静岡に受け継がれた伝統工芸を体験できる施設のそばに移転。提携している築100年の古民家をリノベした宿に泊まれるようになりました。

問い合わせ先

関連記事

PHOTO :
長谷川 潤
EDIT&WRITING :
秋山 都、安村 徹(Precious)