「平成」のスポーツといえば、名選手が綺羅星のように現れ、活躍し、名を残しましたが、荒川静香(あらかわしずか)さんや羽生結弦(はにゅうゆづる)選手など、日本をフィギュアスケート大国へと押し上げた「氷上スター」も次々と誕生。彼らの数々の名演技に、胸を熱くした人も多いはず。
そこで、「Precious.jp」では、記憶に残る「平成の氷上スター」たちを大特集。vol.2 高橋大輔選手に続き、今回ご紹介するのは、2010年 バンクーバーオリンピック銀メダリスト・浅田真央(あさだまお)さんです。
アクセルを含む、6種類すべての3回転ジャンプを跳ぶことができるトップスケーターとして活躍した浅田真央さんの軌跡を、懐かしの画像とともに振り返ります!
天才アスリート「真央ちゃん」の登場に日本中が騒然!
■愛らしい小学生スケーターが決めた大技・トリプルアクセル
1990年9月25日生まれの浅田さんは5歳の時、姉の舞さん(同じくスケーターで、現役引退後はスポーツキャスターとしても活躍)と遊びに行ったスケートリンクで、フィギュアスケートと出会います。すぐに才能を開花させ、小学生の頃から3回転アクセルの練習をスタート。2003年の中部ブロック大会で、3回転アクセル-2回転トウループという高難度の連続ジャンプに成功! 「真央ちゃん」の愛称で知られるようになりました。
■華々しいシニアデビュー! グランプリファイナルで優勝
2005-2006シーズンにシニアへと初参戦。グランプリ(GP)ファイナルでは『くるみ割り人形』に乗せた可憐な演技で、3回転アクセルを鮮やかに決めて優勝。世界女王のイリーナ・スルツカヤを破っての優勝となり、大きく注目を集めます。その実績から2006年 トリノ五輪出場を期待する声もありましたが、国際スケート連盟(ISU)の定めた年齢制限に87日足りず、残念ながら五輪への出場資格は得られませんでした。
■不屈の精神で、ライバルらを抑えて初の世界女王に
2007年にはロシアの名匠・タチアナ・タラソワのもとでバレエなどに取り組み、表現力にさらなる磨きをかけました。2008年の四大陸選手権は初出場で優勝するも、大会後に左足首を負傷。また、アルトゥニアン・コーチとの師弟関係を解消し、同年の世界選手権には「単身」で臨むことに。フリーの冒頭では大きく転倒したものの、その後パーフェクトな演技で挽回し、日本人選手5人目となる世界女王の座に輝きました。
■初の五輪で3度のトリプルアクセル! 銀メダルを獲得
2008-2009シーズンより、タチアナ・タラソワコーチに師事。初の五輪出場となるバンクーバー五輪では、重厚感あふれるラフマニノフの前奏曲『鐘』に乗せた演技で、銀メダルを獲得。女子シングル史上初めて、1つの競技会中に3度の3回転アクセルを成功させ、ギネス世界記録に認定されました。続く同年の世界選手権では優勝。その後、新たに佐藤信夫コーチに師事し、ソチ五輪へ向けてジャンプを根底から作り変えることに。
■さまざまな試練を乗り越えて、さらに強く美しく
バンクーバー五輪後はジャンプの矯正に苦しみ、一時はスケートへの意欲を失ったことも。しかし2012-2013シーズンは中国杯、NHK杯とGPシリーズで連勝。さらにGPファイナルで優勝、全日本選手権でも優勝を果たすなど、復調を印象づけます。続く自国開催の四大陸選手権では、ショートプログラム『アイ・ガット・リズム』で3回転アクセルを2年ぶりに成功させ、3年ぶりの優勝! その魅力溢れる演技に会場は総立ちとなりました。
浅田真央にしかできない挑戦に、世界中が心動かされた
■「伝説のフリー」と呼ばれた、奇跡のスケーティング
優勝候補と注目されていた2014年 ソチ五輪では、ショートプログラムでまさかの転倒が相次ぎ、16位と大きく出遅れます。しかし翌日のフリーでは冒頭の3回転アクセルをクリーンに決め、女子史上初となる全6種類、計8度の3回転ジャンプを次々と着氷! 見事な追い上げで6位入賞を果たし、「魂の演技」「伝説のフリー」と賞賛を浴びました。続く世界選手権でも歴代最高得点を更新する演技で、3度目の優勝を果たします。
■現役引退後はアイスショーで全国のファンを笑顔に
2014年に競技生活の休養を発表しましたが、2015年のジャパンオープンで競技復帰。同年の全日本選手権では3位となり、伊藤みどりさんに並ぶ、11個目のメダルを獲得します。2017年4月、惜しまれながら現役引退を表明し、プロスケーターとして活動を開始。2018年より、これまでのプログラムをメドレーという形で、無良崇人さんらスケーターと繋いでいくアイスショー『浅田真央サンクスツアー』をスタートさせました。
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4度のGPファイナル優勝、3度の四大陸選手権優勝、3度の世界選手権優勝…と多くの記録を塗り替えた浅田真央さん。力強さとしなやかさを兼ね備えた演技は、まさに唯一無二。
また、パンツスタイルの『シェヘラザード』や、パラソルを使ったエキシビションナンバーの『メリー・ポピンズ』など、その華麗なコスチュームを楽しみにしていた人も多いはず。現在ツアー中の『浅田真央サンクスツアー』でも、プロスケーターならではの演技を披露してくれており、今後もどんな活躍を見せてくれるか楽しみですね!
さて「平成の氷上スター」を振り返る本企画を締めくくる第4弾は、2014年ソチ五輪・2018年平昌五輪と2大会連続で金メダルを獲得した羽生結弦選手をピックアップ。どうぞお楽しみに!
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- Fuyuko Tsuji