身長156cmのインテリアエディターが、実際に見て・触れて・座ってレポートする連載企画。前回に続き、世界を見据えたデザインで定評のある福岡発のブランド「リッツウェル」からピックアップ! 木とステンレスと厚革のコンビネーションが機能的な『GQサイドテーブル』の魅力を紐解きます。
日本の「おもてなし精神」を感じさせる細やかさに注目!
サイドテーブル選びで絶対に外せない条件は、「持ち運びやすい」、「安定している」、「美しい佇まい」の3点です。どんなに美しくても重すぎると使いたい場所に移動できないし、軽すぎると安定が悪い。その上で何か特徴のあるデザインとなると、なかなか見つからないものなのです。
今回ご紹介する『GQ サイドテーブル』は、久しぶりに出会えた名品! まずはそのスッと伸びたステンレスのフォルムと、彫りのある木天板、脚部に巻かれた厚革の取り合わせが美しいデザインをご覧ください。
シンプルな片持ち梁構造で全体的にモダンな印象ですが、装飾的なカーブを持つフラットバーがほんのりクラシカル。前回ご紹介した『リヴァージュ イージーチェア』との相性も抜群です。
共通している革の質感や、座面のグレージュとサイドテーブルのトープの色のバランスが美しく、優しげなニュアンスカラーのコーナーに。さらに、さまざまな素材と色味が使われているので、ここから素材か色味を拾ったフロアランプを加えるだけで、居心地がよく完成度の高い空間が簡単に仕上がります。
使うと虜に!自由度の高い軽やかさと雄弁に語る厚革のディテール
『GQサイドテーブル』は、下の写真のように軽々と持ち上げて移動することが可能です。握ったときの革の感触が心地よく、使いたいシーンに合わせて気軽に移動できるのがうれしいですよね。ストレスなく家具の位置を変えられると、生活空間をアレンジする主体的な気持ちが湧いて日々が楽しくなります。
脚部に厚革が巻かれているので、置くときにも音を立てずさりげなく使い手をサポートしてくれます。実はコロナ禍で大きな問題として浮上した生活音。普段一緒に日中過ごすことのなかった者同士が、相手の立てる些細な音に過敏になるリスクを静かに解決してくれます。
職人の技が光る「リッツウェル」クオリティで暮らしに喜びを!
もう一つ私が注目したのは、緻密なステッチの技法。細身のステンレスと一体化した厚革の美しい表情を作りだすために、あえてステッチを目立たせずシャープに仕上げています。これは職人さんが手縫いでなければできないもので、曲がった針を使って縫い合わせていきます。
表参道のアトリエでは受注しているアイテムの製作をしているのですが、先日たまたま『GQサイドテーブル』を仕上げている現場に立ち会える機会がありました。
驚いたのは、まずは革の厚みを均一に削るところから行っていること。その後に巻き付けて縫い合わせていくのですが、思わず見入ってしまうほど作業全体が流れるようにスムーズで、道具も手入れされていて美しいのです。これが自分の家に迎える家具だとしたら、喜びは格別ですよね!
アトリエを表参道に構える「リッツウェル」の企業姿勢は、モノづくりから距離が離れてしまっている私たちの暮らしに刺激を与えてくれます。私が見学している際に同席されたご夫妻は、旦那さんが革製品を作るのが趣味だそうでいろいろと質問されていました。
今回は、福岡県糸島を拠点にグローバルに評価される家具を発信する「リッツウェル」から、『GQサイドテーブル』をご紹介しました。
自分の家は、プロの手を借りながら自分たちで作り上げるもの。それを意識した上で、何を選んでどのように家に迎え入れるのか…。職人の方との対話を通して、そのヒントを探しに出かけてみませんか?
※掲載商品の価格は、税込みです。
問い合わせ先
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リッツウェル 表参道 ショップ&アトリエ
営業時間/11:00~19:00
定休日/水曜
TEL:03-3423-2929 - 住所/東京都港区北青山 3-4-3 ののあおやま1F
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- TEXT :
- 土橋陽子さん インテリアエディター
公式サイト:YOKODOBASHI.COM