温泉は、慌ただしい日常でたまった疲れやストレスを解放するのに最適。清々しい空気のなかで、木々の緑を眺めたり川のせせらぎに耳を傾けたりしながらゆったりと温泉で羽を伸ばせば、五感から自然の恵みを享受し、心ゆくまでリフレッシュできることでしょう。

そこで、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんに、緑や水音に癒される温泉宿をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、長野県・志賀高原にある「白い温泉 渓谷の湯」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の3000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

志賀高原の自然美と極上のにごり湯を満喫

夏には避暑地、冬にはスキー場として多くの人を魅了する志賀高原。そのゲレンデの目に前に佇み、2つの源泉の湯を楽しめるのが今回ご紹介する「白い温泉 渓谷の湯」です。

「『白い温泉 渓谷の湯』は、志賀高原の涼やかな風を感じながら別荘感覚で寛げる湯宿。ラウンジや客室、温泉など、館内の至るところから緑豊かな景色を満喫でき、心安らぐひとときを叶えてくれます」(植竹さん)

柔らかな自然光が差し込むラウンジ。
柔らかな自然光が差し込むラウンジ。

「こちらの宿では2つの源泉を引いており、露天風呂と内湯で異なる泉質を楽しめるのも醍醐味です。まず、露天風呂は硫黄泉で乳白色のにごり湯。目の前に遮るものなく森林風景が広がり、自然との一体感を味わいながらの湯浴みは、まさしく至福のひとときです。なお、硫黄泉は、血流・代謝促進作用によりメラニンを分解し、シミやそばかすを薄くする効果が期待できるといわれています」(植竹さん)

乳白色の湯面に木々が映し出される露天風呂。
乳白色の湯面に木々が映し出される露天風呂。

「内湯のほうはマイルドな単純温泉。露天風呂の硫黄泉がかなり濃厚なので、まず露天風呂に入ってから内湯に移動すると、ちょうどいい感じに温泉成分が肌になじむように感じられました」(植竹さん)

内湯の大きな窓からも目にも鮮やかな深緑が…。
内湯の大きな窓からも目にも鮮やかな深緑が…。
2022年8月に完成した源泉かけ流し半露天風呂付客室「岩菅・白根の間」。
2022年8月に完成した源泉かけ流し半露天風呂付客室「岩菅・白根の間」。

「白い温泉 渓谷の湯」では、たっぷり1時間独り占めできる貸切風呂もあり、多くの客室が天然温泉付き。全12室の客室は、それぞれ広さや造りは異なりますが、どの客室でも大きな窓が絵画のように風景を切り取り心を和ませてくれます。

誰にも邪魔されないプライベートな空間で湯浴みしたり、木の温もりを感じられる部屋で志賀高原の美観に目を楽しませたり、自由気ままな過ごし方で心身をリセットしたい人に最適な環境だといえるでしょう。

日常の喧騒を離れて深緑に癒される。
日常の喧騒を離れて深緑に癒される。
客室の温泉からの眺め。
客室の温泉からの眺め。

創作会席で信州の旬を味わい尽くす

絵画のような景色に心も満たされる食事処。
絵画のような景色に心も満たされる食事処一例。

「白い温泉 渓谷の湯」では、地元の旬の食材を尽くした創作会席料理も充実しています。

「メインディッシュは、りんごで育った信州牛。予約時にすき焼き、せいろ蒸し、カルビ焼きから選ぶことができ、私はすき焼きをチョイスしました。割下の甘さが控えめで、和牛のまろやかさと旨味が引き立ちます。そのほか、りんごをくり抜いて器にしたグラタンもご当地感があって気分が上がりました。器ごと食べられるのもユニークだし、ホワイトソースとりんごの相性も絶妙です。

どの料理もさりげないアレンジが随所に凝らされており、湯のよさだけでなく食事でもおもてなしをしようとする心意気がひしひしと感じられました」(植竹さん)

※信州牛メイン肉料理が選べるのは4月~11月のみ。その他、メニューは季節や仕入れ状況によって異なります。

さりげない工夫が凝らされた創作会席。
さりげない工夫が凝らされた創作会席。
選べるメインの肉料理。
選べるメインの肉料理。

以上、「白い温泉 渓谷の湯」をご紹介しました。涼やかな志賀高原の自然のなかで、“硫黄泉×単純温泉”をダブルで堪能したい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生