熟した果実や紅葉する葉…。情景が目に浮かぶような意匠をまとい、季節の彩りを着物姿に映して。
雑誌『Precious』11月号では【着物で見つける、小さな秋】と題し、大政 絢さんが、豊かな色彩や実りの季節の意匠を着物とともにまといました。
今回は、金木犀や菊、葡萄などのモチーフが印象的な、秋らしい着物の装いをまとめてご紹介します。
■1:いきいきとした金木犀の華やぎをシックな結城紬が引き立てる
ふわりと風に揺れ、甘い香りを漂わせる金木犀が告げる、深まる秋の気配。友禅作家・湯本エリ子氏が手掛ける帯は、躍動感たっぷりに草花を描きながらも、色数を絞ることでシックな風情を漂わせる。高機(たかばた)で織り上げられた、温もり溢れる黄土色の結城紬を合わせて。
■2:幾重にも繊細に重なる菊の花びらが描く無垢な美しさ
精緻な刺繍で表現された、大輪の白菊が咲き誇る帯で凛とした佇まいに。黒鳶(くろとび)色の地紋にも、菊が織り込まれ、重なり合った花の文様が、秋風にそよぐ菊畑のような風情を表現。銀鼠色の着物には、ピンクのよろけ水玉文様が浮かび、軽やかな印象に。江戸象牙の技巧でつくり上げられた菊の帯留めを添えて。
■3:京友禅と西陣織が奏でる静謐な色味でしっとりと
こっくりと色づく柏の葉が深まる季節を映す
西陣織の袋帯には、有職文様のひとつである立柏文(たちがしわもん)が焦茶と茄子紺で表現され、存在感を漂わせる。扇面の飛び柄小紋の着物を合わせた品格溢れる着物と、“ディオール”の名品バッグの色味を揃えてまろやかに。
■4:赤茶の濃淡が浮かぶ着物と葡萄のモチーフで小粋に
優しげなタッチで描かれた葡萄唐草の帯で、着物姿をひときわ印象的に。塩瀬の帯は、江戸時代から続く染屋「染司よしおか」の4代目当主・故 吉岡常雄氏による作品。取り合わせたのは、こくのある鳶(とび)色に縞模様が浮かぶ織りの着物。黄八丈の名家の山下芙美子氏がマダミで草木染めをし、手織りで仕立てた着物で、秋らしい深みを。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
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- PHOTO :
- 生田昌士(hannah)
- STYLIST :
- 青木貴子(WHiTEBOX)
- HAIR MAKE :
- ヘア/DAI MICHISHITA(Sun and Soil)、メイク/YUMI ENDO(eight peace)
- MODEL :
- 大政 絢(Precious専属)
- COOPERATION :
- BACKGROUNDS FACTORY
- EDIT&WRITING :
- 川口夏希、遠藤智子(Precious)
- 着付け :
- 石山美津江

















