食パンを買ったその日に、1斤全部食べきれることはあまりないですよね。気温が高いこの時期は、余った分を冷蔵庫に入れて保存している方も多いはず。しかし、その保存方法は間違っているかもしれません!
そこで今回は、家庭でやりがちなNGな保存方法を、日本パン工業会の上田実男さんに伺いました。朝食がパン派の皆さんこそ必見。購入時のおいしさをできるだけキープする方法と合わせてご紹介いたします。
食パンが劣化する4つのNG保存方法
■1:付属のクリップ「バッグ・クロージャー」で留めて長期間保存するのはNG
食パンは、包装を開封し外気に触れると少しずつパンの乾燥が進みます。そのためスーパーなどで売られている食パンの包装につけられた、プラスチックのクリップで口を留めて長期間保存することはNG。
このクリップは、「バッグ・クロージャー」と呼ばれます。これはパンの長期保存を考慮したものではないため、長期保存時の使用は避けたほうがベター。長期保存する場合は真空容器やジップロックなど、密閉できるものを選んで、冷凍庫で保存すること。おいしく食べるためにも、開封後はできるだけ早く食べきってしまいましょう。
■2:冷蔵庫に保存するのはNG
実はパンは冷蔵保存がNG。温度の低い環境によりパンのでんぷんの老化が促進されて、食パンが固くなってしまいます。未開封の食パンは常温で保存しましょう。
なお、工場で生産される大手メーカーの食パンは、オートメーション化された厳しい衛生管理のもとでつくられるため、未開封の状態でカビが生える可能性はとても少ないのだとか。衛生面から考えても消費期限内であれば常温保存で十分です。
■3:密閉せずに冷凍保存するのはNG
開封後の食パンは、そのままにしておくと一気に乾燥が進みます。乾燥による品質の劣化を防止するに、残った食パンは冷凍保存がおすすめ。ですが、密閉できていない状態での保存はNGです! 開封された包装のままでは乾燥が進行します。
開封後、冷凍保存する場合は、ラップで食パンを1枚1枚包み、ジップロックなどにしまって冷凍庫にしまいましょう。ラップをパンにぴったりと密着させて包むのがポイントです。
■4:冷凍庫に2週間以上入れっぱなしにするのはNG
冷凍保存した食パンを、うっかり冷凍庫へ入れっぱなしにしてしまうことはないでしょうか? あまりに長い間冷凍していると、冷凍焼けを起こして、乾燥した食パンになってしまいます。冷凍庫に保存する場合は、2週間以内で食べきりましょう。
ちなみに冷凍保存した食パンをトーストするときは、蒸発した水分を補うために軽く表面に霧吹きなどで水を吹きかけると、おいしく焼きあがります。さらに事前にトースターを温めておくと、パンの水分の蒸発を抑えて焼くことができ、ふっくらカリッとしたトーストに仕上がります。
【まとめ/食パンの品質が劣化する4つのNG行動】
1:付属のクリップ「バッグ・ロジャー」で留めて長期間保存する
2:冷蔵庫に保存する
3:密閉せずに冷凍保存する
4:冷凍庫に2週間以上入れっぱなしにする
朝食で活躍してくれるトーストも、固くなったり、パサパサした食パンではおいしさも半減……。ちょっとしたひと手間で、買ったときのおいしさを持続させることができますよ!
問い合わせ先
- 日本パン工業会 TEL:03-3667-1976
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石水典子
- EDIT :
- 高橋優海(東京通信社)