いつも通りにしているのに、なぜか人から誤解されて変な噂を流されたり、距離を置かれたりしたことはありませんか? それ、もしかすると無意識でやっている習慣が原因かもしれません!

そこで税理士・経営コンサルタントとして活躍する、山本憲明さんに誤解されがちな人がやっているNG習慣をアドバイスいただきました。ぜひ参考にして、あらぬ誤解をされないようにしていきましょう!

人から誤解されやすい人が無意識でやっているNG習慣6選

■1:今すべきことを気分で決めるのはNG

そのときの気分で仕事を進めていませんか?
そのときの気分で仕事を進めていませんか?

仕事を進める上では常に、今すべきことを考えなければいけません。そうした際の判断基準としては、仕事の全体像と先のことを読みながら、今何をすべきかを考えるのがベスト。気分で仕事を決めてしまう人は、周囲に誤解されやすいそうです。

「会社では個人プレーとチームワークをそれぞれに発揮する場があります。そのどちらにおいても、仕事の全体像(目指すゴールや自分の役割、チームの他の人の仕事内容等)と先のこと(直近やさらにその先で何をする必要があるか等)を考え、そこから逆算すれば今すべきことを正しく導き出せます。

しかし、全体や先のことを考えない人は、勝手な自己判断で仕事に着手します。多くの場合、『とりあえずこの仕事からやろう』『苦手な仕事や面倒な仕事は後回し』など、判断基準は気分的です。

そのため、後でやれば効率的に終わる仕事から着手するなど、時間と労力を無駄にしがちです。その結果、ゴールを遠ざけてしまって、自分の成績を下げるだけでなくチーム全体の足も引っ張ってしまうのです。

このように全体や先が読めないと、今すべきことを気分で決めてしまうため、周囲からは『あの人は空気の読めない人なのでは?』と誤解されてしまいがちです。仕事は常に全体像と先を見て、今すべきことを判断しましょう」(山本さん)

自分の主観だけで判断せずに、全体を客観的に見る力をメタ認知力と呼ぶそうです。人とのコミュニケーション力も高めてくれるそうですので、全体を見渡す力を高めていきましょう。

■2:ぶっきらぼうな態度や表情で人と接するのはNG

いつも思い悩んだ表情をしていませんか?
いつも思い悩んだ表情をしていませんか?

人は感情的な生き物ですから、ときにその日の気分などがどうしても表情や行動に出てしまいがち。ですが中にはいつも表情や態度がぶっきらぼうだったり、不愛想だったりする人もいますよね。このような人は、誤解されることが多いのだとか。

「例えば経理、プログラマー、デザイナー職など、あまり他者と関わらずに仕事を行う職種の人などにありがちなのが、表情や態度がいつもぶっきらぼうになってしまうことです。

本人には悪気がない場合も多いのですが、周囲からはなんとなく『何を考えているのかわからない』と誤解されて敬遠されがちになってしまいます。また、なかには営業職他、チームワークが欠かせない職種でも、ついその日の自分の気分を優先してしまう人もいます。

いずれの場合にせよ、会社員である以上は、会社の雰囲気づくりも自分の仕事のひとつであると考えること。そして挨拶だけでも元気よくするなど、活気ある職場づくりを考えましょう。もちろん、どうしても気分が乗らない日などは誰にでもありますので、無理のない範囲で行えばいいでしょう」(山本さん)

会社の雰囲気づくりも仕事のひとつということまでは上司も教えてくれません。他者から指摘される前に、自発的に気づいて自分の癖や行動を変えていくのがベストですね。

■3:言葉足らずな指示やメールを送るのはNG

前提や背景のないメールになっていませんか?
前提や背景のないメールになっていませんか?

指示や発言、メールを受けた場合にその内容や意図がすぐにわからないこと、ありますよね。何度も聞き直さないと意図が伝わらないような内容を送るような人は、誤解を生んでいる可能性が高いです。

「相手に何かを伝える際に、重要な部分が言葉足らずになっている人がいます。自分の中では理路整然としているつもりでも、相手にとってみると、言葉足らずで意図が伝わらないわけです。

特にメールの場合は、文章を打つ手間を惜しみますので、言葉足らずになりやすく『コミュニケーション能力のない人なのでは?』と誤解されがちです。前置き的なことなどは手短にして、肝心の指示の部分はメールを作成したら、これで指示の意図が理路整然と相手に伝わるかということだけはしっかりと確認してから送るようにしましょう。

またその場合、説明が長すぎても意図が伝わりにくくなりますので、ポイントだけをしっかり抑え、簡潔明瞭にまとめましょう。口頭での場合は、相手がその場ですぐに聞き返したりできますのでまだいいのですが、メールの場合はお互いに時間のロスも大きくなりますので、言葉足らずには注意が必要です」(山本さん)

自分だけわかったつもりにならず、相手にちゃんと伝わるかを考えてから指示を出したりメールを書く。仕事の基本中の基本ではあるものの、つい忘れがちです。初心忘るべからず、ということですね。

■4:人によって態度を変えるのはNG

上司と部下で接し方を変えていませんか?
上司と部下で接し方を変えていませんか?

会社にひとりは、人によって接する態度が露骨に変わる人がいますよね。こうした態度のままでいると、どうやら誤解がさけられないようです。

「社内でも、上司に対する態度と、同僚や部下への接し方がまるっきり違うとか、異性に対してと同性に対して違うという人もいます。また、社外の人へはやたら愛想がいいのに、社内では不愛想という人もいます。

このように接する人に応じて態度や物言いが露骨に変われば、当然ながら、自分の利益・損得関係によって態度を変える人であり表裏のある人と誤解されます。周囲からの信頼を得たいのであれば、相手が誰であろうと変えることなく敬意を持った態度で相手と接するようにしましょう」(山本さん)

出世や成功などへの欲望は決して悪いものではありません。しかしそのためには周囲からの信頼を得ることがまず必要です。そのためにも、他者へ敬意を払うこと、を忘れないようにしましょうね。

■5:周囲の意見やアドバイスに耳を傾けないのはNG

自信過剰になりすぎていませんか?
自信過剰になりすぎていませんか?

仕事をするうえで、経験に裏付けられたプライドは大切なものですが、自信過剰に陥ったり、自分の考えた仕事のやり方だけを過信したりするのは禁物。周囲がどんな意見やアドバイスをしても耳を傾けないと、どんどん周囲に誤解されてしまいます。

「仕事において自分流を模索し、研究し、新たな仕事の仕方などを創造することはとても大事なことです。ですが自分流が本当に正しいのか、効率的なのか、という確証を得るには、周囲の意見やアドバイスを聞いたうえで、『それも試したが、こちらの方が効率的』という結論に至ることが重要です。そうすれば周囲も『そのやり方いいね』と納得してくれるでしょう。

しかし、そうした確証もないのに、もっと言えば、結果として仕事が遅れて周囲に迷惑をかけているにもかかわらず、周囲の意見やアドバイスに耳を傾けない人もいます。こうなってしまうと単にプライドだけを守っている人となってしまい、『自己満足の人』と誤解されます。自分流を創造する場合は、周囲の意見やアドバイスを聞いて試したうえで、それを超えるやり方を提案するようにしましょう」(山本さん)

なかには、本当はアドバイスが欲しいのにプライドが邪魔して聞けない人もいますよね。聞くは一時の恥とも言います。人の意見に耳を傾けることのできる謙虚さをいつまでも大切にしましょう。

■6:自分軸や目標がないのはNG

誰かと議論するときに自分の意見を伝えていますか?
誰かと議論するときに自分の意見を伝えていますか?

何か意見を求められると、いつでも決まって「お任せします」と答える人がいます。和を重んじることはたしかに美徳のひとつですが、いつも自分軸がない人も誤解されやすいそうです。

「私は多くの方に『人生の目標をもつようにしましょう』とアドバイスしています。人生の目標があれば、それに応じて生き方、仕事、働き方など、細かい目標が順次決まっていきますし、そこに自分軸というものが生まれます。

自分軸がないと、自分なりの意見を考えるという思考回路が生まれず、どうしても会社や周囲の人に判断を委ねてしまうしかありません。その場合、周囲からは依存型の人と誤解されます。会社や他者に判断を委ねて人生を歩むことは楽かもしれませんが、最終的には自分らしさを表現する機会や自分らしく生きるための選択の機会を失い、人生においては大きな損をしてしまうことになるでしょう。

会社では協調性はもちろん重要ですが、そのために自分の思いやプライベートを犠牲にする必要もありません。自分なりのライフプラン、ライフワークバランスを考えて、自分軸をつくり、ことあるごとにそれを周囲にアピールするようにしましょう」(山本さん)

人生の目標というと大きなテーマだと思いがちですが、「幸せな自分」といったキーワードから手繰り寄せることができるそうです。自分の意見がもてないという人は、少し長いスパンで自分の人生を考えてみて、そこから自分軸を見つけ出してみてはいかがでしょうか。

上記の中に「あ、これって自分かも」と思うような項目が見つかった人はラッキーです。早速、明日からでも直すことができるのですから。また、「自分は大丈夫」と思っている人も、過信は禁物。自分の行いを再度、冷静に確認してみてください。そして、NG習慣を手放して、より活躍できる女性へと成長していきましょう!

山本憲明さん
税理士、中小企業診断士、気象予報士、山本憲明税理士事務所代表、H&Cビジネス株式会社代表取締役
(やまもと のりあき)1970年5月兵庫県生まれ。早稲田大学政経学部卒業後、横河電機株式会社で、半導体試験装置の営業・エンジニアと経理を経験。2005年1月、山本憲明税理士事務所を設立。現在では、少人数で効率的な経営を行いたい経営者をサポートし、その経営者がお金、時間、(家族など)人との関係の全てにバランスが取れた楽しい経営が実現できるよう、実践と勉強に励んでいる。『仕事が速い人と仕事が遅い人の習慣』など、著書多数(累計41万部以上)。
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