日常生活において、エレベーターを利用する機会は無数にあるもの。だからこそ、一緒に乗り合わせた人の何気ないふるまいにイラッとさせられたり、「ちょっとこの人、下品だな」と残念な気分になったりすること、ありますよね。でも、もしかしたら、あなた自身が周囲の人からそんなふうに思われているかも……。

公共意識が一気に高まるエレベーターの中
公共意識が一気に高まるエレベーターの中

もちろんこれは、エレベーターの上座・下座など基本的なマナーは心得ているというキャリア歴の高い人でも、要注意! 今回は、プレゼンスコンサルタント®の丸山ゆ利絵さんから、エレベーター利用中に知らずにやると不快感を与えかねない、NGな振る舞いについて教えていただきました。

無神経な人が知らずにやりがちな「エレベーター利用時の振る舞い」9選

■1:満員のエレベーターに「おしゃべりしながら」乗り込む

到着したエレベーターが満員の場合、無理に乗り込もうとせず、1台スルーするのが大人のマナー。ただ、急いでいるときには、なかなかそうもいきませんよね。人の多いエレベーターに乗り込む際には、どのような点に気をつければよいのでしょうか?

「中の人が一歩ずつ奥に詰めてスペースを譲ってくれた場合、『ありがとうございます』『失礼します』など一声かけ、軽く会釈して乗り込むようにしましょう。中の人には目もくれず、同行者とおしゃべりしながら我が物顔で乗り込むのは、望ましくありません」(丸山さん)

自分では失礼なことをしているつもりはなくても、おしゃべりしながら、スマホを利用しながら……といった、ながら動作では、周りへの配慮を欠くことになりかねませんね。

このほか、猛ダッシュで乗り込んだり、「開」ボタンを押してくれた人にお礼を言わなかったりするのも、乗り込み時のNG所作です、とのこと。ほんの短い時間ですが、同じ空間を共有する人たちへの礼儀を忘れないようにしましょう。

■2:混み合っている状況で上着やマフラーの「着脱」をする

エレベーター内でやってはいけない行動としては、どのようなものが挙げられるでしょうか?

「狭い空間をシェアしているという意識を持たずに、自分の好き勝手に動くのはNGです。たとえば、混んでいる庫内で上着やマフラーを脱ぎ着すると、近くにいる人の迷惑になるおそれがありますし、とくに、小さいお子さんも乗り合わせている状況では、うっかりすると袖の端が顔に当たってしまうこともあります」(丸山さん)

ほかにも、自分のバッグをゴソゴソして探し物をするなど、混雑時には、なるべく無駄な動きは避けましょう。降りてからでもできることは、なるべく後回しに!

■3:スマホの画面に没頭する

まわりの状況をよく確認しよう
まわりの状況をよく確認しよう

エレベーター内でのスマホの使用についてはいかがでしょうか? 通話を控えるべきなのは当然として、メールのチェックなども、しないほうがいい!?

「細切れ時間を有効活用するビジネスパーソンが多いので、スマホをチェックするくらいは問題ないでしょう。ただ、スマホの使用中も周囲の人への配慮は忘れずに。以前、エレベーター内でLINEのやりとりに没頭してしまって、降りようとする人がいるのに、通せんぼ状態になっている女性がいました。

通路をふさがれた人は苛立った様子で、彼女に強くぶつかりながら降りていきました。このような残念な事態を招かないためにも、スマホを利用する前に、今使っても大丈夫かどうか? 周りの状況をよく確認するようにしましょう」(丸山さん)

とくに、エレベーターが停止して人の降り乗りがある最中には、スマホの画面ばかりに気をとられず、周囲に注意を向けたほうがよさそうですね。また、スマホに夢中になるあまり、降りるべきフロアのボタンを忘れて別のフロアへ…といった、ちょっと間抜けな姿をさらすことにもなりかねません。

■4:操作盤の前に「ただ突っ立って」いる

操作盤の前に立つときの適切な振る舞いは?
操作盤の前に立つときの適切な振る舞いは?

自分が操作盤の前に立っているときには、どんなことに注意すべきでしょうか?

「操作盤の前に立つ以上、ボタン操作に責任感を持つことが大切です。操作盤をふさぐように、ただぼんやり突っ立っているだけでは、他の利用者の邪魔になってしまいます。

エレベーター停止中に開閉ボタンを押したり、乗り込んできた人に対して、『何階ですか?』と尋ねて行き先ボタンを押したり、ボタン操作に気を配りましょう。

そして、自分の目的階についたときも、他の人の降り乗りを優先して、自分が降りるのを最後にします。もしそれができない、やりたくないのであれば、操作盤の前には立たずに、奥に入るようにしましょう」(丸山さん)

単に、自分が降りやすいからという軽い気持ちで操作盤の前に陣取るのは、考えもの。何もしない、というのはプラスマイナスゼロの挙動ではなく、操作盤の前ではマイナスだと心得て、そのポジションでの役割をしっかり果たしましょう。

■5:相手の顔を見ずに「何階ですか?」と尋ねる

同乗者のためにボタン操作をするのは親切な行為ですが、ただ、態度によっては悪印象を与えるおそれも。

「そっぽを向いたまま『何階ですか?』と事務的に尋ねたのでは、あまり感じがよくありません。相手にやわらかく微笑みかけながら、ほがらかな声で尋ねましょう」(丸山さん)

たまたま乗り合わせた人が、ちょっとハッピーな気分になれるような、感じのいい対応を心がけたいですね。

■6:状況を確認せず「閉」ボタンを連打する

自分の都合しか考えないのはNG
自分の都合しか考えないのはNG

操作盤での注意点がもう1つ。状況をよく確認しないまま、「閉」ボタンを連打するのはやめましょう。見た目的にもエレガントではありませんし、何よりもまだ乗り込もうとしている人がいたときには、大変危険です。

■7:操作盤の前にいる人を「押しのけるように」して行き先ボタンを押す

ここまで自分が操作盤の前に立つケースを見てきましたが、逆に、自分が奥にいる場合、操作盤の前にいる人に対して失礼な行動としては、どのような点が挙げられるのでしょうか?

「行き先階のボタンを押してもらったのに、お礼を言わないのはNGです。また、操作盤の前にいる人を押しのけるようにして、無言で行き先ボタンを押すのも失礼にあたります。自分でボタンを押す場合は、『失礼します』と声をかけるようにしましょう」(丸山さん)

エレベーター内に限ったことではありませんが、公共空間では「ありがとうございます」や「失礼します」などの、一言コミュニケーションが、余計なトラブルを呼ばない大切な行動です。

■8:「ボタンを押し間違えた」のに知らん顔する

焦っているときなどは、行き先ボタンを押し間違えてしまうこともありますよね。自分以外にたまたまその階で降り乗りする人がいれば問題ないのですが、利用者がゼロの場合は、厄介。扉が開いたまま庫内には「誰だよ、この階のボタン押したのは?」という気まずい空気が流れます。こんなとき、どうすればいい!?

「ボタンを押し間違えて、かつ利用者が誰もいない場合には、素直に『すみません、間違えました』と申告してしまいましょう。もし、操作盤が手の届く範囲にある場合、通常、『閉』ボタン連打はあまり好ましくありませんが、このシチュエーションに限っては、連打しても構わないのでは?」(丸山さん)

ボタンを連打することで、申し訳ない感が伝わり、微笑ましい印象ですよね。自分が恥をかかないことよりも、まわりの人の都合を優先するようにしましょう。

■9:エレベーター前で「長々と挨拶」をする

丁寧すぎる見送りが仇になることも?
丁寧すぎる見送りが仇になることも?

最後に、丸山さんからエレベーター利用時に見かけるちょっと気になる光景について教えていただきました。
「取引先などをお見送りする際、エレベーター内に他の利用者がいるのに、扉を開けたまま仰々しく挨拶しているシーンに遭遇することがあります。

扉が閉まるまで頭を下げるのがマナーともいわれますが、あまりこだわりすぎると、周りの利用者を困惑させてしまうことも。エレベーター前での挨拶はケース・バイ・ケースで、状況によっては『早々に失礼いたします』と手短に切り上げるのもスマートです」(丸山さん)

これはたしかに、その場に居合わせた無関係な人たちも、自分が頭を下げられているような、妙な感覚を覚えますよね。見送る側、見送られる側がともに空気を読んで、なるべく挨拶を長引かせないようにしましょう。

エレベーターの利用時間は、ほんの一瞬ですが、そのわずかな間にどのように振る舞うか、周囲の人にどれだけ配慮できるかにおいて、その人の品格がにじみ出るといえそうです。お互いに気持ちよくエレベーターを利用するためにも、今回ご紹介したNGな振る舞いに心あたりがある人は、この機会にぜひ改善しましょう。

丸山ゆ利絵さん
プレゼンスコンサルタント®
(まるやま ゆりえ)五つ星ホテルや一流ビジネスクラブ等での要職を歴任、数千人の財界人との交流を通じ、「エグゼクティブプレゼンス」=一流を目指す人に必須の立居・振る舞いを分析・体系化。企業研修や個人コンサルティングにおいては、エグゼクティブトレーニングの一環として、イメージや品格を高めるソーシャルセンスの指導を行う。著書に『「一流の存在感」がある人の振る舞いのルール』(日本実業出版社)、『「一流の存在感」がある人の気づかいのルール』(同)がある。
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WRITING :
中田綾美
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