おしゃれは足元から。素敵なデザインのヒールやパンプスを履きこなしたいと思いつつ、「痛くてたまらない!」という悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?

その痛みは、あなたに合わない靴を選んで履いているせいかもしれません。

今回は、靴の中敷き調整や選び方のアドバイスを行っている「シューフィット神戸屋」の西村泰紀さんに、女性に向けた正しい靴の選び方を伺いました。「足のトラブルの多くは、自分の足よりも大きいサイズの靴を履いていることが原因」と西村さん。正しい足のサイズの測り方やタイミング、ぴったりの靴に出会える靴選びの方法、さらにはサイズの合わない靴が履けるようになるインソール術も伝授していただきます。

「足のサイズは変わらない」は間違い!

大きい靴が疲れ・痛み・靴擦れを引き起こす

服のサイズには気を配っていても、靴は大人になってからずっと同じサイズを履いている……という女性は多いかもしれません。しかし「どんなヒールも痛くなる」「自分に合う靴が滅多に見つからない」と西村さんのお店を訪れる女性のほとんどが、実際のサイズよりも大きい靴を履いているそうです。自分では24.5cmだと思っていたけれど、測り直したら24cmだった……なんていうこともよくあると西村さん。

実は、足の疲れや痛み、辛い靴擦れは、靴のサイズが小さいから、というのは間違い。大きすぎる靴は足が靴の中で前滑りを起こし、これらの足のトラブルを招くのだそう。「ヒールやパンプスは痛くなるもの」と諦めている方も、いまの自分の足にフィットした靴に出合えればおしゃれが劇的に楽しくなるはず。

「多くの日本人女性は自分の足のサイズより大きい靴を履いている」と西村さん。サイズの大きい靴こそ、足の疲れや痛み、靴擦れの原因そのもの

足の大きさを測るタイミングは、夏と冬。年に2回がベスト

運命の靴選びは、自分の足の正しいサイズを知ることからスタートします。

女性の足のサイズは、季節や年齢、生理周期など、さまざまな要因で日々変化するもの。特に、体のラインがゆるみやすくなる30代に入ったころ、妊娠・出産後、50歳前後に更年期を迎えたころは、サイズが劇的に変化するタイミングでもあります。そのため定期的にサイズを測り直し、そのときの足にぴったり合った靴を選ぶことが必要です。

計測のタイミングとしては、気圧が安定している夏と冬の各1回ずつがおすすめ。気圧が変わりやすい春と秋は体が安定せず、足の大きさも日々変わりやすいので避けるのがベターです。ただし最近めっきりサイズを測っていなかったという方は、まずは今のサイズを把握してみましょう。生理周期によってもサイズは変わり、生理後4〜5日後が最も平均的なサイズがわかります。

測るのは足の長さと幅(足囲)、そして足の指が曲がる位置(ボール位置)の3つ。メジャーを使えば自分で測ることもできますが、より正確な結果を求めるためにシューフィッターの方に測ってもらうことをおすすめします。

足の幅の測り方。親指と小指の付け根の出っ張った部分を結ぶようにくるりと一周させて測る

靴選びのポイント3つ

正しいサイズを知ったら、次は靴を選ぶときのポイントを見ていきます。気をつけるべきは次の3つ。

■1:靴の裏を見て、足のタイプにあったものかチェック

自分にあった靴を選ぶためには、まず足の形のタイプを知ることが重要になります。タイプは大きく分けて3つ。

【足の形3タイプ】

・親指が一番長く、小指にかけて順に短くなっていく「エジプト型」
・人差し指が長くて指の連なりが山型になっている「ギリシャ型」
・親指、人差し指、中指の長さがほとんど同じ「スクエア型」

左からエジプト型、ギリシャ型、スクエア型

靴を選ぶときには、足のタイプと同じ形の靴を選びます。このとき靴を裏返してみると、どのタイプに当てはまるかよくわかります。

左からスクエア型、ギリシャ型、エジプト型に合いやすい形。靴を裏返して見てみると、表から見るよりもタイプがわかりやすい

見ただけでわからなければ、実際に履いてみましょう。足のタイプに合わない靴を履くと、靴の側面に不自然なシワが寄ります。タイプが合っていると指の曲がる位置からかかとまでが靴にしっかりくっついて、隙間ができません。

■2:足の甲に隙間ができないかチェック

2番目に確認するのは足の甲。履いたとき、靴の甲に指がまったく入らない、あるいは指先がちょっと引っかかるくらいがジャストサイズ。ここがぴったりだと足がしっかり固定され、靴の中で足が動くことがありません。

指が入るのは靴が大きすぎる証拠
ほとんど指が入らないくらいがベスト。多少の隙間なら、次にご紹介するインソール術で解決できます

さらに、試着して5分ほど履いて歩いてみるのがベスト。靴が大きい場合、5分履くと親指と小指の外側の付け根が赤くなります。ここは足の中で一番幅が広い部分で、靴の中で足が固定されていないとずれてぶつかり、痛みが出やすいのです。 5分と聞くと長く感じますが、西村さん曰くヨーロッパではたくさんの数の靴を試し履きして、合わなければ買わずに帰ることがよくあるそうです。そのくらいしないと運命の靴には出合えないことは、店員さんもお客さんも承知の上ということ。ぴったりの靴を探すために、店員さんに断って試してみてはいかがでしょうか。

また、指の関節の上側が赤くなるのもNG。これは靴がずれるのを防ぐため、指を握るように丸めて靴を支えているため起こるもので、靴が大きすぎるサインです。

足関節の上が赤くなり痛むのも、大きい靴を履いているサイン

■3:つまさき立ちをして、かかとが抜けないかチェック

つまさき立ちをしてもかかとが抜けないのが、ぴったりの靴を見分ける証拠

最後はつまさき立ちをして大きさをチェック。このときにかかとが抜ける場合は、サイズが大きく、靴ずれを起こしやすい靴といえます。目安はつまさき立ちをしてもかかとが抜けないこと。このとき側面に不自然な隙間ができていたり、足の甲や親指側にシワが寄っていたりするものはNGです。

足の甲にできる隙間は中敷きで調整できますが、かかと部分は中敷きでの調整が難しくなっています。かかとは必ずフィットするものを選びましょう。

この3つのポイントをすべてクリアした靴が、自分にぴったりの理想の靴と言えます。たとえエレガントな7cmのハイヒールでも楽に歩けるはず!

捨てなくてOK!大きい靴はインソールで調整

ご紹介した方法なら、お手持ちの靴が自分に合うかどうかチェックできます。西村さんを訪ねるお客さんのなかには、手持ちの靴はほとんど足に合うサイズではなかった……という方もいるのだとか。

けれど、「合わない靴はすべて捨てなくてはダメ」いうわけではありません! ほんの少し大きいサイズの靴なら、市販のインソールを活用することでぴったりの靴に生まれ変わらせることができるんです。

ジェルインソールは指の付け根に。指先の下には入れないで!

歩いて疲れや痛みが出たり、靴擦れが起きてしまうのは、大きな靴を履くことで、足が靴の中で動き前へ滑ってしまう「前すべり」の状態になるため。これを防ぐのは、ジェルタイプのインソールです。ジェルタイプとは樹脂でできた透明のもの。前滑りを特に防いでくれるのでおすすめです。

厚みは足の甲と靴の履き口に指を入れてみた隙間の広さを目安に選びます。

【インソールの厚みの目安】

・指の先が入る程度なら1mmのもの
・指が1本入るなら2mmのもの
・指が2本入る場合は3mmのもの

インソールは足の指先ではなく、指の付け根の下に入れましょう。指先より手前にインソールを置くことで、ストッパーとしての役割をしっかりと果たしてくれます。

足の指先にはかからないように、ピンクの線よりも下のにジェルインソールを置く

足のサイズは日々変化するもの。自分の足のコンディションに合わせて靴のサイズを調整することで、いつでもベストな履き心地を叶えることができます。飲み会や生理の前後など、サイズの変化が予測できる日は、インソールの位置をずらすなどしてぴったりなサイズに調整してみましょう。


「おしゃれな靴は痛い」そんな風に諦めていた方は、まずはお手持ちのヒールやパンプスなどをチェックしてみてはいかがでしょうか。少し手間をかけてあげれば、今までの我慢が嘘のように履きやすくなるかもしれません。 新しい靴を購入するときにも、ぜひ今回ご紹介したポイントを思い出しながら選んでみてくださいね。

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EDIT&WRITING :
大村実樹(東京通信社)