働いていると、自分の職場に限らず取引先など、どこかに大抵、いちいち突っかかってきたり、人の話をほとんど聞かなかったりする、めんどくさい人っていますよね。そういうプライドの高い人とは、こちらが気を使っているつもりでも、何かとトラブルになりがち。

そこで、プライドの高い人の特性、そういう人に対してのNG対応、コミュニケーションをスムーズにするための意識やすべきことについて、コミュニケーションコーチの山崎洋実さんに教えていただきました。

プライドが高くてめんどくさい人に対してのNG対応4選

■1:感情的にファイティングポーズを返す

言い返したり揚げ足をとったりするのはNG
言い返したり揚げ足をとったりするのはNG

山崎さんいわく、「プライドが高い人は、弱いところを見せない人」だそう。

「自信がないから、虚勢を張ることで自分を保っているんです。自信がない人には、普段から存在承認をしてあげるといいと思います。自分のほうから意識的に『お疲れじゃないですか?』などと声をかけてみましょう。コミュニケーションが取れると、相手の心の扉は開くものです」(山崎さん)

逆に、感情的にファイティングポーズを返すのはNG。こちらが相手に言い返す形になってしまうと、さらに相手が頑なになり、ファイティングポーズを取り返してくるそうです。

「スイッチが入ってしまうと、そのまま流れるように言葉の応酬みたいなことになってしまいますので、それはまずいですよね。自分も感情的にならずに、ひと呼吸置くことが大事。例えば『トイレに行ってきていいですか?』と聞いて、その場から離れると冷静になって、あの人はかわいそうな人だと思えます。淡々とニュートラルに対応しましょう」(山崎さん)

プライドが高い人に対しては、まず普段から気にかけているという態度を示すといいようです。仕事というものは自分ひとりではできないですから、うまくコミュニケーションを取っていきたいものです。

■2:相手と同じ土俵に乗ってしまう

下手に乗っからないように
下手に乗っからないように

こちらが発したちょっとした発言に対して不機嫌になる人っていますよね。山崎さんによると、そういう人は、周りがその人に合わせてきているので、結局、自分の思い通りになってしまうのだそうです。

「そんな相手と同じ土俵に乗ってしまうと振り回されてしまいます。振り回されるのは、変な気遣いによって起こるのです。その人は、あなたが自分に優しくしていると勘違いしてしまいますから、そういうゲームには乗っからないのが一番です」(山崎さん)

怒りで周りをコントロールしてしまう人は、周りからもそういう人扱いをされているはずなのだとか。

「相手にむかつくと思っても、私にだけこういう態度ではなく、どこでも誰に対してもそうなのだと思うようにしましょう。損していることもあるだろう。はいはい、かわいそうに、と折り合いをつけると、客観的に見られるようになります。プライドが高い人は自信がないので、他人のアドバイスを受け取りません。でも、一旦関わりができると違ってきます」(山崎さん)

ゴマをするのではなく、コミュニケーションを取ることで、うまく人間関係をつくりましょう。

■3:「みんなと仲良くしないといけないから」と思って接する

絶対に合わない人もいると割り切ろう
絶対に合わない人もいると割り切ろう

山崎さんは、プライドが高い人のことを「宇宙の法則」と言っているそうです。10人中ふたりは、どの職場にいても絶対合わない人がいるものということ。

「そういう人には気を使っても裏目に出てしまいます。私たちは子どものころから『みんなと仲良くしなさい』と言われて育つけれども、絶対そんなことはないんです。そう割り切れると、相手のゲームに付き合っていられないので、淡々と接することができるようになります。最初は勇気がいると思いますが、自分が変わることが大事です」(山崎さん)

プライドが高い人は、ガチガチの鎧を着て生きている、残念な寂しい人。周りが振り回されて疲弊してしまうから、人からも信頼されないのだそうです。

「例えば、時間にルーズでドタキャンする人っていますよね? そういう人は自分のスケジュール管理ができていなくて、周りの人からは『あの人はいつもそうだよ』と言われているんです。悪い人じゃないけれども、呆れられているんですね。みんな表向きはニコニコして仲良くして、ただ許してくれているだけ。

でもきっと、会社やママ友の間では許されず、離れたところで『何この人?』と言われているはず。みんな本人の前では言わないから、その人も私のキャラだと誤解してしまっているんです」(山崎さん)

自分の気をつけないといけないところに気づくのは難しいもの。自分の中にもないか、振り返ってみたほうがいいかもしれません。

■4:苦手だからと関わりを持たないようにする

極端に避けるのはNG
極端に避けるのはNG

苦手な人にはなるべく関わりを持ちたくないものですが、山崎さんは、そういう人ほど関わるようにしたほうがいいと話します。

「関係が希薄だから、相手のやることが許せなくなるんです。例えば、うちのマンションの隣人が、共用部の玄関ポーチを開けっぱなしにしています。何度言っても直らないので、『気をつけてください』というマンションからのお知らせの紙がポストに入っていることもありました。

最初は注意して直ったとしても、時間が経つと忘れて結局直らないと、普通はイライラしてしまうかもしれません。でも、私はそんなに目くじら立てることじゃないと思うので、私がいつも閉めています。それはお隣さんとの関係があるから」(山崎さん)

全然関係のない人に対しては、つい粗探ししてしまいがちですが、「人は最後は気持ちだから、関係が良ければ許せることも出てくる」と山崎さん。

「苦手な人を取り込むことこそ、こちらが有利になる方法です。コミュニケーションを取って関わりを持つと、その人の誤解されやすいところもわかってくる。そういう人は周りのみんなが去って行ってるから、あなたから声をかけられるとうれしいと思うはずです。相手があなたを味方と思ったら、きっと優しくなるでしょう。手なずけるようなつもりで、ゲームを楽しんでみてください」(山崎さん)

ゲームのように攻略すれば自分の中にポイントが増えると思うと、うまく付き合っていけそうですね。

「誰とでもうまくやれるわけではない」「仲良くまでする必要はない」と言われると、少し気が楽になりますね。山崎さんの言葉を参考にしたら、苦手意識も克服し、プライドの高い人ともうまくやっていけそうです。

山崎洋実さん
コミュニケーションコーチ
(やまさき ひろみ)コーチングをベースにした“ママのイキイキ応援プログラム”の講師。講座はクチコミで全国に広がり、今や海外にも拡大、受講者数は延べ5万人超。近年では企業研修・講演のオファーも増えている。著書『苦手な人が気にならなくなる本』(日経BP社)など。
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WRITING :
あわいこゆき