体がだるい、腰が重い…「横隔膜剥がし」で見えない疲れを解放

横隔膜とは、肋骨の内側にぴったりと張りついているドーム状の筋膜。呼吸をするたびに上下に動き、胃や腸、背骨、腰まわりまで、体の内側に広く影響を及ぼしています。

2人の女性 メソッドの指導をしている
 

この横隔膜が硬くなって動きが鈍くなると、さまざまな不調がじわじわと現れ始めます。たとえば、胃のあたりが重く感じたり、食後の消化が滞ったりするのもそのひとつ。横隔膜の動きが悪くなることで、そのすぐ下にある胃が圧迫されやすくなり、胃酸の逆流や胃もたれを引き起こすことがあるのです。さらに、内臓を支える役割も担う横隔膜が十分に動かなくなると、胃や腸が下がりやすくなる「内臓下垂」が起こり腹圧が低下し、お腹がぽっこりと出やすくなります。

また、横隔膜は腰椎や骨盤まわりの深層筋と筋膜を通じてつながっており、こわばることで、その緊張が腰の筋肉にまで波及し、張りや痛みとして現れることもあります。さらに、胃腸など内臓の不調が続くと、自然と前かがみの姿勢になりやすく、結果的に腰への負担が重なってしまう場合も…。

呼吸の土台でもある横隔膜をしなやかに保つことは、姿勢を整え、内臓の位置を正しく保ち、腰痛の予防にもつながる大切なケア。その対策としてエイジングデザイナーの村木宏衣さんが提案しているのが、「横隔膜剥がし」のメソッド。両手の指を肋骨の内側に差し込み、横隔膜をゆるめていくシンプルな方法です。実践するとすぐに腰が軽くなり、腸の動きも活性化。内側から元気を取り戻す実感が得られるので、ぜひ実践してみてください。

■Step1:横隔膜とプッシュする位置を確認

横隔膜は横隔膜とは、肋骨の内側にぴったりと張りついているドーム状の筋膜。プッシュする位置は、肋骨よりも3cm下のあたりです。まずはこの位置を確認しましょう。

横隔膜とプッシュする位置を確認
 

■Step2:前屈みになって肋骨よりも3cm下に両手の指を差し込む

肋骨よりも3cm下(Step1の丸印の位置)に、両手の人さし指、中指、薬指、小指を差し込むように深くプッシュします。このとき前屈みになるとグッと入り込みやすくなります。

前屈みになって肋骨よりも3cm下に両手の指を差し込む
 

■Step3:体を左右に振って、より深く差し込む

Step2のまま体を左右に振ることで、横隔膜が柔らかくなりより深く差し込めるようになります。これによってしっかりと刺激を与えることができますよ。これを30秒行いましょう。

体を左右に振って、より深く差し込む
 

■Step4:さらに深く前屈みになって刺激を与える

柔らかくなって指が入りやすい状態になっているので、さらに頭を下げて深く前屈みになりましょう。

さらに深く前屈みになって刺激を与える
 

Step3と同様に体を左右に振ります。より深く、しっかりと刺激を与えることができますよ。これを1分続けましょう。

Step3と同様に体を左右に振り、より深く、しっかりと刺激を与える
 

【まとめ|胃もたれ、腰痛がスッと消える!「横隔膜剥がし」4か条】
1)胃が重い、疲れが抜けない、腰痛が慢性化などのなんとなく不調の原因は「横隔膜の硬さ」が関与。
2)横隔膜とは、肋骨の内側に張りつき、呼吸に合わせて上下に動く筋膜のこと。
3)姿勢や内臓、自律神経の働きにも深く関わり、こわばることで不調につながる。
4)「横隔膜剥がし」メソッドで柔軟さを取り戻せば、腰もスッキリ軽く、内側から元気を取り戻せる。

以上、「胃もたれ、腰痛がスッと消える!「横隔膜剥がし」を教えていただきました。

アンチエイジングメソッドに限定して、毎週土曜日にテーマを変えてお届けします。

次回は7月5日の更新です。お楽しみに!

村木宏衣さん
エイジングデザイナー
(むらき・ひろい)大手エステティックサロン、整体院、美容医療クリニックでの勤務経験を経て、小顔、リフトアップ、むくみ、ボディメイキングなど女性の悩みに対して、独自の「村木式 整筋」メソッドを確立。2018年「クリニックF」内「Amazing♡ beauty」を開設。『10秒で顔が引き上がる 奇跡の頭ほぐし』(主婦の友社)は24万部を突破し、『10秒で疲れが取れる 奇跡の目元ほぐし』(主婦の友社)も好評。 また、ご自身がプロデュースした美顔器「アメージングローラー」も発売中。「村木式整筋」メソッドのテクニックをセルフケアで簡単に再現できると話題に。ほかにも『10秒で10歳若返る 奇跡のたるみリフト』(主婦の友社)。 Instagram
体験者:長尾優子さん
サービス業
「このメソッドを行った後は、背中が自然に伸びて、呼吸が深くなるのを実感。腰のだるさもやわらいで、内側から整う感じがありました。継続してみると体全体が軽く感じられ、朝からスイッチが入りやすくなり、午前中の集中力も上がった気がしますね」
PHOTO :
松原敬子
EDIT&WRITING :
荒川千佳子